紫外線量が最も多い夏が、これからやってくる。毎年日焼け対策をばっちりやっているのに、うっかり焼けてしまったりシミが年々増えてしまったりと悩む女性もいるのでは。そこで今回は、皮膚科医と専門家が、日焼け後の正しいアフターケアについて解説してくれた。

【目次】

1.紫外線が肌に与える影響とは?

2.日焼け後はすぐにアフターケアをすることが大切

3.絶対やってほしい「アフターケア6」

4.日焼け止めの選び方

5.日焼け止めの効果的な使い方

6.日焼け止めの塗り方

7.日焼けした後のスキンケア

8.飲む日焼け止めの効果とは?

9.内側からのケアも大切

10.日焼けしたあとに避けるべきものは?

11.日焼けによるかゆみを抑えるには?

12. おすすめの商品

1.紫外線が肌に与える影響とは?

紫外線は、太陽の光に含まれる目に見えない不可視光線。波長の長さによって種類が分かれるが、人間の肌に影響を与えるのは、UV-A、UV-Bの2つ。
UV-Aによる「肌が黒くなる」日焼けのことをサンタンという。メラニンが活発化し、時間が経つとシミになることも。
UV-Bによって引き起こされる肌荒れのことを、サンバーンという。エネルギーの強いUV-Bは肌の奥まで達すると、ゴワつきやカサつきとして肌にあらわれる。

参考記事: 【Sunshine Lover宣言】紫外線量、急上昇中! 意外と知らないUV、基本の「き」と日焼けの盲点

2. 日焼け後はアフターケアが大切

日焼け後の肌は、普段よりも熱を持った状態。放っておくと、シミやくすみのもとであるメラニンが生成される。それだけでなく、肌が乾燥しハリが失われることも。肌の老けを防ぐために、日焼け直後のお手入れは必須。

3.絶対やってほしい「アフターケア6」

1.日焼け直後は、ひたすら冷やして鎮静化させる。
日焼けは軽度の火傷といえるため、冷やすことが大切。まずは肌の熱を取るため、冷水のシャワーや冷却ジェル、冷水に浸して絞ったタオルなどでほてりを抑えて。ただし、直接氷を当てると、肌の負担になるため避けよう。

2.保湿が重要。
メラニン対策として、ビタミンCの入ったローションや保湿液を選びがち。日焼け直後の肌は敏感な状態のため、潤い重視の商品を使おう。

3.ビタミンCを積極的に摂る。
シミの原因であるメラニンの生成を抑える働きを持つのが、ビタミンC。食事やサプリメントで摂取しよう。

4.水分補給をしよう。
日焼け後の体は、水分不足に。水分をしっかり摂ることを心がけて。おすすめの飲み方は、「一度にまとめて」ではなく、「こまめに」水分を摂ること。

5.ミネラル、抗酸化物質を食事で摂取。
日焼けケアには、ミネラルと抗酸化物質が有効的。ミネラルが豊富な食材やサプリメントを意識的に摂ろう。またトマトは、抗酸化物質を多く含むおすすめの食材。

6.水ぶくれは絶対に潰さないこと。
日焼けによる水ぶくれは、絶対に潰さないように。水ぶくれには皮膚の保護層を形成する体液が含まれているため、これを潰すと感染症のリスクが高くなるという。
万が一潰してしまったら、まず低刺激の石鹸と水で潰れた水ぶくれを洗おう。そのあと、抗菌作用のあるクリームを塗り、濡らした包帯を巻いておくといいそう。

参考記事: 覚えておきたい! 日焼けしてしまったときのケア
もしもの時のために知っておきたい、日焼けの正しいケア方法

4.日焼け止めの選び方

日焼け止めの種類と、毎日塗るのに適した日焼け止めの選び方について、皮膚科専門医であるマラル・スケルシー医学博士が解説。
日焼け止めは、フィジカル(ノンケミカル)サンスクリーンと、ケミカルサンスクリーンの2種類がある。
「フィジカルは、傘のように皮膚の表面を覆い、肌に塗るとすぐに紫外線をはね返してくれます。一方でケミカルは、紫外線をはね返す機能は持ちません。代わりに、紫外線を吸収して肌への浸透を減らします」とスケルシー医学博士。
フィジカルとケミカルの日焼け止めの両方に効果があるため、どれを使うかは個人の好みと使いやすさによる。
しかし、日焼け止めを塗る時間がない、敏感肌な人は、フィジカルの日焼け止めがおすすめという。
「日焼け止めを選ぶときは、成分だけでなく、”ブロードスペクトラム”という表記があるかどうかを確認してください。これは、皮膚がんやシワ、老化につながるUVAと日焼けを引き起こすUVBの両方を防御するという意味です。また、SPFは最低でも30以上の日焼け止めを、水泳に行くときや汗をかくときは、最低でも80分の耐水性があるウォータープルーフの日焼け止めを選びましょう」とスケルシー医学博士。

参考記事: 皮膚科専門医が解説! 自分にベストな日焼け止めの選び方って?

