マスタベーションは人生で最高の快楽の1つ。でも、その重要性は見過ごされがち。自分ではスイートスポットの触り方も気持ちよくなる方法も分かっているのに、観客がいると少し気まずい。でも、相互マスタベーションは、非常に安全な方法でパートナーをオーガズムに導けるリアルタイムのセックスショー。これで親密度と快感が増し、2人の関係が劇的に改善することもある。ものすごくセクシーなのは言うに及ばず。

そこで今回は、官能的で親密な相互マスタベーションを最大限に楽しむためのHOW-TOと秘訣を、ボディワーカーでセックス&インティマシーコーチのリビー・シェパードが教えてくれた。

相互マスタベーションとは?

相互マスタベーションは、複数の人が全員の性的同意を得た上で、お互いではなく自分の体を刺激して気持ちよくなる性体験。対面でもバーチャル(ビデオ通話や音声通話)でも行える。

相互マスタベーションのメリットは?

いつもなら“こっそり”自分でしていることをほかの人に見せるのは、ものすごく勇気がいること。相互マスタベーションには、自分の奥深くに秘められた部分をさらけだすような感覚も伴うけれど、マスタベーションには悪いイメージが付きまとっているからこそ、それを見て見られるのは、不必要な羞恥心や罪の意識を捨て去り、あなたとパートナーの絆を深める絶好のチャンスになる。

相互マスタベーションをしたあとは、そのイメージが頭に残る。パートナーが後日自分のことを想像しながらマスタベーションするなんて、考えただけでも体が火照りそう!

相互マスタベーションは心身の健康にも多数のプラスの作用を与える。

・人を“喜ばせなければ”というプレッシャーを感じることなく、自分の快感に集中できる。

・自分の望み通りの触り方で、望み通りの刺激が得られる。

・人前で興奮したり気持ちよくなったりするというのは解放感のある行為。自分の力で羞恥心を捨てるきっかけにもなる。

・パートナーが好む触り方を把握して、次のセックスに活かすことができる。

・従来のセックスや1人で行うマスタベーションとは違う種類の興奮や刺激が得られる。

・エンドルフィンが分泌されて心身がリラックス。愛情を込めてマインドフルにマスタベーションをしたときは、その効果が一段と高くなる。

・ヘルシーな性生活がより一層楽しくなる。

相互マスタベーションの始め方

セックスやマスタベーションに関する話は、イチャイチャしていないときにするといい。寝室に“入る前”に話し合っておけばベースとなる信頼関係が築かれるので、変な緊張や不必要な期待から解放されて、親密な空間で裸になってもリラックスした状態でいられる。

「この間『ウィメンズヘルス』で面白い記事を読んだんだけど……相互マスタベーションって聞いたことある?」といった感じで切り出してみるといいい。

遠距離恋愛中の人の中には、マスタベーションを目的としたビデオ通話や音声通話を定期的にしている人もいるかもしれない。パートナーに触れたいという素直な気持ちを伝えるだけでもいいけれど、実際に触れられないなら、せめてパートナーが自分で自分に触れているところを見たい。

ポイントは焦らずに時間をかけて、少しずつ自信と信頼関係を築いていくこと。相互マスタベーションをバーチャルで初めてするときは下着をつけたままにしたり、対面で初めてするときはドレープを羽織ったり。途中で不安や緊張を感じたときは一旦手を止め、パートナーの心境を聞いてみよう。パートナーが続けたいと思っているなら、あなたは見ているだけでもいい。

大事なのは透明性

お互いの気持ちや意見を正直に話し合い、2人の間に透明性を持たせれば、リラックスした状態で相互マスタベーションが楽しめるようになる。どのくらいの時間をかけるか、音楽を流すか、アダルト動画やトイを使うか、といった実用的なことを前もって決めておけば、その瞬間に集中しやすい。

相互マスタベーションは、マッサージやキスなどの前戯で気分とムードを高めてから始めよう。向かい合っていると“パフォーマンスモード”に入ってしまい、演技っぽくなりがちなので、最初は隣り合わせがオススメ。

相互マスタベーションのコツ

woman and man hugging in bed
LWA/Dann Tardif//Getty Images

相互マスタベーションのコツは、1人でするマスタベーションのコツと同じ。

・呼吸

マスタベーション中は息を止めず、鼻から吸って口から吐く。呼吸が止まったり、ぎこちなくなったりしたら、それに自分で気づくことが大切。息を深く吸えば吸うほど、性器だけでなく全身の感覚が鋭くなる。

・音

ほとんどの人はマスタベーション中に極力音を立てないようにするけれど、パートナーと一緒のときは、あえて音を立てたほうが気分や雰囲気が盛り上がる。喘ぎ声、ため息のような声、笑い声は無理に抑えず、自然に出して。電話では自分がしていることを言葉にしてみるといい。

