家庭のゴタゴタにあふれかえるメールボックス、無限のようにも思えるやるべき雑務などに追われ、腸の健康はやるべきリストにおいてはないがしろにされてしまいがち。けれども、冷蔵庫にあるプロバイオティクスを忘れてしまう前に、これを読んでほしい。今回は腸と睡眠の関係性について、オーストラリア版ウィメンズヘルスよりご紹介。

ノバ・サウスイースタン大学の研究者たちは、消化管内の細菌と睡眠の質の間の関連性を確立した。研究では、被験者にアップルウォッチを強化したようなデバイスを装着しベッドに入ってもらい、どの程度の睡眠が得られたのかモニターした。翌日研究員たちがマイクロバイオーム(ヒトの体に共生する微生物の総称)を調査。

その結果、よく眠れた人たちには、あまり眠れなかった人に比べて細菌やウイルス、原虫、真菌などのより多様な微生物が見られた。微生物の多様性が欠如すると、パーキンソン病や自己免疫状態、うつ病や不安などのさまざまな健康問題に関連するそう。

ノバ・サウスイースタン大学の心理学部教授で、研究ディレクターのジェイミー・ターター氏は、「腸と脳の双方向性コミュニケーションを考慮すると、それらは互いに影響しあっていると考えられます」と説明する。「これまでの報告から、睡眠不足はおそらく腸の健康やマイクロバイオームに強い悪影響を及ぼすと考えています」

睡眠不足が、感情処理や生理機能にどのような影響を与えるかを中心に研究しているターター氏は、睡眠は「健康のための万能ナイフのようなもの」と表現している。

「良質な睡眠をとることは、健康増進につながり、睡眠不足は有害な影響を及ぼします」適切な睡眠をとらないと、短期的(ストレス、心理社会的問題)そして長期的(心疾患やがん)な健康問題につながることは誰もが目にしたことがあるはずです。脳と腸は互いにコミュニケーションをとっているため、睡眠のもっとも深い段階は脳が“ゴミを出す”時間であることもわかっています。質の高い睡眠は、人間の健康の他の多くの側面に影響を与えます」

※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: WH staff Translation: Asami Akiyama