日本でも注目度急上昇中のキーワード「フェムテック(Femtech)」。女性特有の悩み解決や、女性の健康・美容にまつわるテクノロジーのことだけれど、どのような商品がそろうの? ケアすることでどんな変化がある? まずは、フェムテックの意味を知って、試してみよう。編集部おすすめアイテムもチェックして!
<目次>
フェムテックとは
Femtechとは、Female(女性)とTechnology(テクノロジー)をかけあわせた造語で、女性が抱える月経や不妊治療などの健康問題をテクノロジーで解決することを目指したもの。例えば、妊娠に最適な状態になるタイミングを計ることができる商品や生理中の不安を和らげるためのアイテムなどがある。このように、最新のテクノロジーを使い、女性のヘルスケアをサポートしてくれるプロダクトが、世界中で生まれ注目を浴びている。
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いまフェムテックが話題なのはなぜ?
フェムテック商品が出始めた頃は、投資家が男性ばかりで女性機能について理解がなく、また投資するジャンルとして「恥ずかしい」という気持ちが働き、なかなかフェムテックが浸透していかなかった。しかし最近では、世界中で生理をはじめとした体の問題をタブー視するのはやめようという考え方が定着してきている。そんな背景も手伝い、市場ではフェムテック製品を手がけるベンチャーが大きな盛り上がりを見せている。
また世界全体でのフェムテック業界への投資額は、2012年の60億円から2019年上期の400億円と約6.6倍と大幅に増加しているという。さらに、2025年にはフェムテック市場は5兆円にものぼるとの予測。
フェムテックというカテゴリーは女性のメンタルヘルスから始まり、セクシャルウェルネス、健康全般のケア、さらに月経、不妊、出産前後、更年期など幅広く女性をサポートする、今では心強い存在となっている。
おすすめフェムテック商品&サービス
ここからは、フェムテックのカテゴリーごとに深堀り。女性のヘルスケアをしっかりサポートしてくれる商品をご紹介! 一度使ったらその便利さに驚くはず。
【生理アイテム】
オーガニック紙ナプキン
経血量が多い、肌がかぶれやすいときの使用がおすすめ
使い慣れた紙ナプキンの安心感はそのままに、肌に触れても安全な素材を選ぶならオーガニックナプキンを手に取ってみて。経血量が多い生理2~3日目も漏れをしっかりガードしてくれ、さらにムレて荒れやすくなる肌も、化学繊維より肌あたりが滑らかなオーガニックナプキンはかゆみやかぶれを抑えてくれる印象。
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さまざまな紙ナプキンを試したエディターが太鼓判を押すのは、「ナトラケア」のナプキン。6つの「フリー」(※)を兼ね備えた女性の肌にも地球にも優しいアイテムで、経血吸収にも問題なし。
(※)
●オーガニックコットン使用=農薬フリー
●完全塩素フリー(TCF)
●高分子吸収剤フリー
●プラスチックフリー
●香料フリー
●添加物フリー
月経カップ
運動時や忙しくてナプキンを頻繁に変えられない日に
細菌感染症リスクの軽減やエコな観点からも注目を集める月経カップ。慣れるまではシリコン製のカップを膣内に入れることに違和感を覚えるかもしれないけれど、一度装着してしまえばつけてる心地がほとんどしないので快適。運動時など汗をかくシーンで紙ナプキンはどうしても下着の中がムレてしまう一方、月経カップは経血が外に漏れない仕組みなので肌荒れ知らず。また、忙しくてナプキンを頻繁に取り替えられない日にもぜひ活用してほしい。商品によって取り替え推奨時間は異なるものの、概ね6~8時間はカップ内に経血を溜めておける。
<お手入れ方法>
月経カップを清潔に保つメジャーなお手入れ方法は2つ。
・鍋で煮沸消毒する
・耐熱容器にカップを入れて電子レンジにかける
編集部員が簡単だと感じたのは、お鍋で煮沸消毒する方法。使用した月経カップは軽く水またはぬるま湯で洗い流し、沸騰したお湯の中にカップを投入。あとは10分間待つだけ。鍋から取り出したら、乾燥させて付属の袋や専用カップに保管しておけば、次回使うまで清潔にキープできる。
関連記事:「月経カップ」5種をエディターが試して比較。おすすめ・使い方・お手入れ法を解説!