5.日焼け止めの効果的な使い方

「ケミカルの日焼け止めは、効果を発揮するまでに時間がかかります。そのため、外出する30分前に日焼け止めを塗るようにしましょう。最も重要なのは、1日中こまめに塗り直すことです」とスケルシー医学博士。
SPFが30以上の製品を2時間ごとに塗り直すのがおすすめ。また、外で長時間過ごすなら、ファンデーションや保湿液のUV効果を当てにしないほうがいいそう。
またニューヨーク大学ランゴンメディカルセンターの皮膚科学准教授、ジェニファー・A・ステイン博士は、「ほとんど室内で過ごすのが分かっているときはいいですが、化粧品のSPFは大抵15未満です。それに頼って長時間日光を浴びれば、肌が危険にさらされてしまいます」という。

参考記事: 皮膚科専門医が解説! 自分にベストな日焼け止めの選び方って?
日焼け止めスプレー、ローション、スティック…どれが一番効果的?


6.日焼け止めの塗り方

正しい日焼け止めの塗り方を知り、塗りムラや漏れを防ごう。
日焼け止めの塗り方の基本は「ムラなく、均一に」。これを意識してよくしてしまう間違いが、薄くのばしてしまうこと。適量をつけているつもりでも、薄くのばし過ぎてしまい、膜が不完全になってしまうという。

<塗り漏れがちな部位>
●こめかみ、耳の周り
●髪の生え際、フェイスライン
●首
●背中
●手
●足の甲、足の指

塗り漏れやすい部位を意識して、日焼け止めを塗るようにしよう。

参考記事: 塗っているつもりでも日焼けしていた!? 日焼け止めの塗り方、再LESSON


7.日焼けした後のスキンケア

日焼け後の正しいケア方法を、スポーツメイクの第一人者、ヘア&メイクアップアーティストの長井かおりさんが教えてくれた。

1.保湿をしっかりしよう
「日焼け後の肌は非常に敏感になっているので、コットンは使用せず、手で優しくつけていきましょう。日焼け後専用のアフターサンケアコスメや火照りを鎮静させてくれる、お助けコスメの使用をおすすめします。日焼けの沈静化を目的に、日頃使用していないフェイスマスクやパックの使用を考える方もいらっしゃると思いますが、この段階では逆に肌にとって、刺激になる可能性も。マスクやパックなどのスペシャルケアは、日焼けが落ち着いてから取り入れましょう」

2.美白ケアコスメは日焼けが落ち着いてから
「日焼け後に、慌てて美白コスメを使いたくなりますが、日焼け直後はぐっとこらえて! 美白コスメは、日焼けの火照りや乾燥が落ち着いてから取り入れましょう。日焼けによる刺激を受けた肌には、まずは保湿が必要です。美白ケアアイテムは比較的さっぱりしたアイテムも多いため、加えて保湿ケアもきちんと行いましょう。肌の潤いが保たれていないと、美白作用も半減してしまいます」

参考記事: うっかり日焼けもしっかりケア! 知っておきたい日焼け後のケア4ステップ
もしもの時のために知っておきたい、日焼けの正しいケア方法


8.飲む日焼け止めの効果とは?

“飲む日焼け止め”の効果について教えてくれたのは、アーユルヴェーダ・ライフスタイルアドバイザーの資格を持つ、三野村なつめさん。
「多くの製品で採用されている成分として、フェーンブロック、ニュートロックスサン、アスタキサンチンなどがありますが、これらのおもな効果は”抗酸化”と”抗炎症”。紫外線によって発生する活性酸素から守り、また、それによるダメージを鎮めるというものです。もちろん肌が受けるダメージを軽減する効果は期待できますが、直接肌を紫外線から防御しているということではないので、日焼け止めと併用するプラスケアとして取り入れてみてはいかがでしょうか」と三野村さん。

出典元: 肌のクリニック
参考記事: 日焼けで肌に起きている事実


9.内側からのケアも大切

シミやくすみなどの肌トラブルを回避するために摂りたい食材を、管理栄養士・藤原朋未さんが教えてくれた。見落としがちな目のケア、日焼け後に控えるべきあの飲み物など、夏の日差しと上手に付き合うコツをご紹介。

