テニスは、有酸素機能の向上にもバランスの改善にも役立つオールラウンドなスポーツ。

公共施設やジム併設のテニスコートは意外と多く、最近ではネットでも予約可能。

フィットネスインストラクターのクリストフ・トンプソンによると、テニスは心臓、脚、臀筋の強化とスタミナの向上に役立つ。ラケットやボールがなくてもできるエクササイズと併せて、テニスのメリットを見ていこう。

テニスのメリット

テニスは展開が早く、さまざまな動作を組み合わせなければできない総合的なスポーツ。このスポーツを定期的に行うと、以下のエリアに改善が見られる。

・好気性運動能力
・嫌気性運動能力
・スピード
・体力
・パワー
・柔軟性
・バランス
・コーディネーション能力
・筋力

平均的なテニス選手の走行距離は1試合で5~8km、消費カロリーは1時間あたり約500kcal。テニスでは同じ動作が何度も繰り返されるため、太もも、お尻、おなか、腕が引き締まる。

でも、テニスをしないと、このような改善が見られないわけじゃない。特定のトレーニングやエクササイズをルーティンの一部にすれば、テニスコートに立ったときと同じような効果が得られる。

1.心臓が強くなる

テニスは、それなりの有酸素能力を要するスポーツ。適度な強度で30分の有酸素運動を週2回行えば、これと似た効果が得られる。

上半身と下半身を使うエクササイズ(ランニングやローイング)で、カロリーの消費量と効果を最大化しよう。

2.嫌気性運動能力が高まる

テニスでは、強度の高い運動を一定時間持続する能力(嫌気性運動能力)が養われる。テニスのラリーは平均5~7秒で鋭い動作の連続。ラリーとラリーの間では休めても25秒。

コートの外で嫌気性運動能力を高めたい人は、10秒間の全力疾走(距離にすると5~10m)と20秒の休憩を繰り返すシャトルランにトライして。

それに加えて、15~20分のインターバルトレーニングを週2回するといい。

3.筋力がついて、筋肉が引き締まる

上半身と下半身を強くして、各部位の筋肉を引き締めたい人は、プライオメトリックな(筋肉を伸ばして急に縮めるという動作を繰り返す)エクササイズを週2回するといい。

下半身エクササイズの例

①50cm間隔で低いハードルを5台並べる(コーンやほかのマーカーでもOK)。

②腕で勢いをつけて、両足を閉じたままハードルを跳び、着地したらすぐ次のジャンプへ。

③それが終わったら、今度は横向きでハードルを跳ぶ。1回目は右肩を前にして、2回目は左肩を前にする。

上半身エクササイズの例

①壁から3mほど離れて立ち、片足を前に出して両ヒザを軽く曲げる。両手でメディシンボールを持つ。

②メディシンボールを頭の後ろに持ち上げて、できるだけ強く壁に投げつける。

③跳ね返ってきたボールを1バウンドでキャッチする。

④ボールを取って投げるまでの間隔をできるだけ短くしながら繰り返す。

4.腹筋が強くなり、体幹が安定する

フォアハンドとバックハンドでボールを繰り返し打っていると腹筋が強くなり、体幹が安定してくる。

自宅やジムでは次のエクササイズにトライして。

①ドアノブか固定された頑丈な物にレジスタンスバンドを取り付けて、腰の高さに調節する。

②バンドと平行に立ち(右肩がドアノブ側)、バンドの端を両手で握り、ヒジを軽く曲げる。

③上半身と腕は、やや右に向いているはず。

④ドアノブから数歩離れて、バンドを少し張らせておく。これがスタートポジション。

⑤腕を伸ばしたまま体をグイッと左に捻り、ゆっくりスタートポジションに戻る。

⑥次のセットでは左右を入れ替え、体を右に捻る。


テニス肘とは?

スポーツにはケガがつきもの。テニス肘(正式名称:上腕骨外側上顆炎)は、前腕の筋肉と上腕の筋肉をつなぐ腱に炎症や損傷が生じてしまうこと。

テニス肘は使いすぎによるケガの一種で、久しぶりにテニスを再開したとき、プレイ時間が大幅に増えたとき、バックハンドのやり方が悪いときに起こりやすい。

テニスをしていなくても、手、手首、腕を繰り返し使う動作(スクリュードライバーやキービードの使用など)のせいでテニス肘になったり、症状が悪化したりすることがある。

サインと症状

テニス肘の主な症状はヒジの外側の痛みで、この痛みが前腕に伝わることもある。

痛みが生じるのは、なにかを握ったときや持ち上げたとき、ヒジを曲げたり伸ばしたりしたとき、前腕を捻ったとき。

治療法

一番効果的なのは安静にしていること。でも、腱は治りにくいので、症状が何カ月も続く可能性はある。パラセタモールやイブプロフェンなどの鎮痛剤や抗炎症薬は、痛みの緩和に役立つかも。

2週間安静にしていても痛みが引かない場合は、総合診療医か理学療法士に相談を。

※この記事は、『Netdoctor』から翻訳されました。

Text: Kristoph Thompson Translation: Ai Igamoto