ビル・ゲイツが出資していることでも知られる代替肉メーカーであるビヨンド・ミート社は、2019年第1四半期の売上高が前年の3倍になったことを報告し、話題になっている。名前をどこかで聞いたことがあるものの、その詳細については知らないという人も多いのでは。ここでは、ビヨンド・ミート社とその製品について知っておくべきこと、そして栄養士の意見をご紹介。

ビヨンド・ミートとは?

ビヨンド・ミートは、植物性の代用肉を製造する会社。2009年に設立され、2013年にアメリカで初めて製品が販売された。2016年5月には、その植物性ハンバーガーが食料品店の肉のセクションで販売されるようになった。

ビヨンド・ミート社は、ベジタリアンが肉を食べる体験をするために、実際に “血 ”のしたたるバーガーのパテを作ろうとした。現在、ビヨンド・ミート社は3つの主要製品を提供している。「ビヨンド・バーガー」「ビヨンド・ソーセージ」「ビヨンド・ビーフクランブル」。それぞれの製品は微妙に異なるが、一般的にはエンドウのプロテインを分離させたものと植物性油を使用している。

ビヨンド・ミートの栄養成分

通常のハンバーガーやソーセージと同様、これらはダイエット食品ではないので要注意。

1食あたりの栄養成分をチェックしてみよう。

ビヨンド・バーガー(パテ1枚分)

主な原材料:水、単離エンドウ豆タンパク質、エクスペラープレスキャノーラ油、精製ココナッツ油

カロリー:270kcal
脂質:20g
炭水化物:5g
タンパク質:20g

ビヨンド・ソーセージ、ホット・イタリアン(調理済み1本)

主な原材料:水、単離エンドウ豆タンパク質、精製ココナッツオイル、ヒマワリ油
カロリー: 190kcal
脂質:12g
炭水化物:5g
タンパク質:16g

ビヨンドビーフクランブル、フィスティ(1/2カップ)

主な原材料:単離エンドウタンパク、キャノーラ油、ヒマワリ油、スパイス、ライスフラワー、トマトパウダー
カロリー: 90kcal
脂質:3g
炭水化物:3g
タンパク質:13g

ビヨンド・ミートの製品はヘルシー?

全般的に、栄養士はこの点についてかなり賛成している。ニューヨーク在住の管理栄養士、ジェシカ・コーディングは、「植物性の肉の代替品を作る新しい方法を模索している企業であることは評価できます」と言う。「おいしく食べられる新たな選択肢を提供するという意味で、正しい方向への一歩です」

同社が100%天然素材を使用し、非遺伝子組み換え製品を発売していることや、肉のように見えながらも独特の風味があることは、Beth Warren Nutritionの創設者であり、『Secrets of a Kosher Girl』の著者であるべス・ワーレンが評価しているポイント。

コーディング氏は、ビヨンド・ミート社が大豆や大豆レシチンといった、他の肉代替品のつなぎとして使われることの多い加工原料を使用していないことも気に入っており、実際に顧客にこの製品をすすめているという。

しかし、ワ―レン氏は、ビヨンド・ミートが「加工度の高い」製品であることに変わりはないと指摘する。「しかし、高脂肪の牛肉の代わりにたまに食べるのであれば、同じヴィーガン製品の中でもトップレベルの選択肢になるでしょう」と彼女は言う。

一般的な肉製品と比べるとどうなの?

コーディング氏は、ビヨンド・ミート製品には健康面での後光が差していると注意を促し、他のハンバーガーやソーセージと同じように考えるべきだと述べる。「ビヨンド・ミートは、肉を使ったハンバーガーやソーセージと同じように考えてください」と語る。

ニューヨークで活動するCDNのジーナ・キートリーは、「ビヨンド・ミートの製品は、適度な量であれば問題ありません」と同意する。「赤身が80%、脂肪が20%のハンバーガーのパティのように、栄養は似ています。しかし、低カロリー、低飽和脂肪のものが欲しい場合は、ほとんどの食料品店で赤身が90%、脂肪が10%のオプションもあります」

結論としては 食べる量と共に、一緒に食べるものにも気をつけて。「何事もやりすぎはよくありません」とコーディング氏は言う。「しかし、これらは間違いなくよい選択肢となり得ます」

※この記事はPreventionより翻訳されました。

Text:Korin Miller Translation: Noriko Yanagisawa