最近、瀬戸内寂聴さんの『はい、さようなら』(光文社)を読みはじめ、第1章の一行目から「おおっ!」と驚きました。そこに書いてあった見出しの言葉は

「生きるということは、わくわくドキドキすることです」


というもの。このコラムでも、自分がワクワクすることを常に持っておくと、毎日のご機嫌度が上がるということを書いてきましたが、瀬戸内寂聴さんにも「それでいいのよ」と、背中を押していただいた気がしました。

光文社 はい、さようなら。

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でも、私の考えでは「ワクワク」と「ドキドキ」はちょっと違うんです。ワクワクは、楽しいゴールが見えていて、純粋に楽しみな気持ち。ドキドキは、ゴールに不確定要素があって、楽しくなるかもしれないし、もしかしたらがっかりするかもしれない。そういう状態。

例えば、半年お付き合いしている彼とのデートなら、それはワクワクするだけですよね。でも、気になっている人との初めてのデートなら、ワクワクドキドキしませんか? なぜドキドキするかというと、デートしてみて、もしかしたら相性が合わないかもしれないし、自分がこうなったらいいな、と思う展開にならないかもしれない。自分のことを相手が自分と同じくらい好きかどうかもわからないし、彼がどんな人なのかもわからないから。


ワクワクvs. ドキドキ

私も仕事の中で、ドキドキするシーンが時々あります。ある方に、出演の依頼をしたけれど、受けてもらえるかどうかわからない。受けてもらえたら大成功だけど、もし受けてもらえなかったらすべてが白紙。締め切りは迫っている。自分が打てる手は打った。あとは相手のお返事を待つのみ……。こういうときは、本当に不安で心が落ち着かなくて、楽しい時間かというと、どちらかというと辛い。

でも、そんな時に気がついたのです。どうなるかわからない、ドキドキする状態だからこそ、期待通りに物事が運んだ時の喜びは、ワクワクの何倍も大きい。ワクワクの結果得られる喜びよりも、ドキドキの結果得られる喜びの方が、大きいのです。皆さんにも心あたりがありませんか?

そのことに気がついてからは、ドキドキ不安な状態になっても、「この先には大きな喜びが待っているんだ!」と自分に言い聞かせて、その不安な状態を楽しめるようになってきました。

あとは、もし期待した結果にならなかったとしても、きっとその先にもっといい結果が待っているに違いない! と信じきる(笑)。

人生は選択の連続。リスクがない、ワクワクするだけの道を選ぶか、リスクも伴うワクワクドキドキする道を選ぶか。私は常に、後者を選んでいたいな思っています。皆さんも、「あードキドキするー」って不安な時には、「この先には大きな喜びが待っているんだ」ということを思い出してみてください。そしてドキドキを楽しんで、人生をもっと楽しみましょう!

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Kiriko Kageyama
エル・グルメ編集長/ウイメンズヘルス編集長

『エル・オンライン(現エル・デジタル)』のファッションエディターを経て、フリーランスに。女性ランナーによる企画集団「ランガール」を設立。その後女性誌立ち上げやWebメディアの立ち上げを経て2017年にウィメンズヘルス』日本版ローンチ時から編集長に。2023年夏よりエル・グルメ編集長も兼務。趣味は料理を作って友人たちに振る舞うこと。