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運動のしすぎもサプリに頼り過ぎも体には毒!?

何ごとも、過ぎたるは及ばざるがごとし。

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what an intense workout
Nicola Katie//Getty Images

健康的な食事に適度な運動。

昨今のフィットネスブームにより、自分自身の生活への意識がより一層高くなったという人も多いはず。

「コロナ禍による健康意識の向上で、なんと半数以上の人が食事への罪悪感が増したそうです。それに関連して、より罪悪感の低いギルトフリーな料理や食材も注目を浴びてきています」

外食が困難になったことで、食は一気にエンタメ志向から健康志向にシフト。運動も総合型フィットネスやスタジオレッスンから、少人数や個別のパーソナルトレーニングが人気を博している。

そんな中、過剰なまでの健康志向で今まで通りの心身バランスを維持できなくなった人もいると語るのはパーソナルトレーナーの林健太さん。

「例えば少し前にブームとなった糖質制限ダイエットの影響は非常に大きく、無意識のうちに過剰に糖質を少なくしてしまい、体調を崩してしまう人が後をたちません。短期間集中型のパーソナルジムが増えたことで、運動や食事が健康の習慣作りではなく、痩せるための手段だと勘違いする人も多く見受けられます」

今までの日常を取り戻しつつあるものの、食や運動のトレンドはこの数年で大きな変化を遂げている。情報だけを鵜呑みして、自身の適度なバランスを見失わないようにしてほしい。

1

運動しすぎ

tired after exercise and workout overtraining concept exhausted woman lying on floor breathing and resting after heavy cardio training in home gym sad fitness athletet
Tero Vesalainen//Getty Images

世界保健機関(WHO)の運動・身体活動と座位行動に関するガイドラインによると、一般的な成人の運動時間と強度の目安は、150-300分の中強度の有酸素運動(もしくは75-150分の高強度の有酸素運動)/週とされている。

「さらに健康になるためには、それ以上の運動が推奨されており、実質的な上限は設けられていません。とにかく習慣的に運動を続けることが世界的にも重要視されています」

日本では運動不足による死者は約5万人、感染症を除いた外因による死亡数が第3位。世界では500万人もの人が運動不足を原因として亡くなっている。

しかし近年のフィットネスブームで、運動のやり過ぎも目立つと林さんは語る。

「運動のやりすぎは活性酸素の増加により老化を促進してしまいます。また、趣味の域を超えてしまうと、運動しないことによる罪悪感でストレスを抱え込んでしまうこともあり、友人や家族との関係や仕事に支障をきたしかねません」

オーバートレーニングは筋肉と心身の健康が引き換えになっていることもあるのでご注意を。

2

偏った栄養

woman measuring her waist
Prapass Pulsub//Getty Images

「最近では健康的な食事以外口にできなくなってしまう、オルトレキシアという新しい摂食障害が問題になっています。本人はダイエットだと思っていても、一般的に考えると異常な食事制限になっている人も見受けられます」

もちろんコンテストや自身の目標があり、厳しい食事制限や運動目標を掲げている人もたくさんいる。しかし、一般的なダイエットにもそういった食事制限が必要だと勘違いしてしまい、周囲の助言を振り切って健康を害する人もいる。

カロリーや量だけでなく、質にもこだわることはダイエットにとって非常に大切だが、それぞれのバランスが崩れてしまうと、極端な偏食に繋がる。

真面目な人ほど食べることへの罪悪感を感じるようになり、摂食障害に陥りやすいと林さん。

「摂食障害は若年女性の割合が高く、ダイエットを契機に発症することが多い病気です。カロリーは足りているのに栄養素が足りていない場合もありますので、特定の食材ばかり食べることは避けましょう」

3

サプリへの依存

handful of vitamins
Strauss/Curtis//Getty Images

「手軽に安心安全な製品が手に入るからこそ、様々な栄養が摂りたくなり、結果的に食事の栄養バランスよりもサプリメントのバランスの方が気になるという人も増えています。いくら補助食品のバランスを整えても、ベースの栄養バランスに勝るものはありませんので、依存するのではなく活用することが大切です」

栄養は摂って終わりではなく、分解や吸収、代謝といった一連の流れを経て、初めて体の役に立つ。同じビタミンでも食事由来の天然ビタミンと、サプリメント由来の人工ビタミンでは生体内利用率も変わる。

「サプリメントは分類上、食品であるため、医薬品のように含まれている全ての栄養成分が記載されているわけではありません。食品と同じように個体別に若干の誤差や記載されていない成分もあると考えておいた方が賢明です」

ビタミンやミネラルには摂りすぎによる健康被害の注意を促すための耐容上限量が定めてある。依存しすぎないためにも、用法・用量を守るという点は医薬品と同じくらいの注意を払っても良いかもしれない。

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4

犠牲にされる睡眠時間

man collapsed on treadmill
Williams+Hirakawa//Getty Images

忙しい日々の中で運動時間を確保しようとすると、一番に削ってしまうのが睡眠時間。

睡眠時間も運動や栄養と同じように個人で必要量には差があるものの、その重要性はいたるところで声が上がっている。

「運動を優先するあまり睡眠を疎かにすると、結果的に疲れが残り、いつも通りの運動がこなせないということにもなってきます。睡眠時間と運動パフォーマンスには密接な関係があるので、最低限の睡眠時間は確保できるようなライフスタイルが理想的です」

7時間や8時間など一般的に理想とされる睡眠は、忙しい現代人にとって無理難題。

しかし今では、パワーナップ(昼寝)や瞑想など、新しい脳の休息方法が注目されている。時間だけに縛られず、質の良い休息を取ることは工夫次第で十分に可能だと林さん。

「栄養や運動と合わせて、休息も積極的に取ることが新しい健康法とも言えます。体と心に合わせて、脳の健康も見落とさないように注意しましょう」

Headshot of 林健太
林健太
NESTA公認トレーナー SIXPADオフィシャルトレーナー

 幼少期よりプロレスラーに憧れ、中学生の頃からジムに通い始め、高校・大学はアマチュアレスリング部に所属。
 卒業後、一度は就職するもプロレスラーの夢を諦めきれず2011年プロレスリング・ノアに入門。練習中の怪我により
 選手としてデビューすることはできなかったが、トレーニングを続けることで心身のモチベーションを維持し続けたことがきっかけでトレーナーとしての活動を始める。
インスタグラム: www.instagram.com/kenta_0327_/ 

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