脂肪を減らしてヘルシーになろうと、ダイエットのアドバイスを読んでいるのに結果が出ない。リサーチ会社「Mintel」がイギリス国内に住む2千名以上の成人を対象とした調査では、女性の57パーセントが 「去年ダイエットを試みたが失敗した」 と回答している。そこで今回は信頼あるエキスパートの面々が、最も効果的なダイエットのアドバイスをシェアしてくれた。
1.食べすぎてしまうものは遠ざけて!
冷蔵庫を整理する程度では何も変わらないと思うかもしれないけれど、管理栄養士のカレン・ベックの話では、これが実に効果的。食べると元気が出て気分が良くなるものを最も目につく棚に入れ、アンヘルシーな食べ物を奥に詰める。ついでにキッチンも掃除しよう。
米コーネル大学の研究では、キッチンカウンターにジャンクフード (ビスケットなど) を出している人は、食べ物を収納庫にしまっている人よりも体重が平均12キログラム多いことが分かったそう。
2.家の近くでワークアウトする
自宅周辺なら時間が節約できるだけでなく、5分しかなくても何かできる!
家の近くでタバタ式トレーニングをして、会社では階段を使ったり、1時間に10分は椅子から立って歩いたり。
1日たった15分でも運動すれば、寿命が何年も延びることを科学が証明しているそう。
3.食物繊維と脂質を加える
食物繊維と脂質の組み合わせが効果的なのには訳があるみたい。
食物繊維は、胃の中で膨張するうえに消化に時間がかかるので、満腹感が長続きする。食物繊維が豊富な全粒穀物、野菜、フルーツ (ジュースではなく丸ごと) などを重点的に食べよう。
オリーブオイルやナッツオイルは、控えめなら体に良いヘルシーな脂質。食べ物の風味や活力を高めると一方で、栄養素を体に吸収されやすくする。
管理栄養士で臨床神経科学者のミゲル・トリビオ=マテアスは、「炭水化物の中では、レンズ豆をはじめとする豆類がベストチョイス。でも、お米、ジャガイモ、ライ麦パンといったデンプン質のタンパク質も週6食分は摂るように」 とアドバイスしている。
4.分量を考え直す
「W1 Nutritionist」の設立者フィリップ・コイディスによると、「ダイエットをする人のほとんどは、自分が食べている量を過小評価することが研究によって分かっている」 そう。
「タンパク質は手のひら1つ分、野菜は握りこぶし1つ分、炭水化物はおわんに丸めた手1つ分、脂質は親指1本分」を試してみて。
5.しっかりした食事を1日3回とる
朝食、ランチ、ディナーという伝統的な食べ方をして、特にお腹が空く日には午前と午後に小さなスナックをひとつずつ。これでホルモンバランスが保たれるので、食べすぎることがない。
しっかりした食事を1日3回とる代わりに、小さな食事を1日5~6回とるという戦略もあるけれど、ダイエットには向いていないことが科学的に証明されているそう。
6.記録をつける
運動と食事の内容を日記につけて (夕食を作りながらのちょっとした運動もカウントされる)、ゴールまでの距離が分かるようにしよう。
米国予防医学ジャーナルに掲載された論文は、食事日記をつけると、ダイエットが2倍頑張れるようになることを示している。
心理学者のエマ・ケニーによれば、「何をどうして食べるのかをじっくり考えるということは、今すぐ直感で食べるのではなく、理性的で前向きな意図に従って食べるということ」
これで美味しい料理をひと口ずつ楽しみながら、マインドフルに食べられる。
7.有酸素運動にウエイトトレーニングを加える
体重を大幅に減らしたいなら、有酸素運動と筋トレを組み合わせるべき。
パーソナルトレーナーで「Eqxxs Training」設立者のニコラ・アディソンいわく、「定期的な筋トレで基礎代謝率が15パーセント高くなる。でも、複数の筋肉を狙うのがコツ」。スクワット、ランジ、プルアップ、デッドリフトがおすすめ。
8.最初に野菜を食べる
外食するなら事前にメニューをチェック。これで考え抜かれた賢い注文ができる。
