運動しても、おなかの脂肪だけは減らない5つの理由
特に4つ目の理由には、いろいろと考えさせられるかも。
最も頑固な脂肪が付きやすいおなか周り。ジムでどんなに体を動かしても、おなかの脂肪だけは減らないときがある。
今回はおなかの脂肪が落ちにくい5つの理由をアメリカ版ウィメンズヘルスからご紹介。
残念ながら、なかなか減らないおなかの脂肪は健康に悪い。多くの専門家たちは、ウエストサイズがBMI(肥満度)よりも、身体組成と健康を測る指標に優れていると話している。肥満専門誌『The International Journal of Obesity』に掲載された2016年の研究では、BMIの健康的な数値を持つ人の30%が、インスリン抵抗性に悩まされ、血圧やコレステロール、炎症レベルが高いことが明らかになった。
つまり、あなたにとって得策なのは、おなかの脂肪を落とすこと。
今回は、どんなに運動で汗を流してもおなかの脂肪だけが減らない最大の理由を5つご紹介! おなかの脂肪を落としたければ、まずは原因を知ることが先。
1.ストレスがたまりすぎている
「ストレス関連の副腎ホルモンが分泌されると、体はますます余分なカロリーをおなか周りに蓄えるようになります」と話すのは、著書『Lean Habits for Lifelong Weight Loss』を執筆した管理栄養士のジョージー・フィアー。体が消費するカロリーよりもカロリーの摂取量を減らして体重を落とそうとする場合は、おなかの脂肪ではなく、体の別の部分の脂肪が落ちやすいとフィアーは説明する。カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究では、ストレスがたまっている女性は、健康的なBMIの数値を持っていたとしても、おなか周りの脂肪が多い傾向にあることを明らかにしている。
フィアーが言うように、今こそストレス管理をマスターするべき。日常生活の中でストレスの原因を特定し、手放したいストレスの要因や責任について正直に自分と向き合ってみよう。「ノー」と言っても良いことを、覚えていて。
2.腹筋トレーニングをしすぎている
スポットトレーニング(特定の部位だけに集中して鍛えること)には効き目がないということを、頭に入れておくべき。腹筋を鍛えるエクササイズは、体幹を強化する重要なエクササイズではあるが、腹筋の周りを覆っている脂肪を減らすことにはつながらないと話すのは、ニューヨークにあるフィットネスクラブ「SoHo Strength Lab」でトレーナーを務める認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト兼管理栄養士のアルバート・マシーニー。クランチやプランクはそこまで多くのカロリーを燃焼しないので、全身を鍛えるエクササイズにより重点を置くべき。
「運動で最大の効果を得るためには、一度に複数の筋肉群を使うエクササイズを行うことです」と、マシーニー。「筋肉量が増えるほど、燃焼するカロリーも増えて、おなか周りの脂肪を減らせるようになります」。効果的なエクササイズは、スクワット、デッドリフト、プッシュアップ、プルアップ、スラスタ、ローなどがおすすめ。
3.加工食品を食べ過ぎている
大半の加工食品に含まれているフルクトース(果糖)が多い食事をしていれば、腹部肥満になるリスクが増加する。なぜなら、マシーニーが言うように、果糖は代謝の面で他の糖質と大きく異なるから。フルーツにも果糖は含まれているけれど、1日にバナナを12本食べない限り問題ではない。ダイエット目的でフルーツの摂取量を減らしても、おなかの脂肪を落とす役には立たない。
代わりに、加工食品の摂取量を減らすべき。イギリス医師会雑誌『BMJ Journal』に掲載された2016年の研究によると、冷凍食品やお菓子、ソーダのような超加工食品が、アメリカ人が摂取している添加砂糖(特に、異性化糖)の90%を占めていることが明らかになった。
4.実は脂肪ではない
おなか周りの脂肪に不満を訴える女性のなかには、脂肪が原因ではない可能性もありえるとフィアーは説明する。体脂肪に関係なくデニムがきつくなる慢性鼓脹は、過敏性腸症候群、セリアック病、乳糖不耐症、その他の一般的な消化器系疾患や食物不耐症を含め、多くの女性にとって問題になっている。
膨満感を最小限に抑えるためには、お通じを改善する食物繊維が豊富な食事をとり、果物や野菜、豆類などをしっかり食べて、腸内細菌の健康を維持するようフィアーは提案している。「糖アルコールが加えられた甘い食べ物は避けましょう。おなかにガスを発生させる原因になります」。食後、あるいは1日中おなかの張りが治らない場合は、医師に相談し、原因を特定してもらうこと。
5.タンパク質が足りていない
体脂肪を落とすために不可欠なタンパク質。しかし、おなかの脂肪を減らすとなれば、タンパク質がなおさら重要になる。90人の女性を対象に行ったカナダのマックマスター大学の研究によると、タンパク質の摂取量が多い人は少ない人よりも体重が減り、おなかの脂肪に関しては2倍も多く減少している。なぜなら、高タンパク質の食事は、筋肉ではなく脂肪から先に落とすように体を後押しするからだと考えられている。つまり、マシーニーいわく、インスリンの感受性が改善する。
同研究では、タンパク質を多く摂取している女性は、総摂取カロリーの30%をタンパク質から摂取しており、これを多くの専門家たちが、体重を減らすのに理想的な割合だと信じている。1日に1,800kcalを摂っている人は、540kcalをタンパク質から摂取するといい。タンパク質の目標摂取量を決めたら、1日を通して毎食均等にタンパク質の摂取量を増やしていこう。
※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: K ALEISHA FETTERS Translation: Yukie Kawabata