疲労の原因、ビタミンB不足を解消する7つの料理
今夜試したい7つのレシピ。
慢性疲労を克服したくて色んな方法を試したけれど、どれも効果がないみたい。
十分に寝ているし、呼吸エクササイズでストレスも減った。水もたっぷり飲んでいるから、これが脱水症状なんてありえない。
どうしてだろう?
その原因はビタミンB不足にあるかもしれない。ビタミンAとCはともかくとして、Bを摂るべき理由は知らないんじゃないかな?
実はビタミンBこそが、夕方のスランプを克服するだけでなく、うつ病を回避して、健全な体重と注意力を維持する秘訣。
その理由をイギリス版ウィメンズヘルスから説明しよう。
ビタミンBを摂るべき理由
それはビタミンBの種類によって異なる。ビタミンBには8種類あり、それぞれに独自のメリットがある。公認栄養セラピストのハンナ・アルダーソン氏が、その違いを教えてくれた。
1.ビタミンB1(チアミン)
「ビタミンB1は、神経系機能と神経伝導に不可欠。能動輸送という作用によって小腸に吸収されるけれど、この作用はアルコールによって抑制される。よって、お酒をたくさん飲む人には不足する可能性が高い」
2.ビタミンB2(リボフラビン)
「ビタミンB2は、数々の代謝反応に不可欠。可視光線と紫外線によって簡単に破壊されてしまうので、ビタミンB2を含む食品(詳しくは後程)は必ず直射日光の当たらない場所で保管すること」
3.ビタミンB3(ナイアシン)
「ナイアシンは、厳密に言うとビタミンじゃない。でも、体内でトリプトファンという必須アミノ酸(タンパク質を構成するもの)から合成されるため、タンパク質が豊富な食生活を送っていれば、まず不足することはない。ナイアシンは、神経系と皮膚の健康を守ってくれる」
4.パントテン酸
「パントテン酸という言葉は、『どこにでもある』を意味するギリシャ語の『パントス』から来ており、文字通り、ビタミンB5が豊富な食材の数々に含まれているため、不足することは稀。補酵素A(コエンザイムA)の通り道の一部を担い、脂質、神経伝達物質、ステロイドホルモン、ヘモグロビンの合成に関わっている。本質的に、このプロセスが食品からのエネルギーを体に吸収されやすくしている」
5.ビタミンB6(ピリドキシン)
「ビタミンB6には、トリプトファンをセロトニン(ご機嫌ホルモン)に変換し、グリコーゲンをグルコースに分解することで、血糖値とムードを安定させるという重要な役割がある。喫煙者および経口避妊薬を飲んでいる女性に不足しやすい」
6.ビタミンB7(ビオチン)
「ビタミンB8やビタミンHとしても知られるビタミンB7は、エネルギー代謝、脂肪酸合成、髪と爪の健康を促進するのに欠かせない」
7.葉酸
「子作りの予定があるなら、妊娠前と妊娠初期に少なくとも1日400mcgの葉酸を摂取して、神経管欠損症のリスクを減らそう」
8.ビタミンB12
「ビタミンB12不足は、巨赤芽球性貧血や神経障害につながることも。ビタミンB12は、赤血球の生成と、食品に含まれるエネルギーの放出にも関係しており、これが全て足りないために疲労を感じることもある」
ビタミンBが不足すると何が起きる?