おすすめはドイツ製の「メルーナ」。さらっとしたテクスチャーのカップで扱いやすく、持ち手がリングタイプなのでステムタイプに比べて取り出しが簡単。漏れが心配な人は、おりものシートや吸収型サニタリーショーツと併用すればパーフェクト◎。
吸水型サニタリーショーツ
生理終盤やおりものが気になるときに、ストレスフリーな履き心地
生理が始まりそうなときや終わりかけの時期に重宝するのが吸収型サニタリーショーツ。多層構造になっていてショーツ自体が経血を吸ってくれるので、ナプキンやタンポンいらずという画期的なアイテム。生理中じゃなくてもおりものが水っぽい時期など、ナプキンをするほどじゃないけど下着の汚れが気になるときにも大いに活躍してくれる。見た目もおしゃれなものが多く、普段のショーツより少し厚いかな? と思う程度なので、ストレスなく着用できるのも嬉しい。
<お手入れ方法>
水洗いして経血を落とせば洗濯機洗いもできるので、お手入れは簡単。層になっている分、少し乾きにくい。柔軟剤・漂白剤の使用は不可。
関連記事:生理の時もナプキンいらず⁉ 経血吸収パンツ3種をエディターが使ってみた
おすすめは、多重構造で漏れにくく、吸湿性も備えた「Period. (ピリオド)」。フロント部分に透ける素材を取り入れたエレガントなスタイル。吸水型サニタリーショーツはシンプルなデザインが多いので、ランジェリーともマッチするような洗練されたデザインのアイテムは珍しい。最大20mlの吸水が可能。
【デリケートゾーン】
デリケートゾーンを洗わない方が良いというのは、古い考え方。日本の女性はデリケートゾーンをケアするという意識が低いのだとか。デリケートゾーンは、体の中で一番繊細な場所なので、正しいケアをして、清潔に保つ必要がある。
デリケートゾーンをケアするメリット
デリケートゾーンのトラブルのなかでも悩みの多い「かゆみ・ムレ・におい・かぶれ」をケアできるだけではなく、自分の体やデリケートゾーンと向き合い丁寧にケアすることは、自己肯定感の向上にもつながる。自分の体を知ることは、健康でいるためにも欠かせない。また、粘膜の乾燥が進行することで、血行も悪くなり、硬く弾力のない膣になってしまうけれど、洗ったあとにオイルで保湿することで、デリケートゾーンの乾燥も防げる。ケアすると、いつまでも粘液を分泌できる潤いのある体に!
デリケートゾーンの洗い方と注意点
デリケートゾーン用の刺激の少ないソープを使って、やさしく汚れを落として。中まで洗いすぎず、体と同じようにふつうに洗うのがポイント。ゴシゴシとタオルでこすったりせず、泡でふんわり洗うこと。また、中まで洗うと、からだに必要な常在菌まで殺してしまい、かえって菌に感染しやすくなり、カンジダや細菌が繁殖してニオイの原因になるので、気をつけて。
おすすめデリケートゾーン用アイテム
関連記事:【かゆみ・かぶれ・におい】デリケートゾーンのケア法と効果、おすすめアイテム12選
【セルフプレジャーアイテム】
自分の手で愛撫するセルフプレジャーの健康メリットが注目されつつあるが、女性のひとりHは恥ずかしいと考える人も多いだろう。しかしセルフプレジャーグッズは改良されていて、見た目もかわいく扱いやすいものが増えてきている。今の時代、体も心も自分から積極的にケアしていこう。
それぞれの使用方法については、この動画をチェック!
