今まで「ファスティング」という言葉は何度も見聞したことがある身近な言葉ではあったけれど、いざ自分がトライするという勇気はなかった私。というより、全く想像ができなかったのかもしれない。だって、“ファスティング＝断食”と解釈すると、やはり大抵の人はハードルが高く感じたり、自分とは無縁なもののように感じるから。私もそのうちの一人だった。けれど、ある日何気なく読んだ記事にあった“ファスティング＝サイキック（超能力者）の世界”と表現した言葉にとても惹きつけられた。“五感が研ぎ澄まされた世界で体験することは、まるで異世界に飛び込んだかのようだった”とのこと。その文を読んだ私は、「人生で一度は体験してみたい！」と突然ファスティング参加を決意。ここからはそんな理由からスタートした、私のファスティング体験記を詳しくレポート！ そこで私が体験した異世界とは……？
ファスティング用キットと心強いサポート
まず、断食が初めてで知識のない私でも「やってみたい！」だけの勢いでファスティングに参加できたのは、イベントに参加するだけでファスティングキットというものが一式届き、手厚い断食指導士によるサポートまであったからという点が大きい。不安なことは何でも聞くことができるだけでなく、幅広い知識を学ぶ機会もあった。そしてなにより、自分一人ではなくみんなで挑戦しているということで、高いモチベーションを保つこともできる。もちろん、ファスティング前後にある準備食や回復食も一緒に送ってきてくれるので、実質用意するものはほぼなかったという点もありがたい。
準備食と回復食
今回初めて知ったのだけれど、ファスティングの前には準備食、後には回復食というものがある。これがかなり大切で、まず準備食は消化の良い食事を意識しながら徐々に食事量を減らしていくのがスタートになる。そしてカフェインや刺激物、アルコールなども控えることで、ファスティング中に起こる様々なつらい症状を軽減することができるのだそう。私がとてもお気に入りだった準備食は「処方箋ラーメン」。この美味しさのおかげで、最高のファスティング初日をスタートすることができた。
ここからは、5日間の体と心の変化をみつつ、その中で得た10のことをご紹介。
5日間の感情の変化
初日【不安】
初のファスティングに緊張。食べないことに違和感を持ちながら、職場のランチタイムもなんだかソワソワ。「5日間も食べなくても大丈夫なの？」という不安からラクトクレンズをがぶ飲み。夕方までは初日ということもあったせいか気を張っていて、あまりおなかは減らなかった。けれど帰宅後、疲れと安心からか一気に空腹感が……。とりあえず何か口にしたい気持ちを押さえつつ、父が食べる夕食を子犬のように凝視してしまい、父に煙たがられる。
2日目【葛藤】
朝は目覚めがよく、アラームもすんなり消すことができた。普段から朝食は摂らないことが多いため、ラクトクレンズを飲むだけで十分だったけれど、昼から一気に食べもののことしか考えられなくなった。「ファスティングが終わったらなにを食べよう」とか「このニオイはカレーだな、美味しそう」など嗅覚も敏感に。そんな時はラクトクレンズをこまめに飲むことで甘さを楽しんだり、岩塩や梅干を食べて塩分を味わったりした。それでも夜眠りにつくまで空腹感は続き、お腹はグーグー、頭の中で作った“食べたいものリスト”は15個を超えていた。そんな私のメンタルをサポートし、モチベーションをあげてくれたのが、ファスティングのイベントスタート時に参加した断食指導士も含まれた参加者のオープンチャット。自分と同じように食欲と葛藤している人や、指導士からの応援メッセージを読むと、自分一人でトライしているわけじゃないんだと安心に繋がった。そしてなにより、“今私の体では何が起きていて、それがどのような効果をもたらすのか”を断食指導士が分かりやすく説明してくれるうえに、どんな小さな質問にも答えてくれるのだ。私にとって、そこがこの二日目を乗り越えられた最大の理由だった。
3日目【楽しい】
ファスティング3日目から、体がぐるりと変わりはじめた。目覚めのいい朝からスタートし、夜眠りにつくまでほとんど空腹を感じなかったのだ。おなかは変わらず夕方になるとグーグーと鳴っていたけれど、「食べたい！」という欲が驚くほどなくなった。起きたてから五感が優れていることに気づき、小さなこともすぐキャッチできるような鋭いセンサーが体についた感覚がした。そして、昼食や夕食に時間を使わなくなると、それだけで普段よりも一日が長く感じるので、自分の趣味に時間を使ったり、いつもよりゆっくりお風呂に浸かったり、のんびり家で映画を観る余裕さえうまれた。この日からファスティングが楽しいと思い、新しい世界に足を踏み込んだような高揚感を持ち始めた。
4日目【解放】
