SIXPAD HOME GYM WAVER(インストラクター)として活動する尾高友里恵さんは、2021年7月に行われたサマースタイルアワードのビキニモデル部門で準優勝を飾った美ボディの持ち主。

2021年末に行われる同大会では優勝を目指しているそうだが、驚くことに普段は腹筋トレーニングを全くと言っていいほど行わないという。

「先日はじめてパーソナルトレーニングで腹筋トレーニングをやったのですが、数回しかできなくてトレーナーさんに驚かれました」

しかし尾高さんのウエストは、女性なら誰もがうらやむくらい薄くくびれた理想的なシルエット。

なぜ腹筋トレーニングをしない彼女がここまでの体を手に入れたのか。

「私が普段行なっていることは呼吸です。普通の呼吸とは少し違い、腹筋を意識するのでとてもきついです。でも、腹筋トレーニングをしなくてもくびれが手に入るということが証明できたと思います」

今回は、呼吸のみでウエスト53cmを手に入れた尾高さんに、その練習方法を聞いてみた。パーソナルトレーナーの林健太さんがトレーナー目線でポイントもまとめているので、運動嫌いの人も今すぐ実践してみては?

STEP.1 まずは凹ませる練習
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「息を一気に吸い込み、ヘソ下をグッと奥に引き込みます。肺に空気が入るので肋骨は開いても問題ありませんし、肩も上がって良いです」

呼吸を吸うときに使うメインの筋肉は横隔膜だが、意識的に吸い込むことのメリットをパーソナルトレーナーの林さんがさらに解説してくれた。

「呼吸を意識的に運動として行うことで、横隔膜以外にも外肋間筋や斜角筋、胸鎖乳突筋なども使い肋骨を広げ、胸郭のスペースを確保しようとします。肺にたくさん空気を入れ多くの筋肉をしっかりと収縮運動させることは、胸部の可動域を広げることにもつながるので肩こりや腰痛に悩んでいる方にもおすすめです」


STEP.2 更に息を吐いて締める練習

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「STEP.1でしっかりと吸った息を今度はすべて吐き切ります。その時に同時に広がった肋骨を締めるように行い、もう息が出ないというところまで全力で吐き切ってみましょう」

「通常息を吐く行為は、吸うときに収縮した横隔膜が弛緩することで受動的に起こります。意識的に吐くことで普段は使わない内肋間筋や腹筋を収縮させるので、ここでどれだけ頑張れるかポイントです」

林さんによると、ここで吐き切ることで腹筋がしっかりと収縮し、体幹をコルセットが覆っているような状態になるという。腹部を触り、しっかりと硬くなっていることを確認しながら行おう。

「ここまでを終えると腹筋や胸部の筋肉が強烈に収縮しているので、巻き肩&猫背になっているはずです。凹んだお腹と締めた肋骨をできる限り維持しながら胸を起こして肩を広げて姿勢を正してみましょう」

この呼吸腹筋を始めた当初、尾高さんが姿勢を正す時は肩を一度外回しして、耳の下に肩をストンと落とす意識をしていたそうなので、同じ意識でやってみると感覚がつかみやすいかも。

体の前面の縮んだ筋肉を、姿勢を正すことで引っ張るような感覚なので、これだけでも強烈な刺激が得られるだろう。

STEP.3 お腹を締めたまま空気を入れる練習(呼吸腹筋)

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最初はSTEP.2までを繰り返すだけでも十分だが、ここからが呼吸腹筋の最終ステップ。

「頭の上から紐で引っ張り上げられているようにイメージをして、おへそをさらに奥へと引き込みます。先ほどまでのステップですでにおへそを奥に引き込むことは難しいと思いますが、それでも引き込んでいく感覚が大切です。この動きを繰り返していきましょう」

尾高さんは、電車の乗り換え待ちなど少しの時間を使って実践しているそう。

「5分弱でもかなりきついと思います。中途半端な状態を長く維持するよりも、短い時間でも完璧を維持するほうが大切です。まずは信号待ちやテレビのCM中など、タイミングを自分で決めてやってみることをおすすめします」

preview for 呼吸腹筋のやり方3 横から

コンテストに向けて減量を繰り返していた尾高さんは、腕や脚は細くなっていくもののお腹周りだけが思うように痩せなかったという。

しかし、この呼吸腹筋を行うことでボディラインにメリハリがつき、一層細く見えるようになったそう。下の写真、左が以前の尾高さん、右が現在の尾高さん。

呼吸腹筋のやり方

「ウエストは食事と腹圧で作ることができます。最初の一か月は練習、そこから二か月続けることができれば、サイズダウンや姿勢改善など多くのメリットが得られます」

食事には気を付けているものの、忙しくてトレーニングの時間が確保できないという人には最適な呼吸腹筋。

実践前のビフォーの写真とウエストサイズを記録しておくと、努力が目に見えて感じられるのでやってみては。

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林健太
NESTA公認トレーナー SIXPADオフィシャルトレーナー

 幼少期よりプロレスラーに憧れ、中学生の頃からジムに通い始め、高校・大学はアマチュアレスリング部に所属。
 卒業後、一度は就職するもプロレスラーの夢を諦めきれず2011年プロレスリング・ノアに入門。練習中の怪我により
 選手としてデビューすることはできなかったが、トレーニングを続けることで心身のモチベーションを維持し続けたことがきっかけでトレーナーとしての活動を始める。
インスタグラム: www.instagram.com/kenta_0327_/