関連記事:セルフプレジャーグッズを編集部員が体感。音・質感・デザインこだわりの全12種をレベル・タイプ別に紹介【動画あり】
【セックスライフ】
「彼のことは大好きなのに、セックスが気持ちよくない……」と思っているけど、なかなか伝えにくい? 「我慢する」のではなく、自分も気分を高めて、快適なセックスライフにするために最新アイテムを取り入れて。
【不妊治療】
なかなか相談しにくい、不妊治療のこと。心身共にケアしてくれて、手軽に相談できるサービスやアイテムが海外を中心に開発されている。日本でも受けられるサービスもあるから、チェックしてみて!
minin
不妊治療を快適にする不妊治療アプリ。不妊治療経験があるスタッフが、3年にわたり不妊治療中の女性80人以上に取材を重ねて開発した、リアルな要望を余すことなく取り入れた体外受精サポートアプリ。
―主な機能―
・治療データを採卵周期と移植周期に分けて管理可能
・ホルモン値、卵胞のサイズ、採卵数など、不妊治療にとって大事な数値も簡単に記録できる
・イラスト機能で卵胞のサイズが一目でわかる
・不妊治療にかかる治療費が管理できる
・医師の言葉や夫への思い、治療中に感じた嬉しい気持ち、悲しい気持ちなどをアプリ内に記しておける
・不妊治療専門医に取材し、最新の情報をアプリ内で閲覧できる
kegg(ケッグ)
IT企業で活躍するクリスティーナ・カホジョヴァが、医師から毎日基礎体温とオリモノを指でチェックするようにアドバイスされ、排卵日を知る方法があまりにもアナログと驚いて開発したのがkegg。
頸管粘液(おりものの一部)の変化を生体インピーダンス法によってモニタリングし、妊娠に最適な状態になるタイミングを計ることができるデバイス。
アプリとセットで用いると、モニタリング結果から自分の排卵日や妊娠しやすい期間を知ることができる。
【産後】
Elvie
産後を快適にするグッズ、エルビートレイナー。エルビートレイナーは、妊娠および出産を経た女性などの骨盤底筋をトレーニングするためのスマートデバイス。
出産後の骨盤や膣の緩みについて悩む人が多いことに着目し、出産後の母体の骨盤底筋を鍛えることを目指す。
製品に内蔵された力覚センサーが骨盤の動きを測定し、データを専用アプリに送信。
製品とスマートフォン・タブレットはBluetoothで接続するため、インターネット接続の必要がないのもうれしい。
【更年期】
女性の誰もが悩むであろう"更年期"。最近注目を集めているのが、更年期による症状を緩和してくれるアイテム、メノポーズテックだ。
Genneve
医師またはナース・プラクティショナー(米国における看護師の上級職)に、動画チャットで相談できるサービス。 日本でもオンライン診断は許可されている。週末や平日夜間にも利用可能だから、忙しい女性にもうれしいサービスだ。
まとめ
フェムテックとは、テクノロジーで女性のヘルスケアとライフスタイルのサポートをしてくれるアイテムやサービスのこと。生理時のナプキンの蒸れによるかぶれや、出血の漏れの心配、デリケートな不妊治療に関すること、セルフプレジャーに対する抵抗など、女性の悩みや疑問を解決するサービスや商品によって煩わしいストレスが軽減されるのは、とても喜ばしいこと。
フェムテック商品を有効活用すれば、婦人科系の問題で生じるストレスに振り回されず楽しい毎日になるはず。そしてサービスの便利さに気づき、手放せなくなるかも。
まずはおすすめの商品を試し、その便利さや快適さを実感してみて! 利用者が増えることでフェムテック市場はさらに広がり、私たちのニーズを満たしてくれる商品がさらに充実していくはずだ。