「グルテンフリー」という言葉がメジャーになってきた昨今。そもそも、グルテンが体に与える影響って?イギリス版ウィメンズヘルスからご紹介。

イギリスでは、フリーフロム(Free From)商品の市場が、約3億6,500万ポンド(約489億円)にまで拡大し、完全にグルテンを排除する食生活を送る人が、全体の13%であることが推定されている。あなたもグルテンを避けるべきなのか、一度は頭をよぎったことがあるのでは?

セリアック病(グルテン不耐症が原因で起こる自己免疫疾患)を抱える人を除いては、グルテンが本当に健康に悪影響を与えるのかを知っておいた方が良さそう。まずは、専門家によるアドバイスを読み進めてみて。

グルテンが体に与える影響とは?

1. 消化に負担がかかる

「グルテンは、分解されにくいタンパク質の一種です」と説明するのは、英国消化器病学会のアーイシャ・アクバル医師。「タンパク質は、消化器系を通過する際に消化酵素の作用で分解されますが、グルテンは分解されにくい性質をしています」。対策としては、消化酵素を多く分泌するために、1口あたり15回は噛むように心がけること。

2. 栄養が吸収されにくい

「現在、セリアック病を抱える人の割合は、人口の1%未満です。グルテンに対する自己免疫反応を起こし、栄養がうまく吸収されなくなります」と、アクバル医師。

そのほか、人口の5〜8%は、体がグルテンに過敏に反応してしまい、お腹の調子が悪くなるといった症状がみられているよう。それ以外の人は、グルテンを摂取しても特に問題ないとか。

3. 食べ物が分解されにくい

詳しく説明すると、グルテンはグリアジンとグルテニンで構成されている。通常は腸内に入ると、組織トランスグルタミナーゼ(tTG)という酵素によって分解されるけれど、セリアック病患者の場合は、体がグリアジンに反応して小腸を攻撃し、食べ物からの栄養素の吸収を妨げてしまうよう。

4. エネルギーが湧く

スパゲティーを食べなければ、もっとエネルギッシュになれると思う? 「グルテンを避ければ、疲労感は増します」と、アクバル医師。「グルテンを含む食品には、グルテン以外にもさまざまな栄養素が含まれているので、グルテンの摂取をやめてしまえば、栄養素が不足し、疲労につながります」。小麦の代替品を考えるよりも、野菜や果物をもっと食べることに重点を置こう。

5. お腹の張りやむくみを引き起こす

パンを食べるとお腹が張る? 真っ先にグルテンのせいにしてはNG。アクバル医師が言うには、「小麦製品を食べた後に感じるお腹の張りは、珍しいことではない」とのこと。「しかし、体が水分を溜め込もうとする原因は、グルテンなのか短鎖炭水化物なのか言い難いところです」。ここは頭を使って考えてみよう。食物繊維が豊富な全粒穀物の摂取量まで減らす価値は皆無のよう。

※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Dan Masoliver Translation: Yukie Kawabata