毎日のごきげん度を上げるために、以前このコラムでご紹介したのが、「ちょっと先にワクワクする予定を入れておく」ということ。今日はもう一つ、私がこの夏意識的に試してみて、とてもよかった「日常を面白くする方法」をご紹介します。

その方法とは、「いつもと同じ行動をとらない」ということ。

いつもの友だちと、いつもの店に行って、いつものメニューを頼んで、という時間はとてもリラックスできるし、人は慣れたものの方が考えなくて済むので、つい、「いつもの」に流れがち。でも、その「いつもの」の中に新たな発見や出会い、気づきがある可能性は結構低い。

Four front doors, numbered two, three, four and five and coloured red, yellow, blue and orange.
Tim Ridley


私も自分の週末が「いつもの」お決まりで埋め尽くされていることに気がついて、意識的にそれを変える実験をしました。

<いつもの私>

午前中に仕事のイベント→行き慣れた店でいつものランチ→いつものジムでひと汗→いつもの店をのぞいて→いつものスーパーで買い物をして帰宅→家で夕飯を作ってNetflixで映画でも観て寝る

<脱いつもの私>

午前中に仕事のイベント→20年前くらいに訪れたことがある気持ちのいいカフェで空間の気持ちよさを味わいながら、ワインを飲みつつランチして読書して涙する→ジムに行く前にインスタで見つけた友人のイベントへ行ってみることに→イベントで人生で最も感動するレベルの花束をもらい、満足度の高い買い物をし、イベントの打ち上げに誘われる→ジムもキャンセルしてほとんど初対面のみなさんとの打ち上げに参加。興奮状態のまま帰宅して気持ちよく寝る。(ついでにその居酒屋のメニューが気に入って以降私の得意料理入り)

上記の週末以外にも、地元のカフェで仕事をするにしても、訪れたことがない店、通ったことがない道を選択した結果、初訪問の店で面白い人に出会うなど、意識的に「いつもの」を変えたことで得たものは想像以上。

ついでにもうひとつ、毎日を面白くする簡単なテクニックをご紹介しましょう。それは、できるだけ「イエス」で答えること。10年ほど前の作品ですが、ジム・キャリー主演の『イエスマン』という映画があります。これは、全てに「ノー」で答えていた主人公が、ひょんなことから「イエス」と答えるようになると、人生がどんどん楽しくなり成功していくというストーリー。

イエスマン

イエスマン
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映画の主人公のように全てに「イエス」はなかなか難しいけれど、どうしようかな? と悩むようなお誘いの場合なら、とりあえず「イエス」と答えてみる。家でじっとしていたら、新しい出会いもないし面白いことは起こらないし、運だってひらけない。誘われたら、自分の体力が許す限り「イエス」と答えてみる。これも、最近意識していますが、イエスの先には必ず収穫があります。

とはいえ、毎日いつもと違う通勤経路を探し続けたり、違う店をまわり続けたり、友だちからの誘いを全部「イエス」で答えていたら、多分疲れてしまいます(笑)。そこでおすすめしたいのは、まずは週末のうち1日だけでも、ルーティンをひたすら壊して行動してみること。それ以外の日は、1日にひとつだけでも、「いつもと違う」何かを取り入れてみること。例えば、この服にはこのピアス、と決めている組み合わせを変えてみるだけでもいいんです。

そろそろ2020年の年間占いが特集される時期、「私は来年幸せになれるの?」とソワソワしている人もいることでしょう。でも実は、来年を楽しさに満ちたワクワクする一年にできるかどうかは、日々のとても小さな選択を変えることができるかによるところが大きいのです。「いつもと同じ」を選ばないことは、意識さえすればとても簡単。ぜひ試してみてくださいね。きっと面白いことが待っているから。

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Kiriko Kageyama
エル・グルメ編集長/ウイメンズヘルス編集長

『エル・オンライン(現エル・デジタル)』のファッションエディターを経て、フリーランスに。女性ランナーによる企画集団「ランガール」を設立。その後女性誌立ち上げやWebメディアの立ち上げを経て2017年にウィメンズヘルス』日本版ローンチ時から編集長に。2023年夏よりエル・グルメ編集長も兼務。趣味は料理を作って友人たちに振る舞うこと。