情報のオーバーロード時代。市販のクリームやローションには化学物質を含むものが多くあるということは「自然に寄り添って、ナチュラルに生きたい」と強く望んでいる人にとっては、つい気にしてしまう事実の一つだ。

何を隠そう、わたしもその一人。

だから「皮膚からもなるべく安全なものを取り入れて、栄養の循環をよくすることは大切なのでは?」という考えに至り、食べられるスキンケアをDIYするという生活をはじめた。

手始めは、アボカドヨーグルトフェイスマスク。

3ヶ月続けて感じる効果や、DIYスキンケアを始めて起こった自己発見についてシェアしたいと思う。

アボカドはお肌のベストフレンド! その理由は?

natural beauty
Phamai Techaphan//Getty Images

ワカモレや温かいトーストに塗って食べるのがおいしいアボカド。実は、美肌効果も期待できるお肌のベストフレンド。その理由は、この栄養価の高いスーパーフルーツに含まれるヘルシーな脂質や、ビタミン、ミネラルの存在。

■肌へのダメージを防ぐ

2011年の研究によると、アボカドには、日焼けによるダメージや炎症から肌を守るのに役立つとされる化合物が含まれていることが分かっている。紫外線による肌へのダメージは、シワやその他の老化のサイン、また、皮膚がんの原因となることもあるから、特に注意が必要。

さらに、アボカドに含まれるビタミンCビタミンEの両方が、太陽やその他の環境要因による酸化的ダメージから肌を守るために重要な役割を果たすことが、明らかにされているのも見逃せない。

■肌の弾力性をアップ

肌の状態と脂肪や抗酸化微量栄養素の摂取量との関係が調査された2010年の研究では、アボカドに含まれるようなヘルシーな脂肪・不飽和脂肪を多く摂取することで、肌の弾力性をアップさせ、シワが目立たなくなると結論づけられている。

■肌の乾燥を防ぐ

アボカドには、ビタミンB群の一部であるビオチンが豊富に含まれている。ビオチンは、外用すると乾燥肌の予防になることが知られている栄養素だ。これは、お肌だけでなく髪や爪がもろくなるのを防ぐ効果も期待できるんだとか。

アボカドヨーグルトマスク レシピ

アボカドヨーグルトマスクの作り方

■材料(1回分)

  • 熟したアボカド1/4個

  • 無糖ヨーグルト 大さじ½

  • 小麦粉(米粉)小さじ½

■作り方

  1. アボカドを1/4個にカットして、果肉を取り出す。

  2. アボカドをフォークで潰す。

  3. 2にヨーグルトと小麦粉を混ぜ合わせて完成。

    (ブレンダーを使うとよりスムーズになるのでおすすめ)

■使い方

  1. 湿らせて温めたタオルを20秒ほど顔に当て、毛穴を開かせる。

  2. 目のまわりは避け、指またはブラシでマスクを顔に塗布。

  3. 15分ほど放置。

  4. ティッシュなどを使ってパックを取り除く

  5. ぬるま湯でカスが残らないように洗い流す

  6. モイスチャライザーでお手入れ

アボカドは熟したものがおすすめ。未熟なアボカドのだとスムーズなマスクを作るのが難しい。個人的にブツブツしたアボカドの果肉が残っていると顔に塗りづらい上、垂れやすいため、ブレンダーでなめらかにすると安心。

さらにレモン汁を絞ったり非加熱のはちみつを加えると保湿力アップ。角質ケアのための美容液や、細かく砕いたオートミールをほんの少し加えるのも◎。その時々の肌の状態に応じてアレンジできるのもDIYスキンケアの楽しいところ。

また、敏感肌の人はもちろん、どんな人でもまずはパッチテストから始めるのもお忘れなく。ひじや手首の内側に少量のアボカドを塗ってみて。敏感な人は、数時間以内にかゆみ、赤み、腫れ、火照りを感じるので、その場合は控えて。

ここからは、わたしがアボカドヨーグルトフェイスマスクを続けて感じる効果をシェアしていく。肌質は人によって異なり効果はあくまでも個人的なもの。なので、みんなに当てはまるものではないけれど参考になればうれしい。

1.お肌の保湿力アップ

pattern of halved avocados
Westend61//Getty Images

半信半疑で始めた1回目、フェイスマスクを洗い落としてからすぐに感じたのが「お肌が潤っている」ということ。

体はともかくもともと顔の乾燥にはそこまで悩んでいなかったものの、やはり年齢を重ねるごとに水分量は減り、20代の頃のような瑞々しさからは確実に遠ざかっていた。それが、フェイスマスクを落とした直後から触った感じはもちろん、見た目的にも潤いが戻ったのだ。

