スカーレット・ヨハンソンのワークアウトは、ひとことで言うと素晴らしい。長年のトレーナーはフィットネスクラブ『Homage Fitness』共同設立者のエリック・ジョンソン。2016年、アニメ映画『ゴースト・イン・ザ・シェル/攻殻機動隊』のセットで出会ってから、二人三脚でワークアウトに励んできた。

アクション映画『ブラック・ウィドウ』の主役を務めただけあって、スカーレットは頭が切れるだけでなく体も強い。でも、どうやってフィットな体を保っているの? ジョンソンによるトレーニングの内容は? イギリス版ウィメンズヘルスより詳しく見ていこう。

1.スカーレットのワークアウトは幅広い

ジョンソンによると、多様性はワークアウトのスパイス。スカーレットに多種多様なエクササイズをさせてから、一番よいものを慎重に選定するというジョンソンのトレーニングは「運動能力の向上、基礎的な筋力強化、機能的なハイパートロフィー、メタボリックワークのハイブリッド」。

なお、“ハイパートロフィー”は新しい筋組織をつくるエクササイズ、“メタボリックワーク”は短時間で体を極端に疲れさせるコンディショニング・エクササイズのことを指す。

「個人的には、オリンピックリフティング、パワーリフティング、ケトルベル、ボディビルディング、自重エクササイズ、ヨガ、コンディショニング・トレーニングの長所を組み合わせるのが好きですね」とジョンソン。

instagramView full post on Instagram

2.見た目よりもパフォーマンスを重視する

目標を立て、それを達成してこそ、フィットネスは楽しくなる。でも、モチベーションを保つためには、フレキシブルな目標設定が欠かせない。

ジョンソンいわくスカーレットがフィットな体を維持しているのも、パフォーマンス重視の目標を立ててきたから。

「私たちのトレーニングはダイナミックで、彼女の状態にしっかり合わせて作られています」とジョンソン。「マスターしたいのが次の映画で必要な離れ業であれ、ピストルスクワットであれ、体重計の数字よりもパフォーマンスを重視して、実現可能な目標を立てたほうが結果は出やすいですからね」

3.撮影中も朝はジム

スカーレットは、ほぼ毎日、朝一でジムに来る。

「撮影中は午前中にワークアウトをしますが、毎回必ず100%の力を出し切るわけではありません。時期によって、ワークアウトの強度を変動させていますから」

優秀なトレーニングプランとは、強度に幅を持たせ、休養とリカバリーの時間を十分に確保したもの。来る日も来る日も体を限界まで追い込むのは、ストレスを増幅させて、目標を遠ざけるので逆効果。

4.演じる役によってトレーニングの中身が変わる

スカーレットはれっきとしたアクション女優。だから、ジョンソンの役割は、プレッシャー下の彼女の体をケガのない元気な状態に保つこと。

「スカーレットの体は、演じる役のニーズに応えられる状態でなければなりません」とジョンソン。「ワンカットで済むシーンはほとんどないので、ケガやミスをせずに何カットも撮るための体力と体調管理が必要です」

「私の一番の目標は、彼女が体づくりの心配をしなくて済むようにすることです。体づくりがラクになれば、演技に集中できますからね。撮影本番が近づいたら、スーパーセットやジャイアントセットで代謝率を高めたり、無酸素性のコンディショニングを増やしたりしています」

スーパーセットとジャイアントセットとは?

スーパーセットとジャイアントセットでは、複数のエクササイズを立て続けに行う。難しく聞こえるかもしれないけれど、プッシュアップのあとにランジをやれば、それだけでスーパーセット。スーパーセットは通常3~4回繰り返される。ジャイアントセットでは、3つ以上のエクササイズを立て続けに行う。

やるべき理由:筋力トレーニングやレジスタンストレーニングで行われているように、セットにすれば、1回のワークアウトで扱えるエクササイズの種類が増えるし、異なる筋肉群を効率的に鍛えられる。

無酸素性(代謝的)コンディショニングとは?

無酸素性エクササイズは、体を無酸素状態で働かせるエクササイズ。その一例として、難易度の高いHIITクラスやタバタワークアウト、フィニッシャーでは、筋肉に送られる酸素の量が少なくなるため、体が必死に働かざるを得なくなる。

やるべき理由:無酸素性コンディショニングでは、スタミナ、耐久力、心血管系の能力が急速にアップする。

5.栄養管理がプログラムの基盤

十分なタンパク質および良質な糖質と脂質の摂取は、スカーレットの体を健康な状態に保つジョンソンのプログラムの重要な構成要素。

「栄養はリカバリーに欠かせません。プログラムが完璧でも、スカーレットの体が回復しないとまったく意味がありません。撮影スケジュールは多忙ですし、彼女は母親で起業家でもありますから、体にかかる“ストレス”は多いはずです」とジョンソン。「そのストレスから体を回復させるには栄養補給が一番なので、スカーレットには十分なカロリーを摂取してもらっています」

6.睡眠の質とストレスレベルはモニタリングされている

「ストレス管理は本当に重要です」とジョンソン。「クライアントを副交感神経が優位な状態(安静と消化の状態)に近づければ、大きな見返りが得られます」

「のんびりとした散歩でも、マッサージでも、ブレスワークやサウナ、冷却療法でもいいでしょう。また、睡眠の重要性は、どれだけ強調してもし切れません。睡眠時間が長く取れない場合でも、睡眠の質だけは犠牲にしないでくださいね」

※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Morgan Fargo Translation: Ai Igamoto