いつの間にか炭水化物はダイエット界で嫌われがちになってしまった。けれども、思えば食べ物は私たちの体の燃料で、パフォーマンスを発揮するに炭水化物はなくてはならない存在。ランニングやウォーキング、サイクリングを楽しんだりと、どんな身体的活動においても、持久力や持続的なエネルギーが必要とする運動をする人にとって、炭水化物はもはや必要不可欠なのだ。筋肉は主に炭水化物をエネルギー源とし、とりわけランナーの場合は1日のカロリーの60%を炭水化物から摂取するべきだとスポーツ栄養士が推奨している。オーストラリア版ウィメンズヘルスより詳しく見ていこう。

ただ、パフォーマンス向上には炭水化物が必要ではあるものの、すべての炭水化物がみな同じというわけではない。重要なのは、適切な種類のものを、運動前、運動中、運動後など適切なタイミングで摂取すること。運動中や前後には、即効性のある高GI値の炭水化物が好まれるが、それ以外の時間帯には、エネルギーが持続し、他の栄養素も含む低GI値の食品から炭水化物を摂取するべきだそう。

メイヨー・クリニックの報告によると、炭水化物は長時間の高負荷運動時に有効なだけではなく、筋肉の修復や脳の機能にも欠かせないという研究結果が出ているとのこと。運動量が多ければ多いほど、より多くの炭水化物が必要になる。医療関係者が推奨するには、体調がよく毎日の軽い運動に必要な炭水化物は、体重1キロにつき3~5グラムが目安で、1日に1時間以上の長い運動をする人は、体重1キロあたり6~10グラムが目安だそう。

では、持久運動の前後や最中にはどのような炭水化物を摂取すればいいの? 早速見ていこう。

バナナ

食べやすく、消化もいい。即効性のある炭水化物のため、アスリートも運動前後に摂取している。また、運動後にタンパク質と一緒にバナナを食べることで、筋肉の回復や修復を促進することができる。

エナジーバー

エナジーバーは、運動後や激しい運動中のエネルギー補給に最適。素早くエネルギーを補給でき、タンパク質や炭水化物、食物繊維が含まれている物が多い。間食にはフルーツや全粒粉などの食品を使用し、砂糖の添加を最小限に抑えたバーを選ぶといい。

ベリー類

イチゴ、ブラックベリー、ブルーベリーなどは炭水化物やビタミン、ミネラル、植物性の栄養素などが豊富で、健康やパフォーマンス向上が期待できる。炭水化物の摂取量はそれほど多くはないが、その他の栄養素やビタミンが含まれているため、健康的で優れたチョイスといえる。

オートミール

オートミールは多くのアスリートに運動前のエネルギーの摂取源とされ、朝食に最適なオプション。消化もよく、炭水化物が豊富で、半カップで54グラムが摂取できる。バナナのスライスやベリー類をトッピングすればさらに炭水化物や他の栄養をプラスできる。

ヨーグルト

ヨーグルトなどの牛乳ベースの食品は炭水化物が豊富で、多くの人にとってヨーグルトは運動後の炭水化物補給に最適な選択肢。

トマトソース

意外なことにトマトソースは、ビタミンやミネラル、リコピンなどの抗酸化物質同様、炭水化物も豊富に含まれる。トマトソースは運動に必要な炭水化物の供給源となるだけでなく、定期的に食べることで特定の疾患を防ぐことにも有効だという研究結果もある。

全粒粉パン

精製された白パンよりも優れたチョイスである全粒粉パンは、1枚あたり12グラムの炭水化物が摂取できる他、食物繊維、ビタミン、ミネラルを含み、低GI食品のためエネルギーが持続しやすい。

スポーツドリンク

運動中のエネルギー補給には、ゲータレードのようなスポーツドリンクや、運動時の筋肉に必要な炭水化物と電解質、水分を補給できるものがいい。ただ、糖分が含まれているので、運動やレースの直前、最中、後には控えた方がよさそう。

※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: WH Staff Translation: Asami Akiyama