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カロリー表示の罠。高カロリーだけで避けるダイエットはもう終わり!

カロリー表示のルールについて、理解しておくことがダイエット達人への近道。

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nutritional information concept hand use the magnifying glass to zoom in to see the details of the nutrition facts from food , salad bowl
asiandelight//Getty Images

ダイエット中に避けるべき代表と言えば高カロリー食品。

揚げ物やジャンクフードなどはダメと分かっていてもついつい手が伸びてしまう。

もちろんそれらは避けるべき食品ではあるものの、高カロリー食品全てを避ける必要はないと語るのはパーソナルトレーナーの林健太さん。

「ダイエット中の方や健康志向が強い方は、食材を買う時に商品裏面を確認することも多いと思いますが、カロリー以外をチェックするという人は意外に少ないのではないでしょうか。

もちろん一番に目に入る数字ではあるものの、それだけを見て商品を判断しないで欲しいと思います」

ナッツやアボカドは周知の通り高カロリー食材。それでもダイエット食に最適と言われるということは、高カロリー食品=NG食品ではないということ。

つまり、カロリーだけでダイエットへの向き不向きを判断するのではなく、総括的に食品の本質を見極めることが重要。

今回は商品裏面のカロリー表示(栄養成分表示)に関する注意点や知っておくべき内容を林さんに教えてもらった。

食材には個体差がある

seamless food background made of opened canned food
OlenaMykhaylova//Getty Images

トレーニーにも人気が高いサバ缶やツナ缶。

栄養成分表示を見ると、高タンパク質だが高脂質。ダイエットに適しているものの、食べ過ぎに注意するべきことはそこからでも読み取れる。

しかし、それ以前に栄養成分表示を読む上で大前提として知っておいてほしいことがあると林さん。

「同じ商品でも原材料には個体差があるので、全商品が同じ数値にはなりません。魚や肉では個体差に加えて部位別の栄養差も考えられます」

特に食材の旬では栄養価も高くなるので、記載の数値とはズレが生じる。

野菜や果物も同様なので、菓子パンや清涼飲料など、俗に超加工品と呼ばれるもの以外は目安程度に捉えておこう。

重要なことは何から摂るか

cereal nutrition
Spauln//Getty Images

同じ栄養成分やカロリーでも、どのような食材から摂取するかは大切なこと。

糖質や脂質の表記はあれども、その詳細までの表示義務はないので読み取る力が必要だと林さん。

「同じ脂質量でも、原材料や調理工程で飽和脂肪酸やトランス脂肪酸などの含有量は変わります。その他にもビタミンやミネラルなど記載のないものにも気を配れると良いでしょう」

脂肪や糖質の詳細な分類や、ビタミン・ミネラルに関しては特別な場合を除いて任意表示となっている。そのため、同じ野菜サラダでも使用されている野菜により、微量栄養素にはかなり違いが出てくることもある。

「日々、レシピや原材料が変わる惣菜やお弁当には表示義務がありません。加工される前の食材がどんなものかをしっかり目で見て確認しましょう」

あくまで実験上の数値

close up of an unrecognizable medical practitioner explaining nutrition facts on digital tablet to patient
Oscar Wong//Getty Images

三大栄養素(エネルギー産生栄養素)にはそれぞれ定められた1g当たりの利用エネルギー量がある。

タンパク質と糖質は4kcal/g、脂質は9kcal/gであることは、ダイエッターやトレーニーにとっては周知の事実。

「これらの計算から栄養成分表示に表記をされているわけですが、これらの数値はあくまで物理的な燃焼による実験データに過ぎません。各個人の消化吸収率や排泄の頻度など、体質によっても変わってきます」

ダイエットにはアンダーカロリー(摂取カロリー<消費カロリーとなること)が最重要事項とも言われるが、どちらも体外での実験データでの話になる。

複数の栄養素が緻密に影響し合うことまでは考慮されていないので、単純にカロリーが太ることや痩せることに直結するとは限らないので安心して。

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分析機関を使っているとは限らない

diet cookbook on shelf with other books
Maartje van Caspel//Getty Images

栄養成分と聞くと、さも大掛かりな実験で導き出されるものかと思いきや、実際は必ずしも分析を行う必要はないそう。

「表示値の設定は、分析による場合と計算による場合の両方が認められています。原材料と使用量が分かれば、原材料メーカーからの情報や、文部科学省の日本食品標準成分表から容易に計算できます」

特に複数の食材が含まれており、少量で食品全体の栄養成分の判断が難しいものに関しては、より分析コストもかかってしまう。

「万が一、栄養成分表示がなくても様々な情報を利用することで、おおよそのカロリーなどは私たちでも予測計算ができます。表示だけを鵜呑みにする食品選びをやめることで、より堅実にダイエットを進めることができるでしょう」

誤差が認められている

woman comparing nutrition labels
Daniel Grill//Getty Images

「カロリーや三大栄養素(エネルギー産生栄養素)、ナトリウムなどに関しては±20%、ビタミンやミネラルに関しては+80%まで誤差が認められているものもあります」

私たちが影響を受ける正確なカロリー数や栄養成分を記載することは当然難しいが、ここまで誤差が認められているとは驚きかもしれない。

さらに、よく見る『この表示値は、目安です。』や『推定値』と記載されている商品、これに関しては上記の誤差の許容範囲も適用されない。

「栄養成分表示が義務化されたとはいえども、その精度に関してはまだまだ改善の余地があると言えます。国際的にもまだまだ遅れている点も多いので、まずは私たち一人一人が正しいダイエットの知識を身につけていくことが大切です」

この表示義務最大の目的は事業者への負担ではなく、消費者自らが健康の重要性を意識するため。

中身をよく知った上で商品選択に上手に役立てて、適切な食事と付き合う健康的なダイエットライフを送ろう。

Headshot of 林健太
林健太
NESTA公認トレーナー SIXPADオフィシャルトレーナー

 幼少期よりプロレスラーに憧れ、中学生の頃からジムに通い始め、高校・大学はアマチュアレスリング部に所属。
 卒業後、一度は就職するもプロレスラーの夢を諦めきれず2011年プロレスリング・ノアに入門。練習中の怪我により
 選手としてデビューすることはできなかったが、トレーニングを続けることで心身のモチベーションを維持し続けたことがきっかけでトレーナーとしての活動を始める。
インスタグラム: www.instagram.com/kenta_0327_/ 

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