【登山特集4】生理(月経)のときはどうする? ドクターに教わる女性ならではの「注意点」

29 August 2018

【登山特集4】生理(月経)のときはどうする? ドクターに教わる女性ならではの「注意点」

「山ガール」という言葉もすっかり定着し、山好き女子も珍しくなくなった昨今。でも、登山日と生理(月経)が重なってしまったら……? 女性ならではの悩み、どう解決したらいい? 女性の体にも詳しく、日本登山医学会認定国内山岳医の資格も持つ東京女子医科大学本院 総合診療科・女性科(女性内科)准教授の片井みゆき先生に、これらの悩みや女性が登山するときの注意点を取材。


月経が重たい場合は「無理をしない」

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「月経は病気ではないので、月経中に登山をしてはいけないということはありません。ただ、山ではトイレのある場所が限られており、ナプキンを頻繁には変えられませんので長時間用のものを使うと良いでしょう」と教えてくれたのは、片井みゆき先生。

「山ではごみを出さないように処理し、ごみがある場合は自分で持ち帰るのが基本です。トイレットペーパーだけは捨てる場所が設けられていることもありますが、ナプキン等は基本的には持ち帰ることが多いです。中程度の大きさのレジ袋に、小さめのビニール袋を何枚か入れた“持ち帰り用バッグ”を用意しておくと良いですね。中身が分かりにくいように、外側にさらに濃い色の袋や化繊の巾着袋などを選ぶと、なお良いので工夫してみてくださいね。

でも、月経のつらさや経血の量には個人差があります。普段から腹痛や腰痛がひどくて寝込んでしまったり、経血量が多くて立ちくらみも起こる方は、無理をせずに登山日の変更も視野に入れて検討する方がいいかもしれません」


「体力不足」にも注意を払いましょう

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女性の登山者で時折見られるのが、体力不足で途中でバテてしまうケース。

「登山は安静時の何倍ものエネルギー消費があると言われており、運動強度としてはかなりハードです。問題になるのは、もともと登山ができる体力があるか、ということです。

まずは山へ行く装備を背負って、平地を“登山の所要時間+予備の1〜2時間”、歩けるかどうかを試してみてはいかがでしょうか? そもそも平地を歩けなければ、より負荷がかかる山道を歩けるはずもありません。現在、自分が歩けるレベルに見合った所要時間の山を選ぶことや、装備をセレクトすることも必要になってきます。

普段から階段の上り下りや、ウォーキングなどで山に必要な脚力を鍛えると共に、山の登り下りのサポートのための登山用ポール・ストックなども用意すると安心です。登山用ポール・ストックは、できれば両手用がベターですね」

 

また最近はダイエットが定番化して、日々の食生活で慢性的に栄養不足になっている人も少なくない。栄養不足な状態で運動強度が高い山に登れば、当然バテてしまうことに……。

「登山の当日だけではなく、少なくとも数日前から水分や栄養補給を開始するのが良いとも言われていますので、心掛けてくださいね」


「安全性も考えたおしゃれ」を

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最近では登山ウエアや小物、リュックにかわいいものが多く、おしゃれをしながら登山を楽しんでいる人も。でも安全上、これが問題になる場合もあるという。

●リュックに、たくさんのチャームやマグカップなどをぶら下げている
「枝などに引っ掛かり、事故につながることも。リュックの周りに引っ掛かるものをぶら下げないように注意しましょう」

●ウエストポーチでの登山
「低山ではこのスタイルで登る人もいるかもしれませんが、かがんだときに何かに引っ掛かったり、バランスを崩しやすくなります。山へ行くときは、やはりリュックを背負うのが基本になります」

●ジーンズや短パンでの登山
「ジーンズは綿なので雨などに濡れると、冷えて重くなるので登山には向きません。また、短パンはけがをしたり、虫刺されなどをしやすいので、脚を露出させずに機能性タイツなどを下に穿くことをお勧めします」

 

「登山は自然の中で行う素晴らしいスポーツです。山の楽しさは格別ですが、一方、ひとたび悪条件が重なれば、自然の中ならではの怖さもあります。

山を楽しむためには、準備や学びが欠かせません。皆さまの楽しい登山ライフがスタートするよう、お祈りしています」

 

 ■お話を伺ったのは……
片井みゆき(かたい・ゆみき)先生
東京女子医科大学本院 総合診療科・女性科(女性内科) 准教授。信州大学医学部、同大学院医学博士課程修了後、同大医学部附属病院内分泌科へ。その後、ハーバード大学医学部フェローなどを経て、東京女子医科大学にて性差医療の現場で治診療を行う。内分泌代謝専門医、甲状腺専門医、女性ヘルスケア専門医として女性特有の疾患などに詳しい。また、北アルプスが近くにあった大学時代から登山を始め、山岳診療や救助に携わる山岳医の資格も持っている。

Photo:Getty Images Text:Manabi Ito

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