うれしくて、つい肌を触りすぎてしまいそうになるから注意しなくてはいけない。

わたしのパック姿を小馬鹿にしていた夫も「肌ツヤ良いね」と認めざるをえないほど。

2. ニキビができることがなくなり毛穴レスへ

red strawberries on vibrant yellow background
Malte Mueller//Getty Images

実は、レシピの無糖のヨーグルトは洗浄力が高くて、わたしも取り入れているアーユルヴェディックな暮らしの中では、クレンジングとして使っている人も多い。

さらに、プロバイオティクス(人体に良い影響を与える微生物、またはそれらを含む食品・飲料・製剤)が含まれているため、ニキビなどの原因となる菌を退治してくれるんだとか。

アボカドヨーグルトフェイスマスクをはじめてから1ヶ月がたった頃から、それまで気になっていた鼻の毛穴が目立たなくなり、「お母さんの鼻、いちごみたいで可愛い」と娘から言われることもなくなり、変に落ち込むこともなくなった。

ニキビは、皮脂や油の異常分泌が原因で発症するけれど、その結果、毛穴が詰まり、肌がより多くの汚れを引き寄せるため、バクテリアの活動が活発化する。

わたしは、フェイスマスクを続けてから1ヶ月ほどたった頃、毛穴の奥まできれいになり、不純物を取り除いてニキビを根絶するのに役立っていると感じている。

特に、ニキビができやすいオイリー肌の人は、効果があるかも。

3. アンチエイジング

young woman cupping hands around sun
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アボカドにはビタミンAが含まれていて、このビタミンの効果は、疲れた肌や老化した肌には魔法のようなもの。

ビタミンAは肌が新しい細胞を作り出すのを助け、天然のコラーゲンを回復させるんだとか。また、アボカドに含まれる抗酸化物質が、疲れて老けて見える原因となるシミの出現を防いでくれるという。結果として、エイジングサインである小じわやシミが目立たない、若々しくフレッシュな肌を実現させてくれる。もちろん、加齢は自然の摂理であって、恥ずべきことではないけれど、イキイキとした引き締まった肌になれるのであれば、これはわたしにとっては間違いなくうれしいこと。

灼熱の太陽の光を一年中浴びているわたしにとって、スキントラブルの中でもシミやシワはどうしても避けがたいことだけれど、このフェイスマスク数回目からは見た目にもハリがアップしているのが感じられるように。

また、マスクオフ生活を再スタートしたシンガポールでも今のところ、まだ目立ったシミはできていない。このままツヤ感もアップすれば、すでにできてしまったシミもレフ板効果で、目立たなくなるのではと期待している。

DIYスキンケアで自己発見

私たちのお肌は体の中の健康状態を反映していると考える人もいるけれど、特に顔は全身の中でも鏡を覗いた時に一番目につく部位。この考えに従い、体がわたしたちに発しているサインに気づいたなら、アボカドを定期的に肌に塗ること、そしてもちろん健康的な食生活を送ることで、気になるトラブルを緩和したり予防することだってできちゃうかも。

アボカドの効果は果肉だけにとどまらないので、まずは果肉から抽出されたオイルであるアボカドオイルも使ってみても◎。

クレンザーとして、コットンにアボカドオイルを含ませて、1日2回、顔や首をクレンジングしてみて。また、お気に入りの保湿剤に100%アボカドオイルを数滴たらすという方法もおすすめ。

効果を感じられて、もっとディープにチャレンジする準備が整ったら、ぜひ先に進んでみて。

わたしがDIYのスキンケアをはじめて感じるのは、自然に寄り添った暮らしとはセルフディスカバリーの一種だということ。

原材料の成分が私の肌や心に何を感じさせるかを意識し、たとえ思ったよりもうまくいかなくても、それを学びとして受け入れ、次に進めばOK。

自分のセルフケアで上手くいっているものを見極め、そうでないものを調整していけばきっと、本当に満足できるものに出会うことができるはず。

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桑子 麻衣子
ライター

1986年横浜生まれ。2013年よりシンガポール在住。幼少期よりクラシックバレエの練習に励みバレリーナになることを目指していたが、思春期に恋愛に走ってしまう。ヨガインストラクター、アーユルヴェーダアドバイザーの経験を活かし、現在は国内外のウェルネスやフィットネスなど健康周りの情報を中心に発信するライターとして活動。根っからの健康オタク。
Instagram: @mic_kwk