「コンビニの食事でもダイエットは可能です。もちろんそれまでの食生活や体内の環境にもよりますが、選び方を変えるだけなのでハードルは低いでしょう」

コンビニでダイエットと聞くと不可能だと感じてしまう人もいるかもしれないが、パーソナルトレーナーの林健太さんによると、商品の比較購入の癖を身につけるだけで可能だという。

食べるものを迷った時や食べたいものを二者択一で迷った時などは、何を基準に選んでいるだろうか。その判断基準を持っておくことは非常に大切。ただ単純にカロリーだけでなく、総合的に判断ができるかが重要だと林さん。

「カロリーももちろん大事ですが、その内訳など見るべきところはいくつかあります。添加物の多少がダイエットに影響することは意外に意識できていない人も多いのではないでしょうか」

今回は二つの商品の比較という形で、よりダイエットに適した食事を林さんに選んでもらった。もしも迷った時はこれから出てくる判断基準も参考に選んでいこう。

①ハムサンドvsタマゴサンド
an illustration of an egg sandwich sold at a japanese convenience store
yuki hayashi

サンドイッチは種類が多くどれを選ぶか悩みどころ。定番のハムサンドとタマゴサンドではどちらがダイエットに適しているのか。

「この二者択一はハムサンドです。サンドイッチはより低脂質低カロリーなほうを選ぶといいでしょう。卵=タンパク質のイメージが強く、ついタマゴサンドを選んでしまいがちですが、挟んであるのは卵ではなく卵サラダです」

原材料表示にも卵ではなく卵サラダと書いてあるものがほとんど。これは卵とマヨネーズを混ぜたものになるので、表記されていないマヨネーズを見逃してはいけない。

そのマヨネーズはもちろんカロリーハーフなどのダイエットに適したものではない。書かれていなくとも原材料を読み解く力がダイエットには重要だ。

②アンパンvsクリームパン
bread vector illustration  sweet bread
nisi

ダイエットやボディメイクには洋菓子よりも和菓子。つまりこの二者択一の場合は低脂質高タンパク質であるアンパンのほうがダイエットには向いているといえる。

しかし、この両者はカロリー表示だけで選んでしまうと大きな落とし穴があると林さん。

「アンパンは餡がぎっしり詰まっているので見た目が同じでも重量が重く、商品によってはクリームパンよりも高カロリーな場合が多々あります。これは和菓子にも共通して言えることですが、カロリー密度が高いので、食べる量には注意が必要です」

しかし、カロリーが低いからと言ってクリームパンを選ぶのはナンセンス。アンパンは小豆をたくさん使っているのでタンパク質や食物繊維、ポリフェノールも含まれる。

カロリーが高い=ダイエットには不向きというわけではなく、その栄養価のバランスや原材料から総合的に判断していこう。

③カップ麺vsチルド麺
set of traditional korean dishes in instant takeaway cups   tteokbokki, ramen, spicy shrimp soup popular asian food in flat cartoon style on isolated white background