風邪を早く治すために効果的なのは? 市販薬・足湯・鶏肉・にんにく・はちみつなどの民間療法を紹介!
まだまだ冷える寒い時期。誰かと室内で過ごす時間の方が多いのでは?
暖房で暖かくした部屋の換気なんて滅多にしていない……。冬は免疫力が低下しがち。そうなると、風邪の原因になるウイルスの感染率は、グッと上がるんだとか。
長引く喉の痛みやズキズキと痛む頭痛、おまけに止まらない鼻水のせいでいつの間にかティッシュの山ができている始末! 放心状態で横になり、「風邪を早く治すには」とグーグル検索するような無駄な時間は過ごしたくない!
というわけで、今年の冬こそ風邪を引かないために、この「風邪の撃退ガイド」をブックマークしておこう。その内容をイギリス版ウィメンズヘルスからご紹介。
風邪 vs インフルエンザ その違いは?
まずは自分の症状を特定すること! 風邪? それともインフルエンザ? 両者は呼吸器疾患に分類され、症状はかなり似ているので下記の特徴を参考にチェックしてみて。
一般的な風邪の症状
• 鼻水・鼻づまり
• 頻繁なくしゃみ
• 喉の痛み・咳
• 頭痛
• 倦怠感
一般的なインフルエンザの症状
• 38度以上の高熱
• 悪寒
• 筋肉痛・関節痛・倦怠感
• 吐き気・嘔吐・下痢
• より重症な、上記の風邪症状がある
風邪とインフルエンザの症状は一部共通しているものの、国民保健サービスによると、2つの疾患の主な違いはインフルエンザの症状の進行が非常に早く、発熱や筋肉の痛みを伴うとのこと。一方で風邪の発症は比較的ゆるやかで、鼻や喉への影響が大きい。
24時間以内に風邪を治す方法
「一晩で風邪を治すことは不可能」だと説明するのは、「Push Doctor」の医務官であるダン・ロバートソン医師。「回復するには、体は免疫反応を起こしてウイルスを撃退し修復する必要がある。このプロセスには時間がかかり、急がせる理由もない」
早めに風邪を治す最適な方法
「ウイルスが消えるまで、風邪の症状を和らげるように努めること。点鼻スプレーの使用やパラセタモール(鎮痛解熱薬)の服用をし、水分補給を徹底するこで快方に向かう」とロバートソン医師。
鼻づまりを解消する方法
鼻詰まりで呼吸しずらい上にズキズキ痛む頭痛。寝るにも寝られない風邪の引き始めは最悪な気分……。そこで、この厄介な鼻づまりを解消する方法は知らなきゃ損!
1. 熱いシャワーをかかり、一時的に鼻づまりを緩和する。蒸気には鼻の粘液を流し出す役目がある。
2. 暖かい湯で濡らしたフランネル(柔らかくて軽い毛織物)を顔にあてて鼻詰まりを緩和する。スライスした新鮮な生姜をお湯に加えてからフランネルを浸すと効果がさらにアップするそう。
3. こまめに水分補給をする。多めに水分を摂ることで、発熱によって失われた水分を補い、粘液をゆるめる作用が働くそう。水分にビネガーを小さじ1杯加えて効果が抜群に得られた人も多いんだとか。試してみる価値あり!
4. フェイシャルマッサージをして血行を改善する。
5. ホースラディッシュ(西洋わさび)をかじってみる。鼻づまりが重症で苦しいときは、何でも試した方が勝ち!
喉の痛みを解消する方法
喉はガラガラ、唾を飲み込むのも痛い! そんな時は賢い薬選びを。
「近くの薬局でパラセタモールやイブプロフェンなどの鎮痛剤を購入して。高価な薬を買おうと、効き目は変わらない」とロバートソン医師。
「痛みが重症なときは、フルルビプロフェンを含むトローチ剤が有効」だとロバートソン医師は続ける。「服用して10分以内に痛みを緩和する局所的な抗炎症作用がある」
自然療法を求めるなら、西洋医学のハーバリストであるマリー・マルケイが、DIYの喉治療薬のレシピを紹介してくれた!
• 乾燥セージの葉 小さじ2杯
• 沸騰させたお湯 200ml
• 小さく刻んだカイエンペッパー、または乾燥タイプのチリパウダー 1つまみ
• 高品質の蜂蜜 大さじ2杯 (抗菌性、抗ウイルス性を持つローハニーまたはマヌカハニーがおすすめ)
• シーソルト 1つまみ
• オーガニックのアップルサイダービネガー 大さじ1杯
「このレシピは特に感染症に効果的」だとマルケイ。「セージとカイエンまたはチリパウダーを水差しに入れて混ぜたらお湯に注ぐ。10〜15分漬けておき、塩、蜂蜜、酢を加えてよくかき混ぜる。 これで1日3回うがいをするか、小さなスプレーボトルに入れて冷蔵し、必要なときに喉の奥にスプレーをふきかける」
風邪とインフルエンザに効く8つの民間療法
1. オイルプリングを試す
オイルプリングとは「 オイルで口をすすぐ」健康法のこと。歯を白くする効果だけではなく、抗菌作用もあるって知ってた? インドの伝統医学・アーユルヴェーダの古代の習慣に基づく自然療法は、ココナッツオイルを使って口の中の細菌を除去していたそう。スプーン1杯のココナッツオイルを口に入れて1分間うがいする。歯にしっかりオイルが行き渡るようにすること。歯茎も忘れずに! うがいが終わったら吐き出して、仕上げにぬるま湯できれいに洗い流す。
2. スープ
鶏肉は、風邪を早く治す働きをする抗炎症性物質を含んでいることが証明されているそう。総合医学雑誌『Chest』に掲載された論文によると、鶏肉、玉ねぎ、スイートポテト、パースニップ、カブ、人参、セロリの茎、パセリを入れて塩コショウで味付けしたスープを食べると、偉大な効果を得られることが判明したそう!
