ダイエットには付き物の食事制限。
できる限り好きなものを食べながら痩せたいと思うのは皆同じ。
「肥満の大きな原因は乱れた食生活です。そのままの食事内容では当然更なる肥満を招きますが、同じような食事を続けながらダイエットすることは可能です」
そう語るのはパーソナルトレーナーの林健太さん。
食事制限という言葉がブームになっている一方で、林さんが伝えるのは食事コントロール。むやみに量を減らすのではなく、無理なく質を変えることでストレスの少ない食事は可能だ。
「食事制限=辛いというイメージがありますが、何かを極端に制限して行うダイエットは続けることが難しくなります。食事から受けるストレスを、最小限に抑えながらダイエットを進めていくコントロール方法を身につけることが大切です」
もちろん、今まで好きなものを好きなだけ食べていた人からすると辛いことかもしれない。しかし、それはブレーキが効かない状態を作り出してしまった食生活に原因がある。
常に食事がコントロールできる状態を作り出すには、満足度の高い食事が大切だと林さん。
「質を変えることで、普段から私たちが好んで食べているものもダイエット食になります。もし無理な我慢をしている人がいたら、質を変えることから始めてみましょう」
①ラーメン
高脂質高糖質の王様とも言えるラーメン。
ダイエットで最も避けるべき食事とも考えられるが、林さんはダイエット中でも食べて構わないという。
「インスタントラーメンは麺に、飲食店のラーメンはスープに余分な脂質が多く含まれています。炭水化物の量は過度に気にする必要はないので、隠された肥満の原因となる脂質をいかに抑えられるかがポイントです」
外食チェーン店の栄養成分表示を見ると、ラーメンはかなり脂質が多い。その大部分がスープに含まれているので、意識的にスープを口にすることは絶対に避けるべき。
「自宅で調理するインスタント麺は油で揚げた麺が使われているので、ノンフライの商品を選ぶことがポイントです。同じメーカーで同じ量のカップ麺でも、脂質量が2倍以上変わることもあるので注意しておきましょう」
いつもの一杯 ワンタン麺 中華そば(マルちゃん)脂質:20g
麺づくり 鶏ガラ醤油(マルちゃん)脂質:5.3g
その他にも、コンビニのチルドラーメンも脂質が抑えられているので、ダイエット中でも食べられる商品が意外と多い。
野菜を味わうタンメン(セブンイレブン)脂質:5.6g
鶏コク醤油ラーメン(ローソン)脂質:7.3g
いつもより低脂質な食事は、若干物足りない気持ちもあるかもしれないが、ダイエットではその感情のコントロールも必要だ。
②カレー
カレーもダイエット中のNG食としては定番メニュー。外食の場合は一人前で1,000kcalになるものもあるので注意が必要。
しかし、自宅で調理する際には余計な栄養がほとんどカットできると林さん。
「使う具材により様々ですが、お肉を低脂質な鶏肉にするだけでもカロリーは大幅にカットできます。お米を玄米や雑穀米に変えることでも栄養価が高くなり、咀嚼回数が増え、いつもより少ない量で満足感を得ることにも繋がります」
じゃがいもやにんじんなど野菜のカロリーを気にする人も多いが、ダイエット中であろうと不足している食材や栄養を減らすことはご法度。
それ以上に、過剰摂取している栄養をどのように減らすか、置き換えるかなどが重要になる。
「カレールウをスパイス入りのカレー粉などに変更するだけで、カロリーをカットできるだけでなく、アンチエイジングや疲労回復にも効果的な食事になります。水の代わりにトマトの缶詰などを利用すれば、より不足している栄養を補いながら質の高い食事にすることが可能です」
ダイエット中は食の選択肢が狭くなると思われがちだが、実際は広くなることも多々ある。自身の味覚や食の好みが変わるきっかけになることもあるので、料理も楽しみながら挑戦してみて。
③回転寿司
「お寿司はダイエットに適した料理だということを知っている人は多いですが、どれくらい食べて良いかが難しく、食べ過ぎてしまう人も多いと感じます。通常の食事とは違い、食べるものが小分けにして目の前に出てくるので、食欲が抑えにくくなります」
回転寿司は、選ぶ楽しみやその時の感情で選択できるのは大きな魅力。しかしダイエットには大敵になるので、どうしても食欲が抑えられない人は、最初に食べるお皿を全て取ってしまう方法も一つだと林さん。
「握り一つ当たりの目安はシャリ15~20g、ネタ8~10gです。10貫食べると、タンパク質や良質な脂質を豊富に含んだおかずと、お茶碗一杯程度のご飯を食べた計算になります。味噌汁などを合わせるとダイエット中の一食としては十分な量になるので、一つの目安にすると良いでしょう」
かっぱ寿司メニュー情報
注文形式の回転寿司も増えているので、最初に全て注文し切ってしまうスタイルも周りの目を気にすることなく実践できるはず。
④ハンバーグ
使うお肉により、かなりカロリーが変わるハンバーグ。
もちろん脂身の割合が低いほど低カロリーでダイエット向きになるが、自炊の際でも気を付けてほしい点があると林さん。
「牛や豚のひき肉は、脂身の割合が見た目でしか判断でない上に、余計に追加されているものもあります。カロリーを抑えながら良質な栄養を摂るためにも、使う肉は皮なし鶏肉のひき肉が理想的です」
脂身のジューシーさに欠ける場合は、亜麻仁油やえごま油などの良質な脂質でソースを作れば、立派なダイエット食どころか、理想的な健康食にもなる。
「消化の手助けをしてくれる大根おろしや、脂溶性のβカロテンが多く含まれる大葉はハンバーグとの相性も抜群です。主要な栄養だけに焦点を合わせず、食事全体のバランスをコントロールすることもダイエットでは大切にしてほしいです」
⑤冷凍食品
自炊ができない日でも肉や魚、野菜をバランス良く食べられる冷凍食品は、保存も簡単で調理の手間も省けるのでダイエットにとても役立つ。
「自炊の手間が原因でダイエットが続かなくなる人も多いです。ダイエットで最も重要な継続をするためにも、便利な方法や食品を適度に取り入れることも大切です」
冷凍食品というと、揚げ物や麺類やご飯ものなどのイメージが強く、ダイエットに向かないという印象も大きいが、野菜や果物、肉や魚といった食材だけを冷凍した商品をメインに扱えば、下ごしらえや片付けの手間も省ける。
もちろん生鮮食材に比べると栄養素などは若干劣るものの、大きな損失には繋がらない上に、個包装や一食分になっているものなども多く、作りすぎや食べすぎを防ぐ効果もある。
「ダイエットのために作り置きを実践し、小分けして冷凍保存している人も多いと思いますが、それも立派な冷凍食品です。きのこなど冷凍することで栄養価がアップする食材もあるので、市販のものと手作りを組み合わせることで、ストレスの少ない食事コントロールができるようになるでしょう」
幼少期よりプロレスラーに憧れ、中学生の頃からジムに通い始め、高校・大学はアマチュアレスリング部に所属。
卒業後、一度は就職するもプロレスラーの夢を諦めきれず2011年プロレスリング・ノアに入門。練習中の怪我により
選手としてデビューすることはできなかったが、トレーニングを続けることで心身のモチベーションを維持し続けたことがきっかけでトレーナーとしての活動を始める。
インスタグラム: www.instagram.com/kenta_0327_/