今、YouTubeをはじめとして日本中で大人気の「カエル足」。名前だけは見たり聞いたりしたことがあるという人も多いのでは? あのユニークな体勢や動きでどうして痩せることができるの?
今回は、『股関節ムーブ』の著者のmieyさんに、カエル足の効果、やり方とやる際に気を付けることを伺った。
<目次>
カエル足ダイエットとは?
カエル足とは、ヒザを開いてカエルのような姿勢でストレッチやトレーニングを行うことを指す。
反り腰の人が腹筋などトレーニングをする際、本来効くべき体の部位に力が入らずに腰を痛めやすい。でも、カエル足はヒザを開くことで骨盤の後傾がしやすくなるので、お尻の筋肉が使いやすくなったり、股関節が伸びやすくなることで筋肉の可動域が高まり、下半身が痩せやすくなる。
また、体の柔軟性がないまま、無理やり柔軟をすると股関節を傷める原因にもなるが、カエル足はヒザを開いて行うため股関節に負担をかけず、鍛えることができる。
カエル足の効果とは?
カエル足ダイエットの効果は、どのようなものがあるの? Mieyさんが教えてくれた主な効果は以下の4つ。
① リンパの流れがよくなる
四つんばいでカエル足を行うと内ももの筋肉を鍛えることができ、リンパの流れもよくなる。内ももを細くしたいという人は、四つんばいでカエル足にチャレンジしてみて。
② 骨盤のゆがみの解消
大殿筋の上部を鍛えることで、骨盤にくっつく仙腸関節(背骨と骨盤が交わるあたりにある)のゆるみが改善され、骨盤のゆがみも解消される。
③ ヒップアップや反り腰に効果的
足を閉じてヒップリフトをするよりも、カエル足で行う方が大殿筋の上部を鍛えることができる。大殿筋の上部を鍛えることで、骨盤のゆるみを締めることができ、反り腰改善につながる。
④ 尿漏れ対策
カエル足をしてあお向けでお尻を上げ下げする動きは、骨盤底筋を鍛えることにつながり、尿漏れ対策にもなる。
カエル足ストレッチ・トレーニング5選
今回は、編集部が選んだ5つのカエル足のストレッチとトレーニングをご紹介。
図を見ながらどこに効くのかを確認し、目標の秒数・セット数に取り組んでみよう。
① 骨盤の歪み解消! カエル足押し合いっこ
1と2を各20秒×2セット
1. あお向けでカエル足になり、手と内ももで押し合う
あお向けになり、足裏を合わせてヒザを開く。内ももに手を当て、息を吐きながら外側に押し、その力に負けないように足を閉じようとしたまま20秒キープ。2回繰り返す。
2. 手で外ももを押し、お尻ではね返す
今度は外ももに手を当て、息を吐きながら内側に押す。それに負けないようお尻とヒザに力を込めて太ももを開き、20秒キープ。2回繰り返す。
背骨と骨盤が交わるあたりにある仙腸関節のあたりにタオルを敷くとやりやすくなる。
② 下腹と内転筋を引き締める! カエル足キック
8回×2セット
1.あお向けになり、カエル足をつくる
あお向けになりひざを立てる。息を吐いて骨盤を後傾させ、腰と床のすき間をつぶす。脚を上げ、左右のかかとをつけてひざを外に広げ、脚でひし形を描く。息を吸ってスタンバイ。
2.ひざをピーンと伸ばす
息を吐きながら内ももに力を込めて、ひざを伸ばす。このとき、かかとはつけたまま、脚をそろえる。①と②を8回繰り返して。
・あごを上げたり腰を反ったりしない
腰は床につけておくこと。あごが上がると腰も反りやすくなるので注意。
・ 脚をそろえたまま下ろす。
②でけり出した後、「脚を下す」動きを追加。下腹がプルプルするほど負荷がアップ!
参照動画:「【カエル足で激痩せ】カエル足にするとお腹と脚が痩せる」
ここからは、mieyさんの動画を見ながらカエル足にチャレンジしてみよう。
③ 下腹部痩せに効果的! カエル足でレッグレイズ(07:17~)
30秒(8回)
1. あお向けになり、手は頭の下で腕を組んでおく。
2. 両足の裏はくっつけ、上半身は腹筋をするときのように軽く持ち上げる。
3. 足を上に上げ(足裏はくっつけたまま)、ヒザを開きながらゆっくりと下げる。そして閉じて元の体勢に戻る。繰り返す。
・ヒザをしっかり開いて下げ、かかとを床に近づけるイメージで行う。
・腰と床との間を開けないように注意!(腰を反らないように)
④ 大殿筋を効果的に使う! カエルブリッジ(08:32~)
30秒(8回)
1. あお向けになり、両足の裏をしっかりくっつけ、ヒザを開く。
2. ゆっくりとヒザを開いたまま、骨盤を後傾させ、ヒップリフトをする。
お尻の穴をしっかり締めてお尻を持ち上げよう。
⑤ 内転筋に効く! カエル足ストレッチ(09:54~)
30秒(8回)
1. 手を前について、腰は丸くならないようにまっすぐな姿勢をとり、ヒザをしっかり広げて床につく。
2. 後ろに軽く、お尻を引っ張り、前後に動くのを繰り返す。
背筋は、しっかり伸ばして行おう。
カエル足ダイエットの効果をより高める方法とは?
