「断食だけは一生やらない!」

そう宣言し、どれだけジュースクレンズが流行っても、豪華ホテルでのファスティングステイに誘われても、断り続けてきた私。なぜなら、食べることが何より好きで、おなかが空くと仕事にも手がつかず、「おなか空いた」しか言葉が出なくなるから。食べることを我慢して痩せるくらいなら、1日10キロ走って痩せる方がいい。そう思ってきた。

そんな私が、空腹感を一切感じることなく5日間のファスティングを完遂。57.3キロだった体重は、5日間で54.0キロにまで落ち(20年以上見たことがない数字!)、ウエスト周りや二の腕、顔周りを中心に、誰が見てもわかるほどにスッキリ細くなった。下の写真は左がファスティング前、右が回復食2日目の朝。

ファスティングのビフォーアフター画像


断食って、こんなに楽なものだったの!?


今回、私が人生初断食に挑戦するきっかけになったのが、ウィメンズヘルスで主催した「みんなでファスティング祭り」。編集部のファスティングオタク、エディターのカンナが、あらゆるファスティング、断食を試してきた結果「断食メガネ田中先生が日本一だと思う!」と、田中先生に指導を依頼。田中先生のメソッドで、初回は80人で一緒に5日間ファスティングに挑戦することに。

ただ、5日間のファスティングに必要な酵素ドリンクやサプリのセットと、サポート料や講座参加費が込みで、一人当たりの参加費は4万5000円。「食べないことに対して4万5500円か……高い」と思ったのも事実。でもジュースクレンズなどでも1日分で1万円くらいするようだし、何よりファスティングに夢中になる人たちが口々に言う、気持ち良さを体験してみたくて参加を決意。でも、終わってみた今の感想は、決して高すぎる買い物じゃないと思う。なぜなら、このファスティング体験、そして期間中の田中先生からの学びはあまりにも大きく、これからの人生の質を変えるレベルだから。

ファスティングを通して得たこと、私に起こった心と体の変化については最後に紹介するとして、まずはこの「みんなでファスティング祭り」に参加するとどんなことが待ち受けているのか、紹介していこう。



断食1週間前、カフェインの離脱症状が!

「みんなでファスティング祭り」に申し込むと、LINEのオープンチャットに参加するようにという案内が届く。このオープンチャットの仕組みを使うと、通常のグループと違って任意の名前を設定できるので、個人が特定されない形で参加できるのはうれしい。

イベント自体は1月24日(月)からスタート予定でも、LINEでのサポートは17日からスタート。早速届いた断食メガネ田中先生からのメッセージは、「明日からカフェインを控え、小麦、乳製品もできるだけ控えるようにしてください」というもの。

なんで1週間も前からカフェインを控えなきゃいけないんだろう? と疑問に思いながらも毎日のように飲んでいたコーヒーをストップ。すると二日目の夕方に早くも異変が。
右耳の奥がズキーン、ズキーンと痛い、最初は原因がわからなかったけれど、LINEグループを見てみると、「頭痛がします」という声と、「それはカフェインの離脱症状だから、すぐに治まりますよ」という先生からのコメントが。そうか、私のこの頭痛もカフェインの離脱症状なのか、と原因がわかって一安心。それにしても、カフェインを止めるだけで頭痛がするなんて、いかにカフェインが脳に影響を与えているのかと思い知って少し怖くなった。

大好きな小麦粉や乳製品をできるだけ控えるように、ということなので、必然的に食事も和食中心のヘルシーな内容にシフト。(あ、でも断食前に好きなものを食べておかなきゃ! と餃子はたくさん食べました)

ファスティング開始4日前くらいに、ウィメンズヘルスショップから荷物が到着。中身は田中先生監修の酵素ドリンク3本と梅干し、マグマソルトという塩、そして入浴剤3袋に、ファスティングの方法が解説された小冊子。

5日間ファスティング体験レポート


断食2日前、いよいよ準備食開始!