端的に言えば、前述のメリットが一切得られなくなる。アルダーソン氏いわくビタミンは、正常な代謝機能を保つため、少量ずつ体に取り込まれる有機化合物。体内では作られないので、食事から摂る必要がある。
アルダーソン氏の話では、「ビタミンB複合体は水溶性(ビタミンCと同じ)で、3つのカテゴリーに分けられる」そう。「エネルギー放出に影響を与えるもの、血球新生に影響を与えるもの、そして代謝作用に影響を与えるもの。このうちのどれかが実際に影響を受けているとすれば、それはビタミンB不足の明らかなサイン」
いつも疲れていたり、うつ病のような状態に陥ったり、肌が荒れたり、あごにニキビができたりするのも、ビタミンB不足の症状。
「でも、ビタミン不足を確実に調べられる方法は血液検査だけなので、勝手な思い込みはNG」とアルダーソン氏は注意を促す。
ここまで読めば、ビタミンBの摂取量は多ければ多いほどいいと思うかもしれないけれど、それがそうとも限らない。
「ビタミンB不足がうつ病や気分障害に関連するのは確か」と話すのは、英キングスカレッジ・ロンドンのメーガン・ロッシ博士。「でも、ヴィーガン以外の人にビタミンBが不足するのは稀」
しかも、「ビタミンBを必要以上に摂ったところで、メンタルヘルスが改善することはない」。他のメリットについても同じことが言える。つまり、ロッシ博士が言うように、「何でも多ければ多いほどいいとは限らない」ということ。
ビタミンBが豊富な食材
アルダーソン氏によると、各種ビタミンBを摂取するには以下の食材がおすすめ。
・ビタミンB1(チアミン):全粒穀物、フラックスシード、タヒニ
・ビタミンB2(リボフラビン):マーマイト、乳製品、アーモンド
・ビタミンB3(ナイアシン):牛レバー、マグロ、ひまわりの種
・パントテン酸:子牛のレバー、レンズ豆、ピーナッツ
・ビタミンB6(ピリドキシン):ジャガイモ、バナナ、プルーン
・ビタミンB7(ビオチン):レバー、大豆、卵黄
・葉酸:豆類、葉物野菜、柑橘系のフルーツ
・ビタミン12:動物性食品(内臓肉や魚)
「ヴィーガンなら、植物性の強化ミルクや酵母エキスを食生活に加え、ビタミンB12が不足しないよう人一倍意識的に努力して」とロッシ博士は続ける。
「植物ベースの食生活を送っているなら、絶対にビタミンB12を補わないと。スピルリナ、味噌、ヴィーガン製品に含まれるビタミンB12は、基本的に不活性類似体(性質は似ているけれど構成は異なる物質)なので、残念ながら人体には無効。1日10~25mcgのサプリメントを飲んだ方がいい」
ビタミンBが豊富な7つのレシピ
ビタミンB不足を心配するあなたのために、ビタミンBたっぷりの食材を使った7つのレシピをご紹介。たくさん作って冷凍しておけば、ちょっと元気を出したいときに、いつでもすぐ食べられる。
バナナ&アーモンドグラノーラのクラスター
バナナやアーモンドといった栄養たっぷりの材料で作るクラスターボウルは、一杯で元気が出る朝食にも、食べ始めたらやめられないスランプ対策のスナックにもなる。多めに作って保存しておくのがオススメ。
シャクシュカ
忙しくて料理する気になれないときは、フライパンひとつでできるシュクシュカを。卵にはビタミンBが豊富だし、ひとつかみのホウレン草やシードを加えれば、ビタミンBがさらにアップ。ひと切れの全粒パンを添えて召し上がれ。
かわいいピンクのスムージーボウル
朝からジムで汗を流す人には、必須栄養素が一度に摂れるスムージーボウルがオススメ。ミルクに含まれるビタミンB12が血圧を正常値に戻してくれる。フルーツと一緒にプロテインを加えれば、筋肉の回復も早まる。
チーズ&リーキのフリッタータ
朝はチーズがNGだなんて、誰が言った?疲労と戦うビタミンB12いっぱいのフリッタータで、朝の体をスッキリ目覚めさせよう。チーズ風味は朝食にピッタリだけれど、サラダを添えれば昼食にもなる。
パレオピザ
午前中が忙しすぎると、ランチの後はデスクに戻りたくなくなる。そんなときに摂取したいのが、不安とストレスを和らげるビタミンB5。シンプルなパレオピザで必須ビタミンをカバーして、ついでに元気も取り戻しちゃおう。
ビーフシチュー
牛肉などの赤身肉には、ビタミンB6とB12だけでなく、脳を活性化するビタミンBも含まれている。ニンジンやトマトといった野菜をビーフシチューに加えれば、多種多様のビタミンが一度に摂れる。
スモークサーモンのパテ
誰にとっても時間は貴重。週に一度は、スモークサーモンと数種類の食材をフードプロセッサーにかけ、超時短のパテを作ろう。ライ麦パンやお好みのクラッカーにたっぷり塗れば、ビタミンB12が神経を刺激して、集中力がアップする。
※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: Latoya Vanessa Gayle and Emma Pritchard Translation: Ai Igamoto