スムージーにはフルーツや野菜がふんだんに盛り込まれているからといって、それが栄養面において絶対的な正解というわけではない。グリーンスムージーですら、主要栄養素のバランスが取れていないこともあるそう。自家製であれ市販のものであれ、お気に入りのブレンドスムージーに不要なカロリーや糖、脂肪が隠れているかもしれない。イギリス版ウィメンズヘルスから詳しく見ていこう。


朝食にスムージーを飲むのはヘルシー?

答えはイエス。「スムージーはタンパク質や炭水化物、ヘルシーな脂肪が含まれていて栄養バランスが良好であれば、ヘルシーな朝食になりうる」と話すのは、BetterThanDieting.comのクリエーター兼『Read It Bedore You Eat It - Taking You from Label to Table』の著者、ボニー・タウブ・ディックス医師。ジュースと違って、スムージーは野菜やフルーツから食物繊維を奪うことがなく、より満腹感をもたらすそう。

「スムージーはヘルシーな朝食になりますが、仮にシロップや多量のフルーツジュースが混ぜられていたとしても、スムージーは健康に良いものだと考えられるようになってきました」とタウブ・ディックス医師。「糖のおかげで一時的にやや活気が湧いたような気になりますが、その後まもなく空腹を感じるでしょう」

スムージーで満腹感を得つつ糖を減らすためには、毎食20-30gのタンパク質を摂取するべきだと、栄養士は推奨する。プロテインパウダーはスムージーでタンパク質を摂取するのに良い方法ではあるけれど、その場合糖分が皆無かそれに近いもの、人工甘味料が含まれていないものを選ぶようにしよう。

また、ベースにも気を配りたい。フルーツジュースには多量の糖が含まれ、タンパク質や脂肪は欠如している。代わりに、低脂肪乳や無糖で乳成分不使用のミルク(アーモンドやココナッツ、カシューなど)を選ぶようにしよう。これらは牛乳ほどのタンパク質はないが、ヘルシーな脂肪が含まれていて、空腹感を抑えることができる。

「私が気に入って使っているのは、無糖のアーモンドミルクです」とタウブ・ディックス医師。「1食あたりたった30キロカロリーで、カルシウムやビタミンD、Eも補えます。さらにはビタミンAの供給源で乳糖、グルテン、乳成分を含まないので、家族みんなで使えます」

ヘルシーな脂肪は無糖のナッツバターやヘンプシード、チアシードなどからも摂取できる。消化を助けるため、少し歯ごたえもある。「乳脂肪が2%のギリシャヨーグルトを少し加えると、カロリーを摂りすぎずにヘルシーな脂肪とタンパク質を取り入れられます。まろやかさやボリュームも加わり満腹感も増すでしょう」とタウブ・ディックス医師。

また、フルーツをスムージーにプラスするのも、砂糖を入れずに自然な甘味を出すのにおすすめの方法。でも入れすぎには注意。フルーツを入れすぎると血糖値が急激に上下してしまう。生のフルーツの代わりに冷凍のものを使っても、スムージーにとろみが出てまろやかになる。

満腹感と消化を促進するには、スムージーをストローですするのではなく、ボウルに入れてスプーンで食べるべきだと、タウブ・ディックス医師は推奨する。「満腹感のためには飲むのではなく、かんで飲み込む方が良いでしょう」と話すのはスタンフォード・ヘルスケアで臨床栄養士を務めるリー・グロッポ氏。ちなみに、食材を混ぜると栄養素の吸収率が上がるという証拠はない。混ぜあわさったものは体を素早く通過するだけで、普通に食べる場合よりも最終的に栄養素の吸収が少なくなる可能性があるそう。


グリーンスムージーはヘルシー?