野菜の代わりに抗菌効果があるニンニクを一片食べるのもアリ。最近の研究によると、ニンニクは生よりも焼いて食べる方がいいんだとか。ニンニクを潰したら、ソテーにするか、軽く焼いて食べるようにすると、ニンニクの効能が最大限に得られるみたい!
3. 熱いお湯に浸かる
ポイントは「湯気」!暖かいシャワーや湯船に浸かるだけで、鼻づまりが緩和し、体が芯からリラックスできるんだそう。お風呂にペパーミントオイルを数滴落としてみると、気道が開き、ボーとした頭もシャキッとなるみたい!
4. 生はちみつを食べる
イギリスの国立医療技術評価機構(NICE)と英国公衆衛生庁(PHE)が定めた新たな健康のガイドラインによると、風邪を引いたときはまず、抗菌作用に優れたスプーン1杯分の生はちみつを食べるべきとのこと。熱いお湯に生はちみつとレモンを加えて、毎日のティータイムを楽しんでみては?
5. プロバイオティックを摂取する
ニュージャージー医科歯科大学の研究によると、プロバイオティックを摂取している人は、していない人に比べて風邪の潜伏期間が2日間も短く、症状は34%軽かったとのこと。
6. ビタミンCを摂る
柑橘系の果物を食べていると、風邪の治りも早いとのこと。ヘルシンキ大学の研究によると、1日あたり8gのビタミンCを摂るだけで、風邪の潜伏期間を19%も早めることができたと判明したそう。
7. ペットに寄り添う
理由は、ペットには風邪が感染しないだけではない。ヴァンダービルト大学医療センターの専門家チームの言葉を借りると、人は誰かが側に居てくれるだけで、気持ちははるかに良くなるとのこと。
8. 足湯をする
他にも、症状を緩和するための自然療法を試したいなら、マルケイが提案するハーブティーの足湯は非常におすすめ!
「濃度の濃いハーブティーに足を浸して」とマルケイ。下記の分量は、新鮮なハーブを使用する場合は小さじ3杯、乾燥ハーブなら小さじ2杯!
• ペパーミント
• 潰したニンニク
• エキナセア
• タイムとローズマリー
「ハーブの上から沸騰させたお湯を注いで、濃いめのハーブティーを作る。上から蓋をして30分置いておく。そうすることで、ハーブのエッセンシャルオイル(精油)や有効成分を外に引き出すことができる。ちょうどいい温度に冷めたら洗面器にハーブティーを注いで、10〜15分足湯する。これを1日に3回行う」
このブレンドは足湯だけではなく、飲用にも適したハーブティーだとマイケルは勧めている。
風邪を引いても運動はするべき?
この回答については賛否両論だけど、ロバートソン医師は、風邪によって体力が消耗しているときは、無理に運動をするべきではないと話す。
「運動を継続することは重要だけど、風邪を引いたときはかえって症状を悪化させ、回復を遅らせる可能性が高いので無理はよくない」とロバートソン医師。
「普段のプログラムを短縮して、やさしめのエクササイズで息切れをしない程度にするのが望ましい。体調が悪いときは、医師に相談すること。一般的に、仕事に行ける状態なら、軽めのエクササイズはできる。水泳など、自分のペースで行えるやさしめのエクササイズを続けてみて」
風邪の予防方法
もし、この冬に風邪を一度も引かずに過ごせたならそれはミラクルなこと! しかし、風邪を予防したり、風邪を早く治すためにできることは1年中ある。政府が定めたガイドラインでは、年間あたり10mgのビタミンDを摂取するように勧めている。ビタミンDのサプリメントを服用するか、マッシュルーム(ビタミンDの含有量を増やすために窓際で保管するといい)などの自然食品から摂取するか、チョイスはどちらであれ十分に摂取できていることで冬に風邪を引きにくくなるんだそう。
新鮮な野菜や果物を食生活に取り入れて栄養価の高い食事をすることで、免疫力は向上する。睡眠を優先することで、体は全力でウイルスを撃退することができる。
ありきたりだけど、定期的に手洗いをすること。除菌アイテムを常備して細菌をもらわないように日頃から気をつけて。最後に、ロバートソン医師いわく「医学的見解から言うと、抗生物質は風邪には効かない。風邪は細菌からではなく、ウイルスによるものだから」とのこと。
※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: Jadie Troy-Pryde and Emma Pritchard Translation: Yukie Kawabata