生理管理アプリ「Clue」が行った調査によると、女性の半数近くは生理中にセックスをしていないことが明らかになった。結論から先に言うと、生理中にセックスをしないという固定概念はすぐに捨てるべき。
それはナゼ？ 「生理中は、あなたがもっとも性的な活気に満ちた時期のひとつかもしれません」 と話すのは、認定セックスセラピストのヴァネッサ・マリン。第一に、ホルモンの変化によって、生理中は常軌を逸するほど性欲が高まりやすくなる時期であること。第二に、この期間にセックスをしてパートナーと親密な時間を過ごすと、2人の仲がさらに深まるように感じられると説明するのは、認定セックスセラピストのホリー・リッチモンド博士。
ここで現実的な話をしよう。誰もが、スケジュールの詰まった忙しい日々を送っている。そんな状態で、本当に1週間（多かれ少なかれ）もセックスをしたくないと思っているの？ ノースカロライナ大学で一般産婦人科の准教授を務めるレイチェル・ペラガロ・ウルティア医師が言うように、生理中だからこそスケジュールに空きがある可能性は高い。「ここに制限をかけていれば、カップルにとって2人の時間を見つけることは余計に難しくなります」
それ以上に、生理中のセックスは信じられないほど素晴らしい気分を味わうことができ（詳細は後ほど）、リッチモンド博士が言うには、どんよりとした気分を晴らすこともできる。
だけど、生理中にセックスをすると考えると、あなた（またはパートナー）が神経質になってしまうのなら、現実をみてみよう。「生理中にセックスすることはいたって健全であり、恥じることでもありませんよ。普段のセックスと何も変わりありません」と、マリン。
さらに、「医学的な観点からも、生理中にセックスをすることに問題はありません」と話すのは、イェール大学医学部産婦人科で臨床教授を務めるメリー・ジェーン・ミンキン医学博士。
専門家が言うには、生理中のほうがより気持ちよく感じられる人もいる。普段よりも少量（もしくは大量）の潤滑ゼリー（血液）でヌルヌルしていたら、セックスにはよくないこと？ ウルティア医師が言うには、多くの女性が生理中も普段と変わりなく、満たされたセックスをできていると報告している。
そこで今回はアメリカ版ウィメンズヘルスから、生理中に最高なセックスをする方法についてご紹介。生理中にセックスをするうえで知っておくべき11のことを見ていこう。
（月経周期には、月経後から排卵までの「卵胞期」、排卵が起こる「排卵期」、排卵後から次の月経が始まるまでの「黄体期」、月経が起こる「月経期」の4段階に分けられる）
1．生理中のセックスは、普段より快感に感じる場合もある
ウルティア医師いわく、普段のセックスで痛みを感じている女性にとっては、生理中のほうが痛みが少ないと感じるかもしれない。
「生理中のほうが痛みを感じにくくなる女性は珍しくないのです」とウルティア医師。ただし生理中は、体内でホルモンが上昇するため、痛みが増すこともある。試行錯誤を繰り返していけば、どの時期にセックスをするのが自分にとって一番心地よいかがわかってくるはず。
2．生理中のセックスは、頭痛や痙攣を和らげる
マリンが言うには、生理中のセックスには、よく見落とされがちなあるメリットが得られるという。生理中は、痛みに対する耐性が高まり、セックスをすると痛みの閾値を上げるエンドルフィンが放出されるため、生理中のセックスは、頭痛や痙攣など、普段悩まされている生理痛の症状を和らげてくれるかも。
3．してほしいこと、してほしくないことは、パートナーにはっきりと伝える
「どこまでが許容範囲で、どんなことはしたくないのかを明確にする」ことを勧めるのは、ホノルル在住の心理学者であり認定セックスセラピストのジャネット・ブリト博士。それについて、パートナーとちゃんと話し合うことが大切。例えば、挿入性交に興味がない人は、クリトリスへの刺激など、他の選択肢も考えたうえでパートナーに伝えよう。
「感じるポイントや性感帯をどんなふうに触ってほしいのかを相手に明確に伝えるには、相手の手をとって誘導してあげるといいでしょう」と、ブリト博士。「その際は、相手がちゃんと理解できるように、口頭でのコミュニケーションも忘れないでください」
4．生理中であることのメリットにフォーカスする
経血を気にするよりも、それをプラスに考えてみて。結局のところ、血液は余分な天然の潤滑ゼリーでしかない。「濡れにくい傾向にある女性は、生理中のセックスが好きになると思いますよ」とマリン。そうでない人も、少々多めに濡れていたって痛みを伴うわけではないので気にしなくて大丈夫。
5．コンドームを使う
生理中のセックスは快感で心から満たされるかもしれないけれど、クラミジアや淋病のような性感染症にかかりやすくなるという気をつけたい事実もある。
