ピーナッツバターの歴史は長い。最初に出たのは、歯応えのいいチャンキータイプと滑らかなクリーミータイプ。その後、時代のニーズに応える形で脂質と塩分を減らしたタイプが登場した。でも、さらにヘルシーといえるのは“パウダー状”のピーナッツバター。従来のピーナッツバターより低カロリーで、脂質に至っては85%も少ないそう。今回は、パウダー状のピーナッツバターについてアメリカ版ウィメンズヘルスからご紹介。

パウダー状のピーナッツバターとは

公認管理栄養士のエリザベス・ショーによると、パウダー状のピーナッツパウダーは、油を抜いたピーナッツを乾燥させてローストし、砕いて粉末にしたものを指す。食べるときは水を足すだけ。

従来のピーナッツバターとの違い

パウダー状のピーナッツバター大さじ2杯分の栄養組成は以下の通り。

カロリー:45kcal

タンパク質:5g

脂質:1.5g

糖質:5g

食物繊維:2g

糖類:1g

それに対して、従来のピーナッツバター大さじ2杯分の栄養組成は以下の通り。

カロリー:191kcal

タンパク質:7g

脂質:16g

糖質:7g

食物繊維:2g

糖類:3g

※上記はアメリカ版ウィメンズヘルスによる数値

タンパク質、食物繊維、糖類の含有量は似たり寄ったり。でも、脂質はパウダー状のほうが85%も少ない。カロリーを抑えつつ、ピーナッツバターならではの風味を味わいたい人にはピッタリ。

「パウダー状のピーナッツバターなら、しょっちゅう食べても脂質の摂りすぎになりません」と話すのは、ダイエットリゾート『ヒルトン・ヘッドヘルス』に所属する公認管理栄養士のリンジー・マーティン。

それ以外は、パウダー状のピーナッツバターも従来のピーナッツバターとあまり変わらず、タンパク質、葉酸、ナイアシン、ビタミンEを豊富に含む点でも同じ。


脂質の落とし穴

従来のピーナッツバターの脂質が完全に悪いというわけじゃない。ピーナッツバターに含まれているのはヘルシーな不飽和脂肪。この不飽和脂肪は満腹感を持続させ、食べすぎを防いでくれる。肥満学専門誌『International Journal of Obesity』に掲載の研究結果も、ピーナッツバターをはじめとする不飽和脂肪が豊富な食品を定期的に食べた人は18カ月で体重を平均4kg減らしたことを示している。

問題は、食べすぎてしまうこと。ピーナッツバターを前にすると「ほとんどの人はナイフでガッツリすくいます」とマーティン。「それでカロリーと脂質を摂りすぎてしまうんですね」

でも、ショーによると、脂質が圧倒的に少ない分、パウダー状のピーナッツパウダーを大さじ2杯使っても、従来のピーナッツバターと同じだけの満腹感は得られない。だから「満腹感をほかの食品で補って、あとで食べすぎることのないようにしてくださいね」


パウダー状ピーナッツバターの使い方

これは本当に個人の好み。「私はパウダー状のピーナッツバター大さじ2杯を大さじ1杯の水で溶かして、トーストに塗っています」とショー。「パッタイなどの料理に使って香ばしさを出したり、ベーキングでピーナッツバターの代わりに使ったりすることもありますね」

一方のマーティンは、『PB2』というメーカーのパウダーでピーナッツドレッシングを作ったり、オートミールに風味を付けたり、スプレッドとしてパンに塗ったりしているそう。

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PB2 Foods, オリジナルPB2、粉末ピーナッツバター

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Credit: iHerb



ショーによると、パウダー状のピーナッツバターは低脂質だからこそ、ほかの脂質と併用するべき。「私も、パウダーを炒めものに入れるときは調理にオリーブオイルやゴマ油を使い、サンドイッチに塗るときは全脂肪のヨーグルト120gか牛乳120mlを添えて満腹感が得られるようにしています」

パウダー状ピーナッツバターを買うときの注意点

パウダー状のピーナッツバターの原材料は、基本的にピーナッツと塩の2つだけ。でも、買う前に添加糖の量を確かめて。ほとんどのパウダーには甘さを出すための添加糖が1gほど含まれているけれど、それ以上は有害無益。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Marissa Miller and K Aleisha Fetters Translation: Ai Igamoto