<ビタミンA>
ビタミンが持つ抗酸化作用により、紫外線のダメージを軽減してくれる。
ウナギやレバーはビタミンAが豊富。また、ニンジンやほうれん草、ピーマン、カボチャなどの緑黄色野菜に多く含まれるβカロテンも体内でビタミンAと同じ働きをするので、積極的に摂取を。βカロテンは、脂溶性(水に溶けにくく、油に溶けやすい)なので、炒め物にしたりナッツと一緒に食べたり、良質な油と合わせて取り入れるのがおすすめ。

<ビタミンC>
いちご、レモン、柑橘類はビタミンCを多く含む食材として知られているはず。けれど、これらは水溶性ビタミンなので、加熱せずに生で食べるのが望ましい。
また赤パプリカやブロッコリーなどの野菜類、そしてジャガイモやサツマイモなどのイモ類もビタミンCが豊富。特にイモ類に含まれるビタミンCはデンプンで包まれているため、加熱調理しても栄養素が壊れにくく、効率よくビタミンを摂取できる。

<ビタミンE>
アーモンドやクルミなどのナッツ類や植物油、アボカドにはビタミンEがたっぷり。ビタミンCはビタミンEを活性化させ、抗酸化作用を高める働きがあるそう。相乗効果を得るためにも一緒に摂ることを心掛けて。

<リコピン>
スイカやトマトの「赤」はリコピンを多く含んでいる証拠。日焼けの予防、日焼け後の回復に良い。
リコピンはビタミン類以上に強力な抗酸化作用があると言われ、加熱に強いのもメリット。スイカは水分もたっぷりと含むので、日焼け後の水分補給としてもおすすめ。トマトは完熟するほどリコピンの量が増えるので、赤く熟れたものを選んで。
見落としがちは目の紫外線ケアには、アントシアニンが効果的という。

しっかり日差しを浴びた日は、目の疲れが気になる人も多いはず。サングラスや帽子で目に入る紫外線を避けるのと同時に、食事からのケアも忘れずに。ブルーベリー、黒豆、黒米、ナスに多く含まれるアントシアニンは抗酸化作用が高く、目の機能を高め、疲れ目を改善する働きが期待できる。濃い紫色の部分にアントシアニンを含んでいるから、調理するときは「皮ごと」が基本。

10.日焼けしたあとに避けるべきものは?

日焼け後にアルコールを投入すると、血管が拡張しさらに体が火照った状態に。BBQやビーチなど、日焼けとお酒をセットで楽しむ場面が多い夏だけれど、美肌のためにはアルコールを控えよう。

参考記事: 日焼けは毎日の食事で予防! この夏、紫外線に負けない美肌をつくる食材を管理栄養士がアンサー
関連記事: 紫外線に負けない! 肌を輝かせる9つの食材


11.日焼けによるかゆみを抑えるには?

日焼け後のかゆみを抑える方法を話してくれたのは、マウント・サイナイ・アイカーン医科大学皮膚科学臨床准教授であるゴールデンバーグ博士。
「日焼けが皮膚の深層部まで届いていると、痛みやかゆみが非常に強くなり、治療が必要になるケースもあります。ものすごくかゆいけれど、病院へ行くほどでないのなら、自宅でできることをしましょう」

アロエ:アロエは抗炎症作用が働くため、炎症を鎮める効果がある。ゼラチン状のアロエは肌を落ち着かせ、潤してくれる。

こってり系の保湿クリーム:保湿クリームは肌を潤し、外皮の上に保護バリアを作る。

冷湿布:冷湿布を肌にのせると血管が収縮し、炎症が緩和するという。

たっぷりと水を飲む:日焼けは皮膚のバリア機能にダメージを与えるため、体の潤いを取り戻すに、いつも以上に水を飲む必要がある。

皮膚を覆う:日焼け部位を風や日光などから守り、さらなるダメージを防ごう。

かかない:衝動を抑えるのは大変かもしれないけれど、かくと後々面倒なことになる。スキンバリアが破壊されている状態で肌を掻けば、間違いなく症状が悪化する。

はがさない:かくのと同じで、皮膚をはがすとスキンバリアがさらに破壊され、感染症のリスクも高くなる。

参考記事: 日焼けによる肌の痒みを抑える方法

12.おすすめの商品

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Runa Komatsu
エディター

主にSNS周りを担当。オーガニック・ヘルシーフード・K-POPなどのリサーチ力が持ち味。オーガニックワイン、ヴィーガンフードなどのキーワードから、土壌を始めとする環境問題などにも興味を持ち、記事へとつなげている。 2022年までウィメンズヘルス編集部に在籍。