サプリメントを買う前に食事から摂取する方法をチェックして。
栄養学専門誌『Nutrients』に掲載された最近の論文によると、ビタミンB12不足はコレステロールと中性脂肪の数値を高くするという。ビタミンB12は、活力と耐久力の維持に欠かせない栄養素。十分(1日2.4mcg)に摂取したいなら、肉、魚、卵、乳製品を食生活に加えよう。今回はビタミンB12を摂取してほしい理由についてご紹介。
栄養学専門誌『Nutrients』掲載の研究結果によると、ビタミン不足は循環器系疾患の危険因子に影響を与えるそう。この研究では、ビタミン12の体内濃度が脂質状態、つまりコレステロールと中性脂肪(血中の脂肪)の数値に関係していることが分かった。研究チームは、19~30歳の健康な女性341名から食生活、運動、体内のビタミン量に関するデータを収集した。その結果、ビタミンB12が少ない人は、BMI(肥満度指数)、腹部脂肪、全身の体脂肪率を考慮に入れても、総コレステロール、悪玉(LDL)コレステロール、中性脂肪の数値が高いことが判明した。
重要なのは、その理由。米オハイオ州立大学ウェクスナー・メディカルスクールに所属する公認栄養士のリズ・ウェイナンディ(今回の研究には関与していない)によれば、ビタミンB12が少ないと、血中のホモシステインというアミノ酸の量が増える。ホモシステインは、心臓周辺の動脈と静脈にダメージを与える可能性があるため、ホモシステインが多いのは、心疾患の早期発症のマーカーになるのだとか(2019年に発表された研究結果は、1日20分の中等度~強度の運動をする60歳以上の高齢者は、循環器系疾患の発症リスクが著しく低いことを示している)。
ビタミンB12は活力と耐久力に影響するので、ランナーやサイクリストは特に十分な摂取を心がけたい。1日あたりの推奨摂取量は、健康な成人で2.4mcg(マイクログラム)。妊娠中の女性には1日2.6mcgが必要になる。「肉、魚、卵、乳製品といった動物性食品を食べていれば、楽に満たせる数字です」と話すウェイナンディによると、ビタミンB12が不足がちなのはヴィーガン、ベジタリアン、胃腸疾患(吸収不良の可能性があるから)、一部の薬(高血糖用のメトホルミンや逆流症用の制酸薬)を服用中の人。
ウェイナンディが言うように、コレステロールと中性脂肪の数値が高くても、ビタミンB12のサプリメントを飲み始めるのは、病院でビタミンB12不足の診断を受けてから。それまでは食生活を見直して。また、ニュートリショナル・イーストを取り入れれば、ビタミンB12の摂取量が増やしやすい。
「心疾患のある人や心疾患を防ぎたい人は、全体的な食事内容に目を向けましょう。ビタミンB12だけでなく、ヘルシー/アンヘルシーな脂質の摂取量にも気を付けるべきですよ。フルーツと野菜の摂取量が多い人は、心疾患のリスクが低いことも分かっています。特定の栄養素だけでなく、全体を見るようにしてください」とウェイナンディ。
※この記事は、アメリカ版『Prevention』から翻訳されました。
Text: Elizabeth Millard Translation: Ai Igamoto
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