トリビオ=マテアスは、「野菜ベースの前菜を選ぶ」 ようアドバイスしている。「腸内にヘルシーな細菌が増え、食物繊維で食欲が満たされるので、結果的に食べるデンプンや脂質の量が減る」
9.外出を楽しむ
外に出ると、自分の体に自信がつき、ヘルシーを基準に判断できるようになるという研究結果がある。
これは、“自然の中で自分の居場所を確保する” という人間の基本的欲求によるもので、時間とともに、よりヘルシーでハッピーな気分になってくるそう。
10.写真を飾る
ケニーによると、「ダイエットを続けるモチベーションになるような写真が手元にあるといい」 そう。
ゴールの設定においては視覚化が重要。健康的な体重時代の自分の写真でも、憧れのアスリートの写真でも、ゴールを達成したら着たい服の写真でもOK。
11.自分を賢く甘やかす
小さなおやつがあれば食事制限による “すべて奪われた感” が防げるので、好きなものを毎日少しだけ (150キロカロリー分程度) 自分にあげて。
この控えめな楽しみがあってこそ、一時的な “ダイエット” ではなく、一生続けられる “ライフスタイル” を築くことができる。
12.余分なものを取り除く
コーヒーに入れるミルク、料理にかけるソース、過剰なアルコール飲料はもちろんのこと、目の前に出された食べ物を何も考えずにつまむ癖も体重増加につながる。
トリビオ=マテアスいわく、「人工的に加えられた砂糖と甘味料は腸内細菌に悪影響を及ぼすので、体重が増えやすくなる (もしくは減りにくくなる)」
13.適量のタンパク質を摂取する
筋トレによる筋肉増強と脂肪燃焼をサポートするタンパク質に関して言えば、1.5がマジックナンバー。
自分の体重を1.5倍すると、1日に最低限必要なタンパク質の量になる。それを食事とスナックの回数で割り、毎回均等に摂取しよう。
14.十分な食事で脂肪燃焼とエネルギーのバランスをとる
エネルギーを補給して筋肉を回復させるために食べることと、体脂肪を落とすために食べることは、微妙に違う。
ジムでカロリーを消費すれば体重は減るけれど、必ずしもそれが一番のゴールである必要はない。運動による健康促進や、筋力と持久力の強化をゴールにしてもいいはず。
コイディスによると、「ダイエットをする人は、エクササイズすればするほど体重が減ると思っている。でも、人間の体には、ジムで消費されたカロリーを補う様々な機能があるため、運動による減量は最小限に抑えられる」 という。
「エクササイズからのリカバリーには、十分な睡眠、3つの主要栄養素のすべてを含む食事、水分補給が必ず必要」 であることも覚えておこう。
15.一時的な流行りに乗らない
混乱したら一歩下がって冷静になり、自分のボディタイプ、目標、ライフスタイルに合ったアプローチを考えてみよう。管理栄養士や食事療法士に相談すれば、最善のアプローチを一緒に見つけてくれるはず。
コイディスいわく、「短期的な解決策ではなく、現実的で長期的な変化を生活に加えることが大切」
「ヘルシーなライフスタイルを構築するカギは個々人が握っている。セレブや友達にとってヘルシーなものが、あなたにもヘルシーとは限らない。食べた物に対する体の反応を必ず書き留めておこう」
16.脱線しない
ゴールを達成するには、サポートと責任感が必要。
栄養士やサポートグループ、友人と定期的に会い、近況をアップデートするようにすれば責任感が湧くし、同時に心強いサポートと励ましがもらえるので脱線しない。
ひとりで長い道のりを行くつもりなら、「フィットでヘルシーになった自分の姿を明確に思い描く」 ようケニーは勧める。
「夢にまで見た気分を味わい、ヘルシーな体に感謝している自分を想像すること。つまずくたびにそうしていれば、きっと意志が強くなるから」
Text: Women's Health, extra words by Aleesha BadkarTranslation: Ai Igamoto Photo: Getty Images
2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。