ご存じの通り、健康的な食生活は幅広い食べ物と栄養素から成るけれど、その中でも特に頻繁に食べている物がいくつかあるはず。例えばアボカド。潰してワカモレにしたり、朝食のトーストに塗ったり、チョコレートと混ぜてプディングにしたりと汎用性が非常に高い。アーモンドに代表される各種ナッツも、植物性のバターやミルク、小麦粉の代用品などに使われている。

ただ、このようなヘルシーフード、体にとっては文字通りヘルシーだけれど、地球にとってはそうじゃない。

一部の定番食品の過剰消費は環境に破壊的な影響を及ぼしている。その主犯格と言える食品は以下の通り。イギリス版ウィメンズヘルスから詳しく見ていこう。

肉が環境に与える負荷は広く報道されている。国連食糧農業機関の報告によると、畜産業はいまや食品から発生する温室効果ガス総排出量の50%、そして世界の温室効果ガス総排出量の18%を占めている。

世界的な食品会社の主要投資家たちは現在、この業界に対して“植物タンパク源の多角化”を呼びかけている。畜産業の投資機関ネットワークFarm Animal Investment Return & Risk(FAIRR)創設者のジェレミー・コラーも「徹底した家畜生産による環境の汚染度は、いまの時点でもう高すぎます」と警告する。

これからは、黒豆やピープロテインで必須栄養素のニーズを満たして。

アーモンド

ミルクにしても、バリバリ噛んでも、パンに塗ってもおいしいアーモンドが特別な存在であることに異論はないはず。他のナッツよりタンパク質、食物繊維、カルシウム、ビタミンEが豊富なアーモンドは、1日中活躍する究極のヘルシースナック。でも、私たちのアーモンドへの執着は生態系に大きな負担をかけている。

米国地質学会の調査結果によると、カリフォルニア州ではアーモンドを育てるための土地が増えたことで水の需要量が27%増加した。干ばつという問題を抱える州にとっては痛い話。また、湿地面積を16000エーカー以上に広げたことで、すでに十分減少中のミツバチの個体数がさらなる危機にさらされている。

今週は、パンケーキに塗るバターナッツの量を少しだけ減らしてみない?

アボカド

アボカドの売上は2016年だけで39%アップした。でも、インスタグラムの写真に毎度のごとくアボカドトーストが添えられているのを見れば、誰だってアボカドの供給量は十分すぎるほどあると思う。ところが実際は、需要の増加で、全世界のアボカド在庫が底をつきそうになっている。

アボカドの収穫量の80%以上を占めるカリフォルニア州は、あなたのワカモレ人生に終止符が打たれてもおかしくないほど深刻なアボカド不足に直面中。一方のメキシコでは、高まる需要に応じようと生産者たちが貴重な森林や野生生物を違法に破壊している。かわいいアボカドの写真の裏には、こういった闇があるのだ。

キヌア

タンパク質が豊富なスーパー穀物のキヌアは、デビューしてから今日までずっと健康的な食生活の中心にいるけれど、この名声には代償が伴うみたい。

英国ではキヌアの売上が44%も増加しており、それに伴いキヌアの価格も高騰している。でも、この価格高騰によって、キヌアの主要生産地でありラテンアメリカでもっとも貧しい国に数えられるボリビアの住民は、自分たちが生計を立てるために栽培している穀物を自分たちが買えないという非常事態に陥っている。現在のボリビア人は、海外から輸入された安い食品に頼るしかない状態。

輸送距離が長ければ長いほど、環境に与える負荷が大きくなるのは当たり前(食品の輸送は世界の炭素排出量の11%を占めている)。みんなのことを考えて、キヌアの摂取は控えめに。

大好きな食べ物を完全に諦めてとは言わないけれど、私たちはみな、もう少しサステナブルな食べ方をしたほうがいい。体の健康と同じく、地球の調和を保つカギもバランスと節度にあるから。

※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Maxine Ali Translation: Ai Igamoto

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伊賀本 藍
翻訳者

ウィメンズヘルス立ち上げ直後から翻訳者として活動。スキューバダイビングインストラクターの資格を持ち、「旅は人生」をモットーに今日も世界を飛び回る。最近は折りたたみ式ヨガマットが手放せない。現在アラビア語を勉強中。