一番ヘルシーなランチってなんだと思う? 答えは、“常識の範囲内で”、いまのあなたが食べたいもの。言い換えれば、特定のサンドイッチ、ラップやサラダである必要はないということ。ヘルシーなランチに、それほどの決まりはない。
今回は、ヘルシーなランチを作るうえでのポイントや外でランチを買うときのアドバイスをイギリス版ウィメンズヘルスのシニアエディターが指南!
一番ヘルシーなランチって?
むしろ、ヘルシーなランチを作るうえで大事なのは、体と脳の燃料となるヘルシーな主要栄養素(糖質、脂質、タンパク質)と微量栄養素(ビタミンとミネラル)をバランスよく取り入れること。
だってランチをとるのは、忙しい午後を乗り切るのに充分な満足感とエネルギーを得るためだから。
ダイエット中のランチにはなにを食べるべき?
ランチに気を使うだけで健康的に体重が減らせるとは限らない。安全でサステナブルなダイエットは、小さな行動の積み重ね。栄養管理、有酸素運動、筋トレ、安眠、ストレス管理の1つひとつに重要な役割がある。
でも、体重を減らしたい人やキープしたい人は、ランチタイムの糖質をお皿の4分の1程度に抑えてみよう。オープンサンドイッチを選ぶのも◎。
タンパク質には、鶏むね肉かサバかツナを。プラントベースの食生活を送っているなら、前日の夜にレンズ豆やヒヨコ豆の水を切っておこう。そうすれば、翌朝サラダに乗せるだけ。
冷凍の野菜ソーセージなどの代替肉は便利かもしれないけれど、添加物が多いので使わないほうがいい。どちらかというと、豆腐スライスのほうがベター。そして、イギリス国民医療サービスNHSに所属する総合診療医でヘルシーフードブロガーのチンタル・パテル医師によると、ランチの半分は野菜にするべき。
半分が野菜だなんてなんだか気が遠くなる。でも、やってみると結構カンタン。「ひとつかみのホウレン草と冷凍のグリーンピースを市販のスープに入れるだけでいいですよ」とパテル医師。
それ以外に知っておくべきことは?
トッピングは、食材の多様性、ランチの風味と栄養価を高めるチャンス! 「サラダには大さじ1杯のシードか少量のオリーブオイル、新鮮なハーブを乗せてみましょう」と話すのは、腸の健康のスペシャリストで栄養士のローラ・ティルト。「サンドイッチにはザワークラウトを挟み、カレーやダールには大さじ2~3杯のケフィアかヨーグルトを入れてみるといいですよ」
ランチで腸をいたわるためには?
自分で作るにせよ買うにせよ、ランチでは腸のことも考えたい。「体の栄養ニーズを満たすためには、幅広い食材を使うことが大切です」と話すティルトは、腸内フローラの多様性を高めるために、1週間で30種類の植物を摂取するよう勧めている。
インスタで映えるほどカラフルにする必要はないけれど、ランチタイムに頑張れば、1週間で30種類の目標が達成しやすくなるのは確か。
「パンでも、パスタでも、お米でも、穀物は全粒紛のオプションを選んでください」とティルト。「全粒穀物に含まれる食物繊維は、腸内フローラを元気にして、血糖値を安定させてくれますから。それが午後の活力にもつながります」
レトルトの玄米ご飯でラクするもよし、前日の夜に多めに炊いて節約するもよし。
最高にヘルシーなサンドイッチを作るには?
サンドイッチがアンヘルシーだと思っているなら、ここで誤解を解いておこう。パンは決して悪者じゃない。全粒粉タイプなら、ヘルシーで栄養の偏りがない食生活にしっかり貢献してくれる。
それでもサンドイッチがランチの女王といえないのは、野菜の器としての技量がサラダほど高くないから。
サンドイッチにはサラダを丸ごと挟めないので、サンドイッチで同じだけの野菜を摂るなら、いろいろ刻んでサラダを別に作ることになる。
「ミニトマトの1食分は7個です」とティルト。「キュウリとニンジンなら5cmですね」
外でランチを買うのはヘルシー?
外でヘルシーに食べようとすると、なぜか決まって高くつく。パンデミック前、オフィスで働く一般的なイギリス人のランチ代は年間1580ポンド(約26万円)だった。ロンドン人に至っては4000ポンド(約66万円)。
なぜ私たちは、これだけの大金をはたいてまで外でランチを買おうとするのか? それは、そのほうが便利だから。でも、コンビニやファストフード店で食品を買うときは、分別を失わないで。
「“ヘルシー”と書かれたインスタント食品の大半は、それほどヘルシーじゃありません」とパテル医師。「インスタント食品では、栄養素密度よりカロリー量が重視される傾向にありますから。パッケージをパッと見ただけでは分かりませんが、インスタント食品には添加糖類と塩分も多めです」
コンビニやファストフード店で深夜1時に買うものが全部悪いといっているわけじゃない。「テイクアウト用のサラダや穀物入りのホットボックス(お米の上にいろいろな食材を乗せたもの)は、意外と食材や栄養の幅を広げてくれます。同じものばかり食べる人にとっては、とくによいオプションでしょう」とティルト。
「チリビーンズのホットボックスを自分で作ることもできますが、外で買えば、3種類の豆とアボカドどころか、コールスローとヨーグルトまでついてきます。逆にスーパーで枝豆、オリーブ、キムチなどのホットボックスの材料を買ってしまうと、1週間、同じものを食べることになりかねません」
※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: Roisin Dervish-O'kane Translation: Ai Igamoto