海外のTikTokで「シーモスジェル(海藻をペースト状にした食品)」がトレンド入りしたことで、海藻が”スーパーフード”として注目を集めている。古来から海藻を食べる文化が根付いている日本でも、腸活ブームによって海藻が見直され、「藻活(もかつ)」というワードが急浮上。そこで今回は改めて海藻の健康効果について、医学博士で管理栄養士の本多京子先生にお話を伺った。

(以下、「」内本多京子先生)

藻活とは?

海藻類を積極的に摂取して、健康的な体作りを目指す活動のこと。美容・ウェルネス関心層だけでなく、世界中のミレニアル世代やX世代の間で、緑藻や海苔を使った食品、海藻スナックが人気になっている。

海藻の栄養価

「海藻はローカロリーで食物繊維が多いのが特徴です。食物繊維にはねばねばした性質を持つ水溶性食物繊維と食べ物の噛み応えなどに関係のある不溶性食物繊維とがありますが、海藻にはその両方が含まれています」

太るのを気にしてご飯を敬遠するより、とろろ昆布のお吸い物やわかめの味噌汁を添えたり、海藻料理の副菜を添えるといった食べ方のほうがはるかに健康的といえそう。

海藻を摂るメリット

①便通を整える

海藻に含まれる不溶性の食物繊維はスポンジのように水分を含んで便をやわらかくして便通を助け、アルギン酸やフコイダンのような水溶性の食物繊維はコレステロールや塩分の排泄に役立つ。

②ミネラル類やビタミン類の供給源

ミネラルは体を動かしたり、体温を維持するなどのエネルギー源にはならないけれど、生命活動を維持するのになくてはならない栄養素。海で育つ海藻には、カルシウムやマグネシウム、カリウム、鉄、銅、クロム、ヨードなど様々なミネラルが含まれている。1回に食べられる量は多くないけれど、ミネラル類やビタミン類の供給源としては貴重な食材。

③ローカロリー

海藻は低カロリーでダイエット中の方にも人気の食材。 鉄、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルも豊富に含まれており、栄養満点なところもポイント。

④皮膚や髪の健康に

昆布やわかめ、ひじきなどに含まれるヨード(ヨウ素)は甲状腺ホルモンの材料になり、新陳代謝を盛んにして皮膚や髪の健康を保つ。

⑤抗酸化作用や汚染物質の排泄に

海苔やわかめ、ひじき、昆布にはβカロテン、青のりにはクロロフィル、わかめにはフコキサンチン(カロテノイド系色素)などが多く含まれていて、抗酸化作用や汚染物質の排泄に役立つといわれている。

「おすすめの海藻」5選

①わかめ

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Anna Blazhuk//Getty Images

水かみそ汁に浸すことで、脂肪細胞を燃えやすくするフコキサンチンという成分が放出されるという。美容に良い海藻といえばコレ。

②昆布

kelp
Gyro//Getty Images

ヨウ素が高濃度で含まれており、食物繊維もたっぷりなので、空腹感を抑えたい人にピッタリ。昆布からだしをとれば、お味噌汁などの風味が増す。

③ひじき

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flyingv43//Getty Images

ひじきは髪の健康維持に。30分ほど水につけて戻したら、だしやしょうゆ、みりんや唐辛子で味をつけ、白身魚に添えてみて。ニンジンとも相性が良い。

④青のり

okonomiyaki on griddle
DigiPub//Getty Images

塩の代わりに風味高い青のりで味付けを。オートミールで作るお好み焼きや炒め物、ゆでた野菜にふりかけて。

⑤のり

korean laver
hiroyuki nakai//Getty Images

タンパク質だけでなく、体に必要なビタミンやミネラルを見事にカバーしてくれる。すしはもちろん、サンドイッチの具材をのりで巻くのもおすすめ。

1日に取り入れる、海藻の推奨摂取量

水で戻したもの10~20g程度

「わかめの味噌汁、わかめの酢の物、ひじき煮などの海藻類の小鉢や簡単にとれる焼きのり、青のり、とろろ昆布などを毎日の食生活に加えるようにするとよいでしょう」

食卓に取り入れやすい! 海藻の活用術

・とろろ昆布やおぼろ昆布

「昆布を薄く切断してあるので消化されやすく、また、調理せずにそのまま食べられるので便利です。市販のお刺身をとろろ昆布やおぼろ昆布で包んで食べると昆布〆のような味わいで、うま味が増します。また、お湯を注げばインスタント澄まし汁が作れます」

・昆布のつくだ煮

「味付けの失敗がなくアレンジしやすいので続けやすいです。ひじきのように、水で戻してから調理する海藻は、ごくシンプルに何も加えずに薄味で煮て保存しておき、酢の物や炒め物、卵料理などに少しずつ加えるとよいでしょう」

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お話伺ったのは……

本多京子(ほんだ・きょうこ)先生

医学博士 管理栄養士

実践女子大学家政学部食物学科卒業。東京医科大学で医学博士号を取得。日本体育大学では「子供の食と栄養」を35年間担当。NHK「きょうの料理」をはじめ、健康と栄養に関するアドバイスやレシピを多数提供。テレビ、雑誌、講演など幅広く活躍。現在、NPO法人日本食育協会理事。

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Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。