・体の動き

相互マスタベーションの最中は体を自由に動かして。腰を振ってもいいし、つま先をモジモジさせてもいいし、体勢を変えてもいい。

・余韻

相互マスタベーションが終わったら、さっさと次のタスクに移ろうとせず、2~3分はじっと静かに余韻を楽しむ。ヨガ教室で“屍のポーズ”をするのと少し似ている。

・事後の共有

相互マスタベーションのあとは、楽しかったこと、難しかったこと、気が散った要因、体の感覚、次回に向けて修正したいことなどをパートナーに伝えよう。大事なのは双方が2~3分ずつ話を聞いてもらうことなので、必ずしも返事をする必要はない。お互いに自分の気持ちを正直に伝えれば、親密さが増して2人の絆が深くなるだけでなく、お互いの経験が次回に活かされるようになるので、恥ずかしがる必要も口をつぐむこともない。

相互マスタベーションに恥ずかしさから抵抗を感じるときは?

まずは対面ではなくビデオ通話や音声通話でトライしてみよう。また、向かい合わせで見られると自分が無防備に感じるけれど、隣り合わせなら人の存在で気が散ったり精神的につらくなったりしないので、自分の体と感覚に集中しやすい。

最初のうちは目隠しや目をつぶったままするのもオススメ。自信がついてリラックスできるようになってきたら目を開けて、見て見られるという状況に身を置いてみればいい。

相互マスタベーションにオススメのポジション

相互マスタベーションを最大限に楽しみたいなら、以下のポジションを試してみて。

・隣り合わせ

パートナーと隣り合わせになれば“演じている”感覚が減り、パートナーの喘ぎ声を聞きながら自分の体を楽しめる。隣り合わせに慣れてきたら、よりインタラクティブなポジションに移るといい。

・向かい合わせ

完全に離れて座ってもいいし、脚を絡め合ってもいい。ソファーの両端に座るのはホットだし、背中が支えられてラク。

・69

隣り合わせと同様、このポジションでもフォーカスのスイッチを柔軟に切り替えられる。自分の体に集中したいときはして、パートナーを見たいときは見ればいい。このポジションはベッド向け。お互いの頭の下に枕を敷くとラク。

・背中合わせ

相手の顔を見なくてもボディコンタクトが得られる背中合わせのポジションは、恥ずかしがり屋さんでもとっつきやすい。お互いの呼吸や喘ぐときの振動が感じられるのもメリット。

・グループの場合

円になって座れば、みんなを見て、みんなに見られることが可能。シャイな人がいるときは部屋の中でランダムに散らばって。

・バーチャルの場合

ビデオ通話をするときはソファにもたれて座り、ヒザを立ててカメラを前の床に置く。そうすれば、あなたの両手が自由になるし、パートナーにもあなたの姿がよく見える。

相互マスタベーションでセックストイを使うには?

相互マスタベーションには、普段使っているトイや抵抗なく使えるトイを取り入れて。例えば、ディルド、バイブレーター、フレッシュライト(オナホールの一種)、アナルビーズ、膣吸引器。グループ制のマスタベーションクラスでは、ロープを持参して自分を縛る人もいる。

自分が使う予定のトイは(パートナーが見たことのないトイはとくに)、あらかじめパートナーに見せておこう。トイを見せながら使い方や自分の体の反応を解説するのは、ちょっとした前戯になる。

どんなプレイをするにせよ、潤滑ゼリー/オイルは絶対使ったほうがいい。摩擦が生じると、体の面でも心の面でも興奮できなくなってしまう。

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相互マスタベーションのリスク

相互マスタベーションほど安全な“セックス”はないけれど、以下の点には注意して。

・性感染症

自分の性器を触ってから人の性器を触る場合は、その手を介して性感染症がうつってしまうことも(比較的低いとはいえ)ある。でも、この問題は、お互いを触る前に手を洗ったり、ラテックス/ラテックスフリーの手袋をつけたりすることで解決可能。新しいパートナーには性感染症のステータスを確認し、お互いが定期的に性感染症の検査を受けて。

・妊娠

相互マスタベーションの最中に男性が射精したりカウパーを出したりしてからパートナーの膣に指やペニスを入れた場合も、精液が膣に入って(確率は低いけれど)妊娠する可能性がある。オーガズムのあとは手とペニスを洗うか、コンドームを着けることを忘れずに。

・同意のない録画・録音

バーチャルの相互マスタベーションでは信頼関係が絶対不可欠。性行為が勝手に録画・録音されてしまう可能性は否めないので、しっかり事前に話し合い、基本的なルールを決めて、親密な行為に安全性と透明性を持たせよう。

※この記事は、『Netdoctor』から翻訳されました。

Text: Libby Sheppard - Sex & Intimacy Coach Translation: Ai Igamoto