食べ物を食べない、いわゆる「断食」は月曜にスタート。その前の土曜日から、断食に向けた準備がスタート。そのルールは以下の通り。

  • <準備食で避けるもの>
    ●肉、魚、卵、乳製品などの動物性たんぱく質
    ●揚げ物、油っこいもの
    ●スイーツ、和菓子など甘いもの
    ●アルコール
    ●小麦製品(麺類、パン、クッキーなど小麦粉が使われているもの)
    ●乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルト、クリームなど)
    ●カフェイン類(コーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶など)

<準備食の内容>
準備食期間の食事は、玄米や白米に雑穀米もち麦などを混ぜたものを食べる。フルーツなどと、下記の【ま・ご・に・は・や・さ・し・い・わ】の「に(肉)」「さ(魚)」抜きを一日の中でまんべんなく食べ、ビタミン、ミネラル、アミノ酸バランスを整える。

ま・豆類
ご・ごま類
に・(準備食期間は摂らない)
は・発酵食品、漬物、お酢
や・野菜
さ・(準備食期間は摂らない)
し・しいたけ、きのこ類、しょうが
い・いも、穀物類(米、発芽させた玄米、雑穀)
わ・わかめ、海藻(もずく、めかぶは便を出しやすくするのでオススメ)

※料理に甘みを付ける際は白砂糖を極力避け、てんさい糖、みりん、ハチミツなどを使う。
※炒め油やドレッシングの油などは問題ありませんが、使いすぎは控える。
※魚や肉などの出汁は問題ありません。身を食べなければ大丈夫。

私はとにかく食べることが大好きだし、わびしい気持ちになるごはんは嫌。だから、上記のルールを守りながらもできるだけ自分が楽しめる献立を工夫して過ごした。その内容がこちら。簡単な作り方も紹介しているので、気になるものがあったらファスティングに関係なく作ってみて。

ファスティング準備食
ファスティング準備食 台湾風のトウジャン

ドキドキの断食スタート。あれ? 初日から辛くない!?

断食の5日間に摂るようにと言われたのは、酵素ドリンク1:水6の割合で薄めたものと、ミネラル梅干しを1日に1〜2個、マグマソルトを50振り程度(2,3グラム)。梅干しが苦手な人はお湯や昆布湯に叩いた梅を入れてもいい、ということで、酸っぱい梅干しを食べるのが苦手な私は、前日からミネラルウォーターに昆布を漬け込み、当日朝に沸騰直前まで沸かした昆布出汁に、叩き梅とマグマソルトを少し振り入れた梅スープを持参。

酵素ドリンクも、普通のミネラルウォーターで薄めたものと、スパークリングウオーターで薄めたものの2種類を用意し、先生の指示通り、朝起きてから夜寝るまでの間、20分から30分おきにこまめに飲み続けた。

ファスティング1日目

ドキドキの断食初日は、早朝から鎌倉でロケ。他のスタッフには朝ごはんのおにぎりを配りながら、私は持参した水筒のドリンクを飲むだけ。でも、梅昆布湯がスープのようで美味しく、時々舐めるマグマソルトが甘く感じられて、不思議とおにぎりを食べたいとは思わない。そして、インスタグラムを見ると美味しそうなものばかりで目に毒なので、この日からインスタグラムとフェイスブックのアプリをスマホの1画面目から消し、SNSデトックスも同時にトライしてみた。

仕事中、熱中しているとあっという間に30分が経ってしまうので、こまめに飲むことと、1日分の量をどう配分すれば夜までもつか、ということには気を遣った。何も食べなくとも普通の便通が1日3回あり、夜はジムで筋トレをした後、お風呂の中で田中先生のZOOM講座を聴いて、22時には就寝。一度も空腹を感じず、仕事が手につかないのではないか、という不安も杞憂に終わった。

ファスティング2日目

「初日は気が張って頑張れるけど、いちばん辛いのは2日目」と聞いていたので、覚悟して臨んだ断食2日め。終日オフィスで仕事だったので、下記のようなセットを持って出勤。梅昆布湯、酵素ドリンクを薄めたもの、マグマソルトと梅干し、鉄分が多いラズベリーリーフティー。

1日オフィスで仕事をする日の、朝の準備。

ファスティング体験談

この日の気づきは、ランチを取る必要がないし、コーヒーを買いに行く必要もないので、外出の予定もない日だとトイレに立つ以外一切休憩を取る理由がなく、ずーっと座りっぱなしになってしまうということ。逆に言うと仕事にはとても集中できて、はかどった。

田中先生から、断食中はとにかく自分を甘やかして、とアドバイスを受けていたので、仕事の後はマッサージへ。全身のリンパをしっかり流してもらい、体が軽くなった状態で夜のZOOM講座を聴き、また22時には就寝。恐れていた不調は一切なく、便通も少しあり。

