ビーチでのんびり過ごした翌日、肌にほてりや痛みを感じているなら、それが意味することはただひとつ――日焼け止めを塗り直し忘れて、日焼けをしてしまったということ。

日焼け止めを塗り直し忘れてしまうと、どれほど熱心に対策をしていても、日焼けしてしまうことがある。問題は、塗り直し忘れにより、皮膚の不快な症状だけでは済まなくなるということ。米皮膚がん財団によると、5回以上日焼けをすると、皮膚がんのなかでも致命的なメラノーマ(悪性黒色腫)のリスクがおよそ2倍になるそう。

そして、日焼け止めを塗ることが、日焼けや皮膚がんのリスクを減らすためのベストな方法だと言われている(同時に、つばの広い帽子をかぶったり、日焼けしにくい服を着たりするのも効果的)。

young woman applying sunscreen, close up
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SPF15以上の日焼け止めを毎日使用することで、扁平上皮がんの発症リスクを約40%、メラノーマの発症リスクを約50%低減することができる(皮膚がん財団調べ)。もし屋外で活動する場合は、SPF30以上の日焼け止めを使うのがベター。

そして、日焼け止めを塗ったら、塗り直すのを忘れないこと。皮膚科医が教えてくれた、日焼け止めを塗りなおす習慣を身につける方法を、ここでしっかり学んでおいて。

改めて、日焼け止めはどう機能している?

日焼け止めには、物理的なものと化学的なものの2種類が存在する。物理的な(またはミネラルの)日焼け止めは、酸化亜鉛や酸化チタンなどの成分が肌を保護し、物理的に紫外線の侵入を防ぐ。

いっぽう化学的な日焼け止めには、アボベンゾンやオクチサレートなどの成分が含まれ、紫外線が肌に害を与える前に吸収する。皮膚がん財団によると、物理的な日焼け止めの方が肌への刺激は少ないが、どちらの種類も安全で効果的であると述べている。

mother and daughter on beach
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「日焼け止めの作用を理解するときは(どのタイプであっても)、紫外線で満たされるコップのようなものだと考えてください」と説明するのは、マイアミ大学医学部皮膚科でエスニック・スキンケアの部長を務める認定皮膚科医のヘザー・ウーラリー=ロイド医学博士。

これはつまり、数時間後にカップが満杯になり、それ以上紫外線を吸収できなくなるため、肌に紫外線が侵入してくるという仕組み。ウーラリー=ロイド博士は「日焼け止めの塗り直しは、新しいコップを再び用意して紫外線を吸収することで、肌への侵入を防ぐということです」と説明する。

どのくらいの頻度で塗り直すべき?

一日中保護された状態を保つには、「2時間ごとに塗り直す必要がある」とウーラリー・ロイド博士。泳いだり、汗をたくさんかいたりする場合は、さらに頻度を高めるべきだそう。

また、日焼け止めを塗る際には、ためらわずにたっぷりと塗るのがポイント。「ほとんどの人は、最初に塗る日焼け止めの量が足りないため、ラベルに記載されているのと同等の効果が得られていません」と語るのは、認定皮膚科医兼研究者で、バウマン美容皮膚科(Baumann Cosmetic Dermatology)の創設者でもあるレスリー・バウマン医学博士。バウマン博士は、「量が足りないと日焼け止めの効果が低下し、皮膚を保護する能力がなくなる原因となります」と指摘する。

寒い日や曇りの日は、日焼け止めを塗らなくてもいいと思っている人も多いが、実はそうではない。曇りの日には、肌にダメージを与えるUVB(紫外線B波)を含む紫外線は少ないかもしれないが、UVA(紫外線A波)は晴れた日と同じくらい強く、UVBよりも多くのダメージを与えるとバウマン博士は言う。

つまり、雨の日や、スキーをするときなども、日焼け止めを塗る必要があるということ。

young woman putting on sunscreen in the snow
Chris Tobin//Getty Images

日焼け止めを塗り直すタイミングは?

一般的には、2時間ごとに日焼け止めを塗り直すことで、有害な紫外線から肌を守ることができる。しかし以下のようなシチュエーションでは、もっと頻繁に塗り直したほうがいいそう。

1. 運転するとき

ウーラリー=ロイド博士は「車に乗っているときにどれだけ紫外線を浴びているかを、みなさん過小評価しています」と言う。

運転席でも助手席でも、直射紫外線を浴びている可能性が高いので、2時間ごとの塗り直しルールは絶対に守るようにしたい。ウーラリー=ロイド博士は、長時間車で通勤している患者には、特に注意を促しているそう。

2. 海やプールで泳ぐとき

ウォータープルーフの日焼け止めは素晴らしい製品だが、それでも2時間ごとに塗り直す必要が。また、水分を拭き取るときには日焼け止めも拭き取ってしまうため、タオルで体を拭いた後には塗り直しを忘れないようにしたい。

3. 窓際に座るとき

室内にいるからといって、紫外線から守られているわけではない。窓が開いていても閉まっていても、太陽の光は届きやすくなっている。

「開いているか閉まっているかにかかわらず、窓からは紫外線が届きやすくなります。オフィスに窓があれば、間違いなくかなりの紫外線を浴びているはずです」とウーラリー=ロイド博士は指摘。

長時間窓際に座っている場合は、日焼け止めのルールに従って、2時間ごと(またはそれ以上)に塗り直すことを心がけたいもの。

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塗り直しを忘れない方法は?

とはいえ、日焼け止めの塗り直しは、つい忘れがちになってしまうもの。毎日の習慣にするため、いつもの生活ルーティンに加えてみよう。

「朝、歯を磨いた後に日焼け止めを塗り、その後ランチに行く前など、外に出るときはいつでも日焼け止めを塗り直すように習慣づけましょう」とバウマン博士は提案。耳、首の前後、胸、手の甲なども忘れずに。

そして何より、お気に入りの日焼け止めを見つけることが重要。特に顔用の日焼け止めは塗り直しがやや面倒な場合もあるので、自分にぴったりのものが見つかれば、使い続けることができるはず。

薄く色のついたタイプや、すっぴん派にはSPF入りのモイスチャライザー、そして、メイクの上からでも塗り直しができるパウダータイプの日焼け止めなどがあるので、しっかり吟味してみて。

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JGI/Jamie Grill//Getty Images

さらには、「QSun」や「My Skin Track UV」などのアプリを使ってリマインドするという手もあり。「こうしたアプリは優秀で、自分がどれだけ日光にさらされたかを記録するだけでなく、日焼け止めの塗り直しのタイミングも教えてくれます」とウーラリー=ロイド博士。

日差しが強くなるこれからの季節、しっかり日焼け対策を講じておいて。

Photos: Getty Images Translation: Masayo Fukaya From Prevention

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Destinee Scott

Destinee Scott is an editorial fellow and a graduate student at New York University. She graduated magna cum laude from St. John’s University and has a passion for inspiring people to live their best lives. She is also a blogger and an avid-candle shopper.