もし野菜を食べるのが苦手なら、スムージーは好みの味で食生活に野菜を摂取できる良い方法。緑黄色の葉野菜を入れるとビタミンAとK、食物繊維をたっぷり摂取できるけれど、冷凍のカリフラワーやサツマイモ、ズッキーニなども同様にいい。さらに栄養価をアップさせるために、ターメリックや抹茶パウダー、アダプトゲン(ストレスなどへの抵抗能力を高める天然ハーブ)やシナモン、カルダモンのような体を温めるスパイスで味をプラスしてもいい。

「野菜嫌いでも、イチゴバナナ味のグリーンスムージーなら飲みやすいという人もいるでしょう。また、中にはフルーツの代わりにフレッシュなハーブを混ぜるのが好きな人もいます。個人の好みによりますね」とタウブ・ディックス医師。

けれどもやはり量には気をつけたい。グルッポ氏はダイエットを目的にする場合、おやつのスムージーは150kcal以内、食事の代替なら350kcal以内にとどめることを推奨している。体重維持を目指すなら、満腹感の得られるミール・リプレイスメント・シェイクとして500-600kcalまで摂取しても大丈夫。

スムージーがヘルシーな食事になることがわかったところで、ここからはスムージーがダイエットの妨害となりうるケースを解決方法と一緒にご紹介。

1.グラスが大きすぎる

大きなスムージーをゴクゴク飲むと得な気分になるかもしれないが、実は思っている以上の量を食べている可能性が。グルッポ氏いわく、スムージーの最適量は約230mlだそう。中にはグラノーラなどその他の食品を入れすぎているものもある。ただ実際は、そういったプラスαのものは必要ない。

解決法:230mlを計量し、余ったものは次回のために冷凍しておこう。

2.材料が多すぎる

多くのスムージーにはヨーグルト、ホイップクリーム、甘味料、シャーベット、アイスクリームが含まれカロリーがアップする。ボトルで売ってるスムージーやオーダーメイドのものでも、容易に1人分300-600kcalはあることも。「1ボトルまたは1パッケージが1食分だと思いこまないでください」とグルッポ氏。「成分表示を確認しましょう」

解決法:スムージーにナッツやシードバター、ココナッツオイル、アボカドなどが含まれていないか要チェック。これらは明らかにカロリーが高くなる要因。もしスムージーをおやつにするなら1日のトータルカロリーに含むことを忘れないで。

3.甘味料が多すぎる

スムージーに甘さを感じるなら、糖分がたっぷり含まれている可能性がある。市販のものには炭酸ドリンクと同量の糖が含まれることが多いという。過度な糖は数時間後に疲れやすくなったり、怒りっぽくなったり、血糖値に異常をきたす原因となる。

解決法:スムージーにケールやほうれん草、きゅうりやズッキーニなどの野菜をしっかり入れるようにしよう。

4.スプーンを使っていない

スムージーの糖は、血糖値を急上昇させ、数時間後には疲労感と空腹を感じさせる原因にも。また、タンパク質やヘルシーな脂肪が欠如しているので、すぐに空腹に襲われる可能性も。

解決法:スムージーはストローですするのではなく、代わりにスプーンを使って食べよう。その上、ちゃんと座って食物を噛むと、体は満腹感を高めるホルモンを分泌するとグロッポ氏は話す。脂肪やタンパク質を加えることで満腹感が持続するそう。


5.タイミングが合ってない

体にとって糖分は1日のうちで異なる時間帯に処理する方がいい。アクティブであればあるほど、体は糖をきちんと処理して吸収する。きちんと吸収できれば、血糖値が急激に上昇することもなく、数時間後に疲労感や空腹に襲われることもない。スムージーを朝一番に飲む、あるいは食事の代替としている人もいる。

解決法:スムージーはトレーニング後に飲むのがベスト。そうでなければランチや体がもっともアクティブな状態の時に飲むようにしよう。タウブ・ディックス医師いわく、液体は固体よりも早く消化されるため、すぐに炭水化物やタンパク質、糖分が必要なトレーニング後の飲料として最適でしょう。

※この記事は、当初『Prevention』に掲載されました。
※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Tiffany Ayuda and Mandy Ferrieira Translation: Asami Akiyama

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