ファスティング3日目

アラームが鳴る前、6時半にはすっきり目が覚めて3日めがスタート。今回は同居する夫に「私は断食をするので、この1週間は一切料理をしません。全部自力でどうにかしてね」と言っておいた。おかげで、「夕飯何を作ろう?」「朝ごはんを買っておかなきゃ」などと考える必要もなく、スーパーにも行かず、料理せず、後片付けも不要。ファスティングで何が楽だったかって、この料理にまつわる全ての工程から解放されたこと。料理は嫌いではないけれど、毎日毎食ごはんのことを考えるのは、楽しみでもあり、ちょっとしたストレスであったことに気が付いた。

そんなストレスフリーな状態もあいまって、3日めの朝には「あれ? 私この断食5日じゃなくてもっと延長できるかも」という気分に。(実際、参加者の中には7日とか10日とか自主的に延長した人も複数!)

一方、寂しく感じたのは、誰ともごはんを一緒に食べないことで、コミュニケーションの機会が減ってしまったこと。食というのはコミュニケーションの手段でもあったんだな、とわかった。そして夕方になる頃には、またみんなとご飯を食べたり、お酒を飲むことが楽しみになってきた。夜はジムでしっかり筋トレをした後、相楽のりこさんのヨガレッスンで軽く体を動かして就寝。

ファスティング4日目

このあたりから、明らかに体がほっそりしているのを実感。この日はとにかく早朝から気分爽快で、仕事への集中力が非常に高まった。夜は映画を鑑賞した後、佐々木依里さんの瞑想レッスンに参加。ファスティング中はただでさえ人とご飯を食べず、ご飯を食べる時間も空くので、自分と向き合う時間がたっぷりできる。さらに体がクリーンになってくると、心もクリアになってくる。そんな状態での瞑想やジャーナリングは、普段の生活を送っているときより格段に「入ってくる」感じがした。

ファスティング5日目

いよいよ断食最終日。朝6時過ぎにスッキリ目覚め、ゆっくりマグマスパを入れたお風呂に入って汗をかいた後で体重を測ったら、もう20年くらい見たことがない54.2キロの数字! 顔も自分でやつれているかな? と思うほどに小さくなっている。胸も小さくなったような、とエディターカンナに聞いてみると、この時点では水分が抜けているので、食べ物を取り始めるともう少しハリのある印象になるから大丈夫、とのこと。

この日も隣で人が美味しそうなパンを食べていても心動かず、翌日の回復食で久々に食べる料理の献立を考え始める。せっかくスッキリした体を一気にリバウンドさせないためには、脂質を控え、玄米や野菜中心がベター。野菜中心でいかに自分を満足させるか、そういうテーマであれこれ考えるのも楽しかった。

夜は、翌朝食べる「スッキリ大根」作り。コトコト煮ている時に部屋中に立ち込める香りがもう美味しそうで、翌朝が楽しみすぎる! と思いながらTAMAOさんのセルフラブ講座を受けて就寝。

断食は、回復食が大切!

いよいよ待ちに待った回復食スタート。回復食を食べる前に体重計に乗ってみると、昨日からさらに200グラム減って54.0キロ! こんな体重20代前半以来だーーー!!!
顔もだいぶ小顔になっているし、憎きおなか周りの贅肉がとにかくスッキリ。たった5日間、特に辛い思いもせずに楽しく過ごしただけでこんな劇的な変化が得られるなんて。

この状態をキープするためにも、大切なのが回復食。1食めは「スッキリ大根」から。これだけの量を1時間もかけて食べるの!? と思っていたものの、大根を煮た出汁で作る梅昆布湯がそれはそれはおいしくて、大根とお味噌もおいしくて、一口ごとに「はぁ、おいしい。幸せ」と、体にしみゆく感覚を味わっていたら、あっという間に1時間経過。そして大根を食べ終わらないうちにトイレに駆け込むことに。

その後の回復食のポイントは以下の通り。

お肉、お魚、卵など動物性のたんぱく質は回復食3日目から。
グルテンフリー(小麦抜き)、白砂糖フリーがおすすめ。
油っこいもの、肉、魚を食べると不調になることがあるので避ける。
野菜、海藻、発酵食品などを中心にした食事でよく噛んで食べる。
ダイエット目的の場合、とくに脂っこい物を食べないよう気を付ける。
味覚が生まれ変わり脳、五感が冴えていることで、とても美味しく感じ『食事への感謝の気持ち』と『食べることの幸福感』が心いっぱいに広がるはず。急がずゆっくりとよく噛んで食べて。
サプリメントを飲んでいる場合は、回復食2 日目以降からに。

