26歳の時に結婚。28歳で娘を産み、38歳で離婚。その後再婚してもうすぐ6年。結婚経験が豊富(?)なせいか、結婚や離婚についての相談を受ける機会も多い。ウィメンズヘルスは未婚の読者が多いので、「結婚すれば幸せになれる」と信じている人もいるかもしれない。でも、私は「結婚=幸せ」ではないと思う。

正確には、結婚すれば、自動的に一生幸せでいられる、ということはないと考えている。結婚はいいものだ。絶対的な味方でいてくれる人が自分の親以外にもできて、子どもを授かればその存在自体が生きる喜びにもなる。結婚式の誓いの瞬間は、心の底から「この人を一生愛し続ける」と信じているに違いない。でもね、結婚しても幸せでいられるかどうかは、実は自分の努力や心の持ち方による部分が大きい。

30代、40代の既婚女性からよく聞くのは、夫への不満、セックスレスに夫の浮気、妻の恋愛願望(つまり不倫ね)。でも多くの場合、世間体を気にして表向きには幸せな夫婦を演じていたりする。これが幸せな結婚生活なのだろうか。

以前にも紹介した、カリフォルニア大学リバーサイド校のソニア・リュボミアスキー教授のポジティブ心理学の著書「幸せがずっと続く12の行動習慣」によると、万国共通で男女の恋愛感情は2年で冷めるという。相手のすべてが輝いて見えるのは最初の2年で、その後は相手に対する不満が芽生えてくる。

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1週間に一回しかデートできない恋愛関係ならまだしも、結婚生活ともなれば毎日顔を合わせ、頭ボサボサ、部屋着姿でゴミ捨てやら洗濯やらの家事をこなしていかなければならない。そんな関係性になれば、自分の思うように動いてくれない相手に対して不満が芽生えたり、キラキラして見えるほかの人に目移りするのも無理はない。

だからこそ、必要になるのは自分にとっての幸せの定義をきちんと考えることと、結婚生活を維持したいならば、相手への感謝の気持ちを忘れないこと。ある人は、夫の経済力を自分の幸せの基盤と考えるかもしれない。またある人にとっては、自分の生きがいである趣味をともに楽しめる相手こそが、最高のパートナーかもしれない。幸せのものさしは人ぞれぞれ。それを自覚することが、幸せな結婚を実現する第一歩だと思う。

そして、ひとたび結婚したならば、日々の幸福度は自分の心持ちひとつで変えることができる。経済力や家、仕事、パートナー、そういうものから得られる幸福は、自分の幸福全体のたった10%にしか影響しないということを忘れないで。

もうひとつ、私がこれから結婚する女性たちにいつも伝えているのは、結婚しても、出産しても、経済的な自立を失わない方がいいよ、ということ。経済的に自立できなくなると、結婚生活が破綻しようと、夫が浮気を繰り返そうと、離婚という選択をしにくくなる。逆に経済的に自立していれば、いつでも自分の人生を選択する自由がある

お互いに自立していて、一人でも歩いていけるけれど、二人だともっと人生が豊かになる。どちらかに寄りかかって生きるのではなく、でもどちらかが弱った時には支え合う。私にとって理想の夫婦像はそういう関係。

2度目の結婚のとき、私は「この人を幸せにしてあげよう」と決めた。
幸せは自分で作るものなのだ。

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Kiriko Kageyama
エル・グルメ編集長/ウイメンズヘルス編集長

『エル・オンライン(現エル・デジタル)』のファッションエディターを経て、フリーランスに。女性ランナーによる企画集団「ランガール」を設立。その後女性誌立ち上げやWebメディアの立ち上げを経て2017年にウィメンズヘルス』日本版ローンチ時から編集長に。2023年夏よりエル・グルメ編集長も兼務。趣味は料理を作って友人たちに振る舞うこと。