暑い夏を乗り切るには栄養バランスの整った食事が必須。

夏バテで食欲がなくなり、栄養不足に陥りまたバテる……。特に夏に向けてダイエットの追い込みをする人は毎年こんな負のスパイラルに巻き込まれてしまっているかもしれない。

「食欲がないときはどうしても冷たい物や咀嚼回数が少なくて済む麺類に手が伸びてしまいがちです。食べないよりは良いのですが、栄養バランスにも目を向けておかないとなかなかダイエットがうまく進みません」

炭水化物や脂質の代謝にはビタミンミネラルが必須。食べているのにエネルギーにうまく変換されないと体にも余計な負担がかかり、なかなか体調が優れない場合もあるとパーソナルトレーナーの林健太さん。

「また、タンパク質は消化にも時間がかかるため、本能的にも食べたくなくなり最も不足しやすい栄養素です。夏バテを引き起こす最大の原因にもなりますし、ダイエットや疲労回復も促進されません」

そんな時に林さんおすすめの夏バテ回復&ダイエット促進メニューがスパイスカレー。

暑い日でも比較的食べやすく多くの人が好むカレーにひと工夫して、夏バテ知らずの強い体でダイエットに取り組んでいこう。

①カレールウの卒業で余分なカロリーをカット
スパイスカレーでダイエット
twomeows//Getty Images

手軽なカレールウは家庭には欠かせない常備食の一つかもしれないが、実は余分なカロリーが隠されているという。

「ボリュームのある形にすることや口当たりを滑らかにするために、原材料のツートップが油脂と小麦粉のものがほとんどです。そのため一皿あたりで100kcal程度のエネルギーがあります。この分のエネルギーをタンパク質から摂ることができれば約25gと十分な量になりダイエットには向いています」

数々の便利な食品は、我々消費者が目を光らせて注意するべきポイントを読み解くことがダイエットには必要不可欠。油脂と小麦粉をカットして、カレーに必要なスパイスだけを使うことで大幅にカロリーカットが可能になる。

「スパイスカレーと言われるとハードルが高いように感じるが、セットになったものやレシピ付きのものなど通常のカレーを作るのと変わらないくらい簡単にできるものが多いので、ダイエット食のレパートリーとして常備しておくことをおすすめします」


②チリペッパーで脂肪燃焼促進

スパイスカレーに欠かせないのがチリペッパー。別名カイエンペッパーとも呼ばれるが、これは赤唐辛子を使った強い辛味のある香辛料。

スーパーなどではクミンなど数種類のスパイスを混ぜ合わせたチリパウダーも販売されており、風味付けと辛味アップには欠かせないスパイス。

唐辛子に含まれるカプサイシンは辛み成分の元で、脂肪燃焼サプリメントとしても人気が高い。辛味が神経を刺激し、アドレナリンなど様々なホルモンが分泌されることで脂肪燃焼やエネルギー代謝が促進される。

「辛い物を食べたときに発熱や発汗を感じるのはカプサイシンの効果です。辛い物が得意な方はチリペッパーの量をうまくコントロールすることでもダイエット促進に繋がります。ただし、刺激の強いスパイスなので使いすぎには注意が必要です」

それ以外にもカプサイシンは血糖値をコントロールしたり腸内細菌叢を改善することも分かっている。ダイエットと腸内環境は密接に関係しているので、キノコのスパイスカレーなどは最高のダイエット食とも言えるだろう。

③お酒のお供はダイエットのお供
スパイスカレーでダイエット
Neha Gupta//Getty Images

カレーの黄色を作るスパイス・ターメリックは、ウコンとしても知られている。お酒のお供として注目を浴びたのは、ウコンに含まれる成分の一つであるクルクミンが肝臓の働きをサポートしてくれるから。

肝臓=お酒のイメージが強いが、字の通り体の中でも肝心な臓器。肝機能の改善や向上はダイエットにも非常に重要だ。

「クルクミンは肝臓で作られる胆汁の分泌を促進することで、十二指腸でのタンパク質や脂質の消化を間接的にサポートしてくれます。また、ポリフェノールの一種なので抗酸化作用が強く、免疫機能向上にも効果が期待できるので、運動後の疲労回復にも効果的です」

肝臓にストレスがかかるとエネルギー代謝も低下し、体重減少にも歯止めがかかる。旬の野菜は抗酸化ビタミンなどの栄養価も高いので、夏野菜のスパイスカレーでしっかりと疲労を回復させて、ダイエットによる夏バテを防ごう。

④ライスで血糖値をコントロール

スパイスカレーでダイエットをする上で欠かせないのがライスの存在。林さんによると、このライスの選び方でもダイエットが促進されるという。

ダイエット中の人であれば普段のごはんをビタミンミネラルの多い玄米に変えているケースも多いだろうが、他にもダイエットに向いたお米があるという。

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「スパイスカレーと非常に相性がいいジャスミンライス(タイ米の一種)やバスマティライスは、通常の白米と比べて粘り気を出すデンプンが少ないためGI値が低いです。特に外食でスパイスカレーを食べる時は、ナンよりもライスを選ぶことで血糖値をコントロールすることができ、午後からの仕事のパフォーマンスアップにも繋がります」

日本ではジャポニカ米が主流だが、世界ではこれらのインディカ米が主流。味に抵抗がある人もいるかもしれないが、カレーと合わせれば意外と気にならない上に、冷えても美味しく食べられる。

ご存じの通り、お米は一度冷ますことで一部はレジスタントスターチという食物繊維のような働きをするデンプンに変わる。

家庭の炊飯器でも簡単に炊けるので、スパイスカレーと合わせて是非試してみてはいかがだろうか。

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林健太
NESTA公認トレーナー SIXPADオフィシャルトレーナー

 幼少期よりプロレスラーに憧れ、中学生の頃からジムに通い始め、高校・大学はアマチュアレスリング部に所属。
 卒業後、一度は就職するもプロレスラーの夢を諦めきれず2011年プロレスリング・ノアに入門。練習中の怪我により
 選手としてデビューすることはできなかったが、トレーニングを続けることで心身のモチベーションを維持し続けたことがきっかけでトレーナーとしての活動を始める。
インスタグラム: www.instagram.com/kenta_0327_/