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食欲や欲望、体内の脂肪貯蔵庫などをコントロールするいくつかの化学物質がある。この量の増減は、ダイエットの成功(と失敗)に大きな影響を及ぼす。でも科学者たちが最先端の発見をするにつれ、このホルモンたちの活動に関する私たちの知識は日々増え続けている。しかも彼らが生まれ持った行動特性さえ理解してしまえば、ダイエットの強い味方になるかも。

コルチゾール

別名: Ms. イライラ空腹

生息環境: 腎臓の真上に位置する副腎

生まれ持った行動特性: ストレスに直面すると野蛮化するおそれが。また、運転中に割り込まれたなど些細なことでも危険に脅かされていると感じてしまうと、それに反応できるようにエネルギーを大量放出する。危険が去ると、今消費したエネルギーを(実際は全然消費しなかったとしても)補充できるよう食欲を弾ませる。最終結果は特にお腹周りの体重増加。

手なずけるには: まずは主要エネルギー源であるカフェインを断つことから。トリプルショットで飲んだことがある人なら、その興奮作用がコルチゾールの分泌を増やすことを知っているはず。それから笑える映画を観るのも効果的! ロマ・リンダ大学の研究によると、笑ったり、クスクス笑って“しまいそう”なだけでも、コルチゾール値が39%も低下するそう。

テストステロン

別名: Mr. セクシー

生息環境: 卵巣と副腎

生まれ持った行動特性: 筋肉、エネルギー、性欲を増大させることでよく知られる。よって彼の無断欠勤中には、筋肉が(性的衝動とともに)衰え、代謝が不活性化し、体重が増える。20代に入るか、特定の種類の避妊薬を飲みだすと姿を消し始める。

手なずけるには: バレーのレッスンやウエイトを使ったエクササイズなどの筋力トレーニング(最低30分を週3回を目標に)で、かつての栄光を取り戻せるとおだてれば、テストステロンの生産は活性化する。糖分摂取を減らすことも彼の繁栄を助ける。甘いものを食べ過ぎると、体内の活性テストステロンの量を調節する遺伝子を失ってしまうことが研究によって分かっている。

レプチン

別名: Ms. もう要らない

生息環境: 脂肪組織

生まれ持った行動特性: お腹いっぱいだから食べるのを止めてという信号を送り、食欲を調整してくれる彼女は普段はあなたの味方。でも彼女の住処である脂肪細胞が消え始めた時、つまりあなたが減量にいくらか成功すると、彼女も同時に影を薄くする。レプチンが減少すると、“食事終了”の通知がもらえないため食べ続けてしまい、リバウンドを伴うヨーヨーダイエットの主要原因に。長期間にわたる体重過多も彼女を疲れさせ、レプチン抵抗性として知られる彼女の停職状態に陥ることになる。

手なずけるには: 速攻で体重を減らし、レプチン抵抗性を必然的なものにしてしまう流行りのダイエットをする代わりに、安定した方法でカロリー摂取量を減らすこと。そして亜鉛を豊富に摂ることも忘れずに。不足すると健康な人のレプチン生産量を減らしてしまうとする研究がある。豆類、牛肉、カシューナッツなどの亜鉛を豊富に含む食材で、このヒロインホルモンの機嫌を取り、食事は急がないこと。ゆっくり食べれば彼女が働く時間も増えるから。

グレリン

別名: Mr. ムシャムシャ

生息環境:胃腸

生まれ持った行動特性: レプチンと協力して働くこの腹ペコなホルモンは食欲を調節する。胃がほとんど空っぽになると、脳に向かって今すぐ食べろと怒鳴る。ランチの後は3時間ほどくつろぐ。体重が減ると、体はあなたが飢餓寸前だと思い、“セットポイント”に戻そうとする(あなたが意図的に減量していることなど体は知らない)。これがグレリンの産生と食欲を増加させ、体重を元に戻してしまう。とある実験では、平均13.5kgの減量を行った肥満の成人女性集団のグレリン値が、ダイエット開始前と比べて20%上昇していたそう。

手なずけるには: 満腹であればグレリンを追い払うことができるため、農作物、ポップコーン、出汁でとったスープといった低カロリー食品をたくさん食べること。また、早めにベッドに入るようにしよう。ちょっとした睡眠不足でもグレリンレベルが上昇し、体に脂肪が蓄積しやすくなる。

エストロゲン

別名: Ms. 誘惑

生息環境:卵巣

生まれ持った行動特性: 姉である性欲ホルモンプロゲステロンと同様にこの男を誘惑する女性は、月経周期を同伴させた欲求ジェットコースターの責任者。彼女は複雑な生き物。生理が始まる直前で最も不活発な時には大食いしやすく、排卵直前のパワー全開時には食欲が抑制される。また、彼女は強くなりすぎると姉のプロゲステロンを抑え込み、エストロゲン優位と呼ばれる状態を作り出す。この状態で体重を落とすのは、不可能ではないにしても極めて困難。

手なずけるには: 彼女のバランスを安定させるには十分な食物繊維を摂ること。食物繊維は彼女と結合し、循環中の血液に再び戻ってくることのないよう腸を出て行くのを助けてくれる。1日約450gの野菜を摂ることを心掛けよう。大量に聞こえるかもしれないけれど、グリーンスムージー1杯とサラダ、そしてブロッコリーとパプリカの炒め物で確実に目標が達成できる。

※この記事は当初、アメリカ版「ウィメンズヘルス」に掲載されました。

https://www.womenshealth.com.au/article/weight-loss/hormones-weight-loss

Text: Rachel Melzer Warren Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images