「生理中は、子宮頸部から子宮内に細菌が侵入しやすくなります」と、ミンキン医学博士。「この期間に無防備なセックスをすると、感染の影響が（子宮内へ）より早く広がってしまう可能性があるので、女性にとっては普段より少し危険でもあるのです」
なぜなら、ミンキン医学博士が言うには、普段は細菌が子宮頸部に到達するのを防ぐ頸管粘液が分泌されているけれど、生理期間中はそれが子宮内膜と一緒に体外へ排出されるから。
また、生理中に妊娠する可能性は低いけれど、可能性がないわけではない。「精子の寿命が長い場合もあります」と、ミンキン医学博士。「排卵が早く行われた場合には、生理中に避妊をしていないと妊娠する可能性があります」
対策は？ コンドーム（オーラルセックスには、デンタルダムを）。新しいパートナーとセックスをするときは特に気をつけて。
6．セックスを始める前に、ベッドを整えておく
経血の汚れが気になる場合は、濃いめの色の厚手のタオルをベッドの上に敷いておき、終わったあとは洗濯機で洗えばオッケー。実に単純な話。
7．シャワーを浴びる
それでもやっぱり不安？ それなら、ブリトー博士いわく、生理中はシャワーを浴びながらセックスを試してみるといい。出血していることにも気づきにくく、終わったあとはお互いの体を泡で洗いっこすればよし。
ちなみにシャワーのお湯は、潤滑ゼリーの役目を果たさないため、痛みや摩擦を避けるには、「シリコンベースの潤滑ゼリーを使ってください」 とブリトー博士。使用したあとは床が滑りやすくなるので、お掃除を忘れずに。
8．潤滑ゼリーやローションを使う
生理中はセックスを始める直前にタンポンを取り出して、出血を最小限に抑えようとするかもしれない。その戦略にも一つ問題点があるとか。ミンキン医学博士によると、タンポンを取り出したばかりでは、水分が吸い取られているため、膣が乾燥した状態で、セックスを不快に感じることもある。
これを避けるためには潤滑ゼリーやローションを使って。
9．月経カップや月経ディスクを試してみる
月経カップや月経ディスクを挿入することで、セックスをしている間も経血を吸収してくれる。
これを入れておけば、経血が漏れることを気にする必要がなくなるので安心。
ただし、すべての月経カップがセックスをしながら安全に使えるとは限らないので、購入する前に必ずパッケージの記載を読んで確認しておこう。よい感じのムードで楽しんでいるときに、月経カップが引っかかってしまうことだけは避けたい。
ウルティア医師いわく、タンポンや月経ディスクは、セックスをする前に経血を吸収するのに適している。セックスをしたあとの片付けが嫌だと言うなら、ひと呼吸をして。「取り出してすぐに始めれば、割合的にも膣から出血することはほぼありませんよ」と、ウルティア医師。時間が肝心みたい。
10．生理中のセックスに適切な体位でする
正常位。もしくは、あなたがあおむけになれる体位であれば経血が流れにくいので、量が多い日は特にベスト。でももし、「一番自分に自信が持てる体位があるのでしたら、その体位で楽しむべきです」と、ブリトー博士。
もっと優しいセックスを求めていたり、気分が優れないとき、腹部膨満感があるときは、スプーニング（横向きに寝て、受け身側のパートナーの背中に、挿入側のパートナーの胸をぴったりと押し付ける体位）がおすすめ。もっと親密になれるセックスを求めているなら、お互いに見つめ合ってできる体位でしよう（パートナーにまたがり、お尻と腰と背中をつかんで抱き寄せてもらって）。
くつろいでセックスをしたい気分のときは、リラックスした状態で後背位を試してみて。「ベッドの上で上半身を休め、おなかの下に枕を置いて、パートナーの性器の位置に合うように腰を少し上げてください」 とブリトー博士。
11．一人でする
独身でも遠距離恋愛中でも、あるいは、パートナーがいる人でもたまには一人で楽しみたいとき、ブリトー博士はセルフプレジャーをするように勧めている。「自分自身との時間を過ごせるだけでなく、心からリラックスできますよ」と、ブリトー博士。もしかして今まで、生理中は我慢していた？
シャワーヘッドをクリトリスに当てたり、防水のバイブレーターを使ってシャワータイムを楽しんでみて！
一人でもパートナーと一緒でも、生理中だろうと普段のセックスと同じ！ 大切なのは、あなた自身が楽しむこと！
※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: JESSICA MIGALA, LINDSAY GELLER AND JACQUELINE TEMPERA Translation : Yukie Kawabata
