女性が避けて通れない更年期の基本のキ

更年期とは、閉経前後の約10年間を指す。最後の月経から12カ月以上月経がないと閉経とされ、その平均年齢は日本人の場合、約50歳。つまり、一般的に更年期とは45歳から55歳あたりと考えられる。しかし、実際に閉経する年齢は40代前半の人もいれば、50代後半の人もおり、個人差は大きい。

profile silhouette screaming woman with storm cloud in head
Malte Mueller//Getty Images

女性ホルモンがゆらぐ更年期には、心身にさまざまな症状が現れる。よく聞く「更年期障害」は、日常生活に支障をきたすほど症状が重い状態を指す。主な症状に、ほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗、腰痛や肩こり、めまいや動悸、関節の痛みなどがある。精神的にも不安定になり、うつや不眠に悩まされることも。

更年期には「エクオール」で備える

約10年というけっして短くない更年期をいかに快適に過ごせるかは、人生全体の充実度にもかかわってくる。多くの読者にとって、まだ先の話かもしれないが、早くから準備をしておいて損はないのではないだろうか。

pills in medicine bottles
Malte Mueller//Getty Images

高尾美穂先生が、更年期を健やかに過ごすために、注目しておいたほうがいいというのが「エクオール」という成分だ。

「エクオールは、大豆イソフラボンが腸内細菌によって変換される成分で、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをします。日本ではサプリメントとして流通していますが、サプリメントというと根拠がないものも世の中にはたくさんあります。しかし、エクオールだけは、お薬の専門書に載るほど確かなエビデンスが出ています。信頼のおけるメーカーのエクオールであれば、投資する価値は十分にあると思います」

エクオールを作れるのは二人にひとり

エクオールが大豆イソフラボンから作られるのなら、納豆や豆腐を食べていれば済むのではないか。そんな素朴な疑問がわいてくる。

「エクオールのサプリメントは1日10㎎が摂取量の目安で、たしかにこの量は納豆1パックでカバーできます。ただ、すべての人が摂取した大豆イソフラボンをエクオールに変換させる腸内環境を持っているわけではなく、日本人女性は二人にひとりしかいないとわかっています」

young two women walking and using a phone with laugh
Ada daSilva//Getty Images

自分がエクオールを腸内で作れるかどうかは、ソイチェックという自宅でできる検査キットで調べることができる。

「私自身、3年の期間をあけて2回調べましたが、どちらも“作れない”という結果だったので、サプリメントを摂っています。エクオールを作れない人は、PMS(月経前症候群)の訴えが強いこともわかっています。生理周期でのアップダウンが大きい方も摂取するといいですね」

早めに対応していて損はない。自分がどんな体質なのか、まずはチェックからしてみてもいいかもしれない。

Text: Sakiko Koizumi

Headshot of 高尾 美穂
高尾 美穂
産婦人科専門医・医学博士・婦人科スポーツドクター

女性のための統合ヘルスクリニック、イーク表参道副院長。文部科学省・国立スポーツ科学センターの女性アスリート育成・支援プロジェクトメンバー。一般社団法人アスリートヨガ事務局理事、ドームのアドバイザーリードクターも務める。内科・婦人科・乳腺などを中心にクリニックでは診察を担当し、女性の健康をサポート。マターナル(周産期)ヨガを始め、ヨガセッションも積極的に行っている。また、プロアスリートのメディカル・メンタルサポート、女性アスリートに向けた、医学的知識の提供などにも積極的に参加。webサイト http://www.mihotakao.jp/ イーク表参道 http://www.ihc.or.jp/

Headshot of Chie Arakawa
Chie Arakawa
ウィメンズヘルス・シニアエディター

タレント・アスリートインタビュー・スポーツファッション・ウェルネス記事などを担当。女性誌FRaUでファッション・スポーツ・ダイエットなどの編集キャリアを積み、その後スポーツライフスタイルマガジンonyourmarkのプロデューサーとして在籍後、2022年までウィメンズヘルス編集部に在籍。