ディナーで満腹なのに、気がついたら大きなカップに入ったアイスクリームを半分以上食べていた……。そんなことがよくある人はしっかり聞いて。デザート用の別腹は実際に存在することが科学的に証明された。この内容をアメリカ版ウィメンズヘルスからご紹介。

豪ディーキン大学高度知覚科学センター長のラッセル・キースト教授によると、これは「感覚特異的満腹感」と呼ばれるもので、これこそが満腹でもデザートだけは食べられる理由。

キースト教授はオーストラリア版ハフィントンポストに対して「人間は、ひとつの料理を満腹になるまで食べると感覚特異的満腹感を覚えます。その料理はもう要らない、つまり満腹だと感覚的に知るのです」と説明している。

「この反応には感覚的に飽きること(素晴らしい風味で食欲をそそった食べ物がつまらなくなること)も関係しています。風味を感知するシステムがその食べ物の風味でパンクすると、私たちは食べるのをやめるわけです」

ところがそこに新しい風味が漂うと、再び食欲が湧いてくる

「スイーツは見た目も香りも良いですからね」とキースト教授。「さっきまで食べ物に飽きていたはずが、『美味しそう』という期待が新たな食欲を生み、デザート用の別腹を作ってしまいます。同じ食べ物が出されたら、もっと食べたいという気持ちにはなりません」

ノルウェーのLovisenberg Diakonale病院が発表した研究結果も、この理論を裏付けている。同病院によると、人間の胃は甘い物に含まれる砂糖に刺激されて反射的に大きくなるため、永遠に食べ続けてしまうそう。

シニアリサーチャーのアーノルド・バースタッドがノルウェー医師会誌『The Journal of the Norwegian Medical Association』に語ったところによると、満腹になってからデザートを食べれば通常の満腹感を意図的に操ることになる。

「甘いデザートの登場で満腹の胃にスペースができるのです」

食事で満腹になったら、デザートは見ないのが一番の食べ過ぎ予防法かもしれない。
 

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: Lucy Bode Translation: Ai Igamoto

Headshot of Nana Fukasawa
Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。