新たに発表された2本の論文を読む限り、ヨガは体を引き締めて心を落ち着かせてくれるばかりか、私たちをいまより“ナイス”な人間にしてくれる。ついでに言うと、セックスもいまより楽しめるようになるらしい。

ホリスティック看護学誌『Journal of Holistic Nursing』掲載の論文によると、ヨガのおかげで自分がよりナイスで、やさしく、我慢強い人間になったと感じている人は少なくない。また、性医学会誌『International Society For Sexual Medicine』掲載の研究結果は、週に2時間ヨガをするだけで性生活が改善することを示している。

筆者自身、ヨガのインストラクターとして、この2つを幾度となく体験している。ストレスが溜まっていても、周りの人にイライラしていても、1時間ヨガをすると気分がよくなり、頭がスッキリして、心が感謝の念でいっぱいになる。その結果、ストレスが減り、幸せな自分になれる。具体的に言うと、自分の人生や他者のよいところに自然と気付いて感謝できるようになるので、夫に辛く当たる可能性が大幅に減る。

それ以外にも、ヨガは以下の方法で私たちをよりよい人間にしてくれる。

自己認識が高まる

「ヨガは人間関係に多大な影響を与えますが、その理由の1つは、ヨガをしているとスローダウンして自分の心の声に耳を傾けられるようになるからです」と説明するのは、ヨガインストラクターで米国のヨガ指導者養成スクール『ヨガワークス』でリストラティブ・セラピューティック・ヨガ・ティーチャートレーニングのディレクターを務めるジリアン・プランスキー。自己認識が高ければ高いほど、自分が動揺したりイライラしたりしている理由を理解して、それが爆発する前に根本的な原因に対処するのが楽になる。

「ごめんなさい」が言えるようになる

「ヨガは私たちに内面を見つめさせ、私たちが本当の意味で知り、変えられる人間は自分自身だけであることを思い出せてくれます」とプランスキー。「そのおかげで私も、自分に非があるときは一歩下がって認められるようになりました。口論を何日も続けるのではなく、素直に謝り、その場で解決する道を探すようになりましたね」

もっとマインドフルになれる

ヨガのインストラクターには、感謝、愛、やさしさに関する教えをクラスに織り交ぜて、些細なことに心から感謝して、マインドフルに生きるよう説く人が多い。そのためヨガを続けていると、自分が他者とどのように関わって、周囲の人にどのような影響を与えているかをより意識するようになる。

セックスの質が高くなる

「ヨガをしていると、自分の体に自信を持ち、満足できるようになるので、他者に自分のすべてをさらけ出せるようになります」と話すのは、ヨガのインストラクターで結婚・家族カウンセラーのアシュリー・ターナー。「そうすると、あらゆるレベルで信頼度と親密度がアップしますし、セックスの質が向上するケースも多いですよ」。ヨガには神経系を落ち着かせる作用があるので、よりリラックスした状態で快感を受け入れて、パートナーとのセックスを楽しめるようになるのだそう。

常に冷静でいられる

三日月のポーズや半月のポーズのような難しいポーズを通して正しい呼吸法を学ぶと、困難な状況に直面しても冷静さを保ち、自分の感情と向き合えるようになる。「人生には喜怒哀楽が付き物です」とプランスキー。「でも、ヨガをしていると、惰性ではなく、より高い認識力、忍耐力とやさしさを持って、さまざまな状況に対応できるようになります」

※この記事は、アメリカ版『Prevention』から翻訳されました。

Text: Jenna Bergen Southerland Translation: Ai Igamoto

Headshot of 伊賀本 藍
伊賀本 藍
翻訳者

ウィメンズヘルス立ち上げ直後から翻訳者として活動。スキューバダイビングインストラクターの資格を持ち、「旅は人生」をモットーに今日も世界を飛び回る。最近は折りたたみ式ヨガマットが手放せない。現在アラビア語を勉強中。