こちらは、ファスティング終了後の回復食として2日間の間に私が実際食べたメニュー。

ファスティング回復食
5日間ファスティングを行った後の、ファスティング回復色の献立を紹介します

相変わらず肉魚抜き、小麦粉抜きの準備食と同じようなルールのもとに献立を考える必要があったけれど、せっかくキレイになった体、できるだけ体に優しいものを与えてあげたいという心もちに。2食目のサラダもいつも以上においしく感じるし、とにかく一食一食が感動。摂取カロリーとしては少なめになっているので、血糖値が下がらないように酵素ドリンクを薄めたものも少し取り入れつつ、回復食期間は終了。

でも、驚くことに回復食期間を終えて数日経った今でも、私は野菜中心、玄米、小麦粉と乳製品は極力取らない生活をしている。外食の時にはそこまで厳しく制限できないけれど、やっぱり油っぽいものを食べると体に負担なのを感じるし、野菜を中心に少しの動物性タンパク質でも十分に心と体が満足できることを、知ってしまったから。

5日間で3キロも痩せて顔も体もスッキリしたことは素直にうれしい。でも、私がこの体験から得たもっと大きな気づきは違うところにあった。

ファスティング祭りに参加して得た、うれしい気づき

  1. 空腹の正体がわかった
    食べ物を食べないのに全く空腹を感じなかったのは、血糖値が下がらないように最低限の糖質を酵素ドリンクで脳に届け続けたから。ということは、これからの生活でも血糖値を安定させておけば、甘いものを食べたくなったり、どか食いすることもないはず。以来、血糖値を急激に上げないGI値の低い食品に興味を持つようになった。

  2. 食べ物で睡眠の質や気分が変わることを知った
    ファスティング中は毎晩22時頃には眠くなり、朝は6時前後にパッと目覚めることが続いた。それは回復食を終えた今も続いている。睡眠の質が変わると、一日のパフォーマンスが変わる。頭では知識として知っていたけれど、身をもって体感できた。

  3. 自分の体を慈しむ気持ちが生まれた
    もともと遅延型アレルギー検査でグルテンや牛乳のアレルギーがあることをわかってはいたものの、好きだからと食べてきた。でも今回、それらを全て排除してみて、体の中をクリアにしてみて感じたのは、自分の体にもっと優しくしてあげようということ。そのおかげで、ファスティング終了後も日々の食事を自然と体に優しいものを選択できている。


    ちなみに、今回参加した方々へのアンケートでは、98%の方がイベントに「大満足」または「満足」という回答。そして次回も参加したいという声が80%。何より、みんなで一緒に行うことで、他の人の質問やそれに対する先生の答えを見るだけでも勉強になるし、みんなも同じような状態なんだな、ということがわかって安心できたのが好評の理由だった模様。ファスティングマニアのカンナに聞いても、1人で行うとついサボったり自分に甘くなってしまうから、結果が全く変わるらしい。

    そこでウィメンズヘルスでは、また参加したい、定期的に参加したいという方のご要望にお応えするため、2023年も2か月に1回のペースで開催、最新回の詳細は下記リンクからチェックしてみて。募集開始を見逃したくない方は、ウィメンズヘルスショップのメルマガかLINEに登録すると、募集開始と同時に案内が届く予定。

    家族がいながらのファスティングはどうなんだろう? という疑問もあるかもしれないけれど、私の初断食を横で見ていた夫は、次回参加すると言っている。これが答えになるんじゃないかな。                            イベントの詳細は、こちら

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Headshot of Kiriko Kageyama
Kiriko Kageyama
エル・グルメ編集長/ウイメンズヘルス編集長

『エル・オンライン(現エル・デジタル)』のファッションエディターを経て、フリーランスに。女性ランナーによる企画集団「ランガール」を設立。その後女性誌立ち上げやWebメディアの立ち上げを経て2017年にウィメンズヘルス』日本版ローンチ時から編集長に。2023年夏よりエル・グルメ編集長も兼務。趣味は料理を作って友人たちに振る舞うこと。