まだまだ続くリモートワーク。座って作業する時間が長いため、肩こりや首の疲れに悩まされている人は多いはず。マッサージや整体に行きたいけれど、なかなか外にも出られない……。そんなときに役立つのが、「自力整体」。自力整体は人の手を借りず、自分で自らの体を治療するボディワーク。そこで今回は、デスクワークによって起きる首や肩のこりを解消するメソッドを、自力整体ナビゲーターの矢上真理恵さんが教えてくれた。

デスクワークで肩こりはなぜ起こる?

asian woman struggling with using laptop at home
shih-wei//Getty Images

人間には、体にとって負担がかからない、自然で正しい姿勢というものがあります。ストレートネックや猫背、骨盤の後傾など、アンナチュラルな姿勢(歪んだ姿勢)でいると、体に負担がかかります。常に体は「正しい姿勢に戻ろう」と働くので、悪い姿勢でいればいるほど、体は緊張してしまうのです。たとえば、頭が胴体の前や横に出ている状態、体がねじれた状態が続くと、無意識に筋肉が緊張してしまいます。体のこりは、正しい姿勢に戻そうとしてしまって起こるものなのです。

また、長時間同じ姿勢を続けることも体に負荷がかかります。30分間座り続けていたら一度立ち上がって体を動かすなど、姿勢を変える必要があります。

さらに、目の筋肉が疲れることも肩こりの原因に。長時間のPC作業はできるだけ避けたいところですが、なかなかそうはいかないですよね。ブルーライトカットメガネを使ったり、これからご紹介する眼窩(がんか)のマッサージなどを行ったりすると、目の疲れが和らぎますよ。

「肩こり」に効く自力整体

今回は、座ったままできる自力整体をご紹介します。ぜひ仕事の休憩時間に試してみてください。

①遠くを見る

自力整体
Hiroshi Takami

目の周りの筋肉が緊張すると首、肩のこりにつながります。30分に一度は目を休ませるために、1分程度遠くを見るようにしましょう。

②首筋伸ばし

自力整体
Hiroshi Takami

左の手のひらで右耳の上を掴み、深呼吸をしながら左へゆっくりと倒していきます。10秒程度行ったら、反対側も行ってください。

③首のこりほぐし

自力整体
Hiroshi Takami

デスクワークで同じ体勢が続き、固まってしまった首を緩めましょう。

右手で首のうしろを掴みます。左ヒジを真ん中に寄せて下げ、頭も同時に下ろしていきます。左手で外側から右ヒジを掴み、左方向へ揺すって、頭も左側へ寄せていきましょう。15秒ほど軽く揺すったあと、支えている左手を外し右手も首から外します。反対側も行いましょう。

④眼窩(がんか)押し

目の上にある眼窩という場所を親指を使ってほぐしていきます。眼窩はちょうど、黒目の上の骨のくぼみのところです。この周りの筋肉は長時間のパソコンワークやメガネ、コンタクトレンズの使用によって緊張して硬くなります。

自力整体
Hiroshi Takami

①両ヒジを机に乗せて指を絡め、親指を立てます。その親指を眼窩に当ててください。このとき、指が食い込み過ぎないように気をつけましょう。

自力整体
Hiroshi Takami

②両ヒジを支えにして、息を深く吸い、ゆっくりと吐きながら頭を机のほうへ下ろしていきます。親指の関節を軽く曲げたり、頭を左右にゆっくりと動かしながら指圧をしてください。10秒指圧したあとに、息を吸いながらそっと頭を持ち上げていきましょう。

⑤脇伸ばし

脇は肩、肩甲骨の近くにあるので、ここの縮みやこりは肩こりの原因になります。ここでもデスクを使って脇の下の可動域を広げ、緩ませましょう。

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Hiroshi Takami

①イスをデスクから30cmほどうしろにさげる。両ヒジを肩幅より若干広めに開き、デスクの際に乗せ、両手を合わせて。

②息を吸い、吐きながら頭をヒジの真ん中へ下ろしていきます。深呼吸を3〜5回繰り返し、吐くたびに胸をゆっくりと床方向へ下ろしていき、揺すりながら脇の隙間を広げていきます。十分ほぐせたら、息を吸いながらヒジを押して起き上がりましょう。

今回はデスクに座ったまま、仕事の合間にできる自力整体をご紹介しました。在宅ワークが増え、気がつかないうちに長時間のデスクワークを続けてしまう方も多いでしょう。タイマーを使うなどして定期的にパソコン、スマホなどから離れ、体をほぐすことで肩こりや腰痛などを予防することができますよ。

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矢上 真理恵
自力整体ナビゲーター

父である矢上裕が開発した自己治療メソッド自力整体®︎と予防医学を普及する矢上予防医学研究所のディレクター。米国、英国の芸術大学で衣装デザインとパフォーマンスデザインの学士、修士課程を終了後にアート、ダンス、ムーブメントセラピーに興味を持ち英国でRYTヨガ認定資格終了。後に自力整体ワークショップをヨーロッパ各地、カナダやイスラエル等で開催。2019年より日本に完全帰国。

インスタグラム: @marieyagami_move 

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Kaoru Sawa
ウィメンズヘルス・エディター

美容・ダイエットを中心とした記事を担当。自他共に認める美容マニアで、ハマり症。その気質から、自分が挑戦する取材企画には必ず結果へのコミットにこだわる。男性ライフスタイル誌、女性向けアプリメディアなどを経て、2021年までウィメンズヘルス編集部に在籍。