朝起き上がるときに体がふわっと軽くて、頭もスッキリとした状態で一日がスタート。まるで空腹という言葉だけではなく、食欲という言葉さえも忘れてしまったかのように、心身共に満たされている気持ちが一日を通して続いた。また必要な栄養素と水分しか摂っていないのに、いつも以上に体からはエネルギーが溢れ、集中力が長く続くため仕事がはかどっていることにも気づいた。普段お昼ご飯を食べた後は眠くなるあの“魔の時間”でさえ、ファスティングを始めた日からは一度も訪れなかった。そして4日目にして私が一番驚いたのは、心の健康さ。常に心が穏やかで、ストレスに敏感ではなくなったのだ。先のことを心配する癖がなくなり、いい意味で楽観的に物事を捉えられるようになった。必要のないものはすべて手放し、体も心もなんだか解放された4日目の夜は、いつも以上にぐっすり眠ることができた。
最終日【再生】
あっという間の最終日。ファスティングを通して映る世界は、今までに体験したことがないとても新鮮な感覚ばかりで、まるで何か特別なパワーを得たような、そんな優越感さえ感じた。それはある意味、記事で読んだ、“ファスティング＝サイキックの世界”を体感しているようでなんだかうれしくなった。この日は内側から生まれ変わったような感覚があり、内臓や消化器官、そして血流までもが新しく再生したかのように体中を駆け巡っていた。食べない＝危険なわけではなく、必要最低限の栄養素と水で、実は人が持っている内なる力を再度思い出させてくれる、そんな最高なきっかけにもなるのかもしれないと思った。
私が感じた10の変化
私が感じたことには個人差があるので、気になった方はファスティングを試してみるべし！ あなたの異世界は私とはまた違うかも。
１．五感が鋭くなる
肌に風が当たる感覚、草木や花の匂い、まぶしい光、塩の甘さなど、五感で受け取る情報量が増える。すると世界がより鮮やかに見え、小さなことでも感動が増えるので、セロトニンが普段の倍増えているような感覚に......。
２．体が軽い
いつもはおなかが空くと体が重くて動けなかったり、何事にもやる気がなくなったりするのに対し、ファスティング中はそんな疲労感やメンタルの起伏をどこかに捨ててきたかのようにとにかく体が軽い。なので行動範囲が広がり、同時に視野も広くなる。
３．目覚めがいい
二度寝したいと思う気持ちがなくなる。穏やかな気持ちで目覚めて、一日をワクワクした状態でスタートすることができる。私は5日間の中で、アラームより前に起きることが2回あった。
４．ポジティブマインド（なんだかハッピー）
これが一番不思議。常に楽しく、ストレスフリーな気持ちでいることができる。起こる小さな幸せにも敏感になり、大きな気持ちですべてを受け入れられるようなマインドに。そして雑念や執着が消えるので、ポジティブな気持ちをキープすることができる。
5．肌ツヤがいい
ファスティングには消化器官を休めさせたり、デトックス効果もあるそう。確実な理由は分からないけれど、内側の綺麗さは肌にも出るみたい。また、なぜか毎晩21時頃には眠くなってしまい早く寝ることが多かったため、十分な睡眠が美容にもつながったのかも......。
6．頭がさえる
頭にかかった霧がなくなる感じがあり、発想やひらめきが増えた。また直感が優れたり、善し悪しの判断が早くなる傾向も。
７．腸がすっきり
必要最低限の栄養素以外はなにも食べていないのに、しっかり便はでる。おなかになにかが溜まった感じもなくなるので、気づけばポッコリおなかも凹み、スッキリとする。
8．睡眠が深い
夜は早い時間から眠くなり、寝つきもとてもよかった。ぐっすり朝まで熟睡できるので、夜中に起きることは一度もなく、質のいい睡眠を取ることができた。
9．1日が有意義になる
朝昼晩と食事の時間が無くなるだけで、1日が24時間から体感30時間くらいに感じることも。時間を有意義に使うことができ、趣味の時間を思う存分楽しむ余裕もあった。
10．昼に眠くならない
食後に必ずある眠気がまったくない。そのため集中力が続き、時間を効率的に使うことができた。
デトックスってこういうこと？
内側からの変化を、身をもって体感できた五日間。この心身ともにスッキリとした感覚がデトックス？ それならファスティングにハマり、定期的に参加する人の気持ちがよくわかる。体をリセットすることは、こんなにも多くのメリットがあるのだ。更にうれしいことに、私は今回のファスティングで3kgも体重を落とすことができた。
また挑戦したいかと聞かれたら……答えはもちろんYES！
次はもう少し長く挑戦するのもありかも。
ウィメンズヘルスのコミュニティーリーダー。元ボクシングインストラクターの経験を持ち、ダンス・トレーニング・ランニングと様々なワークアウトに取り組み発信している。底抜けの元気さとポジティブエネルギーが強み。日々心と体をHAPPYにするため、まだ見ぬ境地へフルスピードで突進中。
