栄養士おすすめ! ナッツバター4選
自分に適したナッツバターはどれ?
不動の人気を誇るピーナッツバターに続き、ここ最近では、さまざまな種類(アーモンドやヘーゼルナッツ、マカダミアナッツ、ピスタチオなど)のナッツバターがスーパーの商品棚にズラリと並んでいる。
選択肢は増えたものの、栄養価が最も高い、良質なタンパク質が豊富なナッツバターはどれ?! イギリス版ウィメンズヘルスがすすめる4つのナッツバターをご紹介。
最もヘルシーなナッツバターはどれ?
「ナッツバターを順位付けするのは、野菜のランキングをつけるようなものです。どれも食べても健康に良いことには変わりありません」と話すのは、管理栄養士のケリー・グラスマン。
ナッツを食べると、糖尿病、心臓病、がんの予防になり、体脂肪を減らす効果まであることが、数多くの研究からわかっている。ナッツバターには、良質な脂質、タンパク質、食物繊維、ビタミンB、A、E、葉酸、亜鉛、マグネシウム、カリウムがバランスよく含まれている。
個人的なフィットネスの目標や栄養素のニーズを考慮すれば、自分に最も適したナッツバターを選べるようになる。どのナッツバターを買うべきか迷ってしまったときのために、それぞれのナッツバターのメリット・デメリットについて、グラスマンが詳しく解説してくれた。
ナッツバターの栄養成分表
ピーナッツバター(大さじ2杯あたり):エネルギー191kcal・脂質16.4g・炭水化物7.1g・糖質3.4g・ナトリウム136mg・食物繊維1.6g・タンパク質7.1g
アーモンドバター(大さじ2杯あたり):エネルギー196kcal・脂質17.8g・炭水化物6g・糖質2g・ナトリウム73mg・食物繊維3.3g・タンパク質7g
ひまわり種バター(大さじ2杯あたり):エネルギー197kcal・脂質17.7g・炭水化物7.5g・糖質3.4g・ナトリウム106mg・食物繊維1.8g・タンパク質5.5g
カシューナッツバター(大さじ2杯あたり):エネルギー195kcal・脂質17g・炭水化物9.7g・糖質3g・ナトリウム94mg・食物繊維1g・タンパク質3.9g
栄養士が推奨する「ナッツバターBEST4」とは?!
1. ピーナッツバター
「ピーナッツバターには、積極的に摂取するべき『一価不飽和脂肪』が豊富に含まれています」とグラスマン。
しかも、高タンパク質。基本的にどこのスーパーであれ、手頃な価格で買うことができるピーナッツバターは、家にストックしておいて損はない。
昔からあるだけに、数々の研究が重ねられているため、安心して食べられるのもピーナッツバターの利点。定期的にピーナッツバターを食べることで、心臓病や糖尿病のリスクが低下することは、多くの研究により繰り返し証明されているとか。
ピーナッツバターに豊富に含まれる栄養素は以下の通り。貧血の予防や、健やかな妊娠をサポートしてくれる「葉酸「や「鉄分」、筋肉の働きを正常に保つための「カリウム」、骨の健康や睡眠の質を高める「マグネシウム」、がんと戦い、肌を守る抗酸化作用が強い「ビタミンE」、免疫力をサポートする「ビタミンB6」や「亜鉛」など。
ピーナッツバターを購入するときは、原材料がシンプルなものを選ぶように。現在議論の的となっているパーム油(生産量の拡大に伴い、森林破壊などの問題を引き起こし、環境や動物、人権を侵害しているとして、物議を醸している)が使われているものもある。どのようにパーム油を消費していくべきか、自分の心に問いかけてみて。しかし、ほとんどのピーナッツバターにパーム油は使われていないとのこと!
2. アーモンドバター
アーモンドバターの栄養価はピーナッツバターとほぼ同じ。アーモンドバターの方が、値段が張るのが唯一のデメリット。
多様なビタミンを含有するアーモンドバターがもたらす健康上のメリットは、ピーナッツバターより少し多め。
「アーモンドバターにも心臓にやさしい一価不飽和脂肪が豊富に含まれており、1食分あたり3gと、ピーナッツバターより多く含有しています。健康に悪影響を及ぼす飽和脂肪は少ないので、金銭的に余裕があれば、アーモンドバターはおすすめです」とグラスマン。
アーモンドバターを塗ったりんごのスライスやセロリスティックは、ワークアウトの後に食べるスナックとしておすすめ。タンパク質と食物繊維、良質な脂質が組み合わさった理想な完全食だとか。
栄養たっぷりなアーモンドバター。しかし、アーモンド栽培に大量な水を使用している事実を忘れてはいけない(水不足を招く一因とされ、水使用量の削減への取り組みが行われているよう)。日頃から地球のことを考えて行動している人は、アーモンドバターに限定せず、ほかのナッツバターも取り入れるといい。
3. カシューナッツバター
「ほかのナッツバターに比べて、甘さがあります。これはカシューナッツの自然な甘みによるものです」とグラスマン。砂糖の摂取量を控えているけれど、甘いものが食べたい人にとっては、満足感が得られるナッツバターだといえるよう。しかし、グラスマンいわく「タンパク質が少なめ」というデメリットもあるみたい。
タンパク質を摂りたい人にとっては、カシューナッツバターは不向き。
カシューナッツバターをストックしておくのはいいけれど、特別な日や、甘い物がどうしても食べたいときに限定して食べるといいそう。
手頃な価格でなければ、タンパク質の含有量も少ないので、毎日のスムージーや料理に加える目的で使用するのではなく、特別な日の楽しみにヘルシーな一品として食べる方が好ましい。
参考までに。スライスしたりんごとバナナを入れたヨーグルトに、カシューナッツバターを加えるだけで、絶品デザートになるとか! 是非試してみて。
4. ひまわりの種バター
専門的に解説すると、ひまわりの種バターはナッツバターではなく「シードバター」。
イギリス人の半数がピーナッツやナッツ類に対してアレルギーがあると報告しており、1990年以降、ナッツアレルギーを患う患者数は、右肩上がりで増加しているとか。
「ナッツアレルギーがある人にとってひまわりの種バターは、最良の選択肢となります」とグラスマン。多数のメーカーから出ており、どれを買うべきか悩んだときは、砂糖が多く添加されていないものを選ぶといいそう。
ひまわりの種バターには、ビタミンEとAが豊富に含まれており、科学的研究によると、美肌を保つのに有効だとか。
1食分あたり100mgのマグネシウムを含有しており(4種類のナッツバターの中で最も多い)、炎症を抑える効果も得られるよう。
ただし、(4種類のナッツバターの中で)最もカロリーが高く、ナッツバターに比べるとタンパク質の含有量は劣るので、食べ過ぎないように注意して。
※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: Sara Faye Green Translation: Yukie Kawabata