1. 腰椎マッサージ
カエル足のトレーニング後に重要なのはマッサージ。トレーニング後に筋肉の緊張を取ることはとても大切。
とくに腰の筋肉の緊張は骨盤が不安定になる原因となり、仙腸関節が緩んでしまうことにつながる。カエル足で仙腸関節のゆるみを締めたからといって気を抜かず、マッサージでさらにケアしよう。図の①、②、③の動きを3~5回、少しずつ位置をずらして背中の真ん中から腰あたりをほぐしてみて。
2. 自分の足に合った靴を選ぶ
せっかくカエル足で骨盤のゆがみを整えても、普段の歩き方や立ち方で元に戻ってしまう。そこで大切なのが、自分の足に合った靴を選ぶということ。とくにつま先が細い靴は、重心が足の指にかかってしまい、反り腰の原因にもつながり、姿勢が悪くなってしまう。足のサイズはあっていても、靴の前側が窮屈に感じたり、緩すぎたりする靴は避けよう。
ついつい猫背になってしまい、正しい姿勢をキープするのは難しいけれど、意識することから始めてみて。
3. 足の指をしっかり使う
カエル足の効果を高めるには、意外なことに足の指をしっかり使うのがポイント。足の指を1本1本前後に動かすストレッチや手で足の裏をマッサージするのがよいそう。足の裏のアーチが崩れるとヒザや股関節にも影響が出るから、足の裏のケアはとても大切。さらに、前ももやふくらはぎをストレッチをして柔軟性を高めることも、カエル足の効果を高めることにつながる。
普段の生活でついつい忘れがちなのが足の裏のケア。足の裏と股関節の関係は、密接だから足の指を使う習慣を身につけよう。
カエル足を行うときの注意点
① 反り腰に注意
とくに、あお向けでお尻を上げ下げする動きやうつ伏せでヒザを開いて足を上げる動きで、腰を使ってしまい反り腰になってしまう人も多い。しっかり大殿筋に効果を出すため、腰を丸めて反り腰にならないようにしよう。うつ伏せのカエル足は、恥骨をしっかりつけて行うと反り腰になりづらい。カエル足は、間違ったフォームで行うと、腰の痛みの原因になるので、普段から反り腰の人は、腰を丸めることと恥骨を床にしっかりつけることを意識して、反り腰改善の一歩を踏み出そう。
② 自分の無理のない範囲で行う
Mieyさんいわく、股関節が固いのにもかかわらず、無理してヒザを開いてカエル足のポーズをする人がいるそう。自分の可動域以上の動きはケガにつながってしまう。もちろん大きく開けたほうがよいけれど、無理のない範囲で行うことが大切。
カエル足を続けていれば可動域も広くなっていくから、徐々に動きを大きくするように心がけて。
Mieyさんの書籍『股関節ムーブ』
今回紹介したカエル足トレーニングやストレッチが掲載されている『股関節ムーブ』。
股関節がしっかり動かないと、筋肉も動かなくなり、トレーニングも効果が出づらい。しかし、この『股関節ムーブ』で股関節がスムーズに動かせるようになれば、気になる下腹や下半身太りの解消につながる。今回紹介したもの以外にも股関節を柔軟に動かせるようになるメソッドがたくさん詰まった1冊となっている。
それぞれのページには、背骨、肩甲骨や骨盤がどのような動かし方をするのかが書いてあるので、自分のフォームがあっているのかを判断しやすい。さらに、動画もついているから動きを見ながらできるのもうれしい。
股関節がしっかり動くようになれば、今まで効果が感じられなかったトレーニングの効果も上がるはず! 股関節ムーブで健康的な美しい体を手に入れよう。
□お話を伺ったのは……
miey(ミー)さん
ピラティストレーナー。バニトレプロデューサー。韓国生まれ。2016年に第一子を出産。産後太りを解消しようとダイエットに励み、11kgの減量に成功。しかし体重は減っても、下半身が思うように細くならず、ボディメイクに試行錯誤する中で体作りに興味が湧き、ピラティストレーナーの資格を取得。その後ボディメイクの知識を深めるために解剖学を学び、筋肉や骨格の仕組みに沿ったメソッドを確立する。初の著書『“がんばり筋"をほぐせばおなかも脚も細くなる! 』(学研プラス)は6万部を超える大ヒットに。
現在はスタジオで指導を行うほか、フィットネスウエアのプロデュースや商品開発に携わるなど、幅広く活躍中。
アシスタントエディターとしてSNS業務も担当。人間の心理、睡眠や美容に興味を持ち、記事執筆を行っている。自他ともに認める運動音痴だが、最近ヨガとピラティスで心と体を整え始めた。健康なライフスタイルを送りたいため、1日1食オートミール生活を実践中。