「茶色の血液は基本的に古い血液です」と説明してくれたのは、マサチューセッツ州ボストンのブリガム・アンド・ウィメンズ病院で婦人科医のカリ・P・ブラーテン医学博士。
子宮内膜にある子宮内膜組織がはがれ落ちて体内から排出されると、血液が空気にさらされ酸化することによって、経血は茶色くなるそう。
「前回からの古い経血が残っていれば、生理が始まったばかりの頃に茶色い経血が出ることもあります」とブラーテン医学博士。また人によっては、生理の終わりに近づき、経血量が軽くなる頃に茶色く排出されることも。「経血が緩やかに排出されているときです。ゆっくりと酸化していき、次第に茶色くなって出てきます」とブラーテン医学博士。経血量が多く、比較的速いスピードで排出されているときは真っ赤、あるいは濃い赤色である傾向にあるみたい。
茶色くなる理由としてこの「経血の酸化」が主ではあるものの、そのほかにも大きく二つの原因が考えられるそう。一つは、赤身肉や緑の葉物野菜など、鉄分を豊富に含む食材を多く食べていたり、鉄をサプリメントから摂取していたりする場合。ロナルド・レーガンUCLAメディカルセンターに勤める管理栄養士のダナ・ハンズ博士いわく、血液中に鉄分が多いと、酸化のプロセスが早まるとのこと。
二つ目は、エストロゲンを含まない避妊ピルやエストロゲンの含有量が少ない低用量ピルを服用している場合。子宮内膜が安定しにくくなり、ときに破綻出血を起こす可能性があることが原因として考えられるよう。排卵が少ないことから起きる破綻出血は、基本的に軽めであるため、酸化プロセスを進行させ、経血が茶色くなりやすいのだとか。いずれにしても、生理中にこの二つが起きることは基本的に正常である(*)と心にとめておいて。
*茶色い経血のすべてが正常だとは限りません。ほかの原因がある可能性もあります。