体重の減少とうつ病を関連付けた研究は、これが初めてではない。でも、ダイエットをやめるのは、この情報をもう少し深く掘り下げてからにするべき。

この研究では、科学者たちが体重過多および肥満の成人約2千名から集めたデータを分析した。その結果、体重を減らした人はうつになる確率が80%も高いことが判明したそう。大切な人との別れなど、心理状態に影響を与える大きな要因をコントロールしてもなお、体重を減らした人は、体重を減らさなかった人よりうつになりやすいという。

この論文の筆者によると、これはダイエットをする人の多くが自分に我慢を強いるから。また、被験者の体重が落ちたとはいえ、目標体重には未到達であることが関係している可能性もある。でも、公認管理栄養士で、アメリカ版ウィメンズヘルスの顧問アドバイザー兼ダイエットエキスパートのケリ・グラスマンいわく、これを理由にダイエットを諦める必要はない。

グラスマンによると、この論文に書かれているのは被験者が体重を減らしたという事実だけで、肝心の “ダイエット方法” については触れられていない。その情報なしでは、被験者のうつ病リスク上昇に食事制限が関係しているかいないかが分からない。また、論文の筆者も認めているけれど、被験者がもともと抱えていたうつ病が、体重の減少をもたらした可能性もある。おまけに研究チームは、被験者が “自分をうつと申告した理由” を調べることすらしてないため、ダイエットに成功した人がうつになりやすい要因も分からない。最後に、自分が減らした体重に満足していない人々を追跡する期間も短かったように思える。

一方、体重を減らした人がうつになる正当な理由は存在する。「体重は減らせたけれど、その方法が間違っていたために否定的になることは考えられます」と語るグラスマンのクライアントには、期待したほど早く痩せらなかったことに対して挫折感を覚える人もいるそう。確かに正当な理由ではあるけれど、体重の減少が本当にうつ病リスクの上昇を招くことを証明するには、さらなる研究が必要となる。「この研究結果を理由にダイエットをやめる必要はありませんが、ダイエットがメンタルヘルスに与える影響をもっと理解する必要はありますね」

体重の減少とうつ病の間に強いつながりがあるのかどうか、ある場合、その理由は何なのか。どちらもハッキリしていないけれど、極端な手段で体重を減らせば気分が落ち込むのも当たり前。ダイエットを楽しみながら継続するには、それをライフスタイルの変化と捉えること。高カロリーでアンヘルシーな食品をおいしくてヘルシーな食品で置き換え、自分が楽しめるエクササイズを日常の習慣にしよう。最速で痩せることはなくても、この方法なら明るい気分でいられるし、リバウンドも防ぎやすいはずだから。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: y Ashley Oerman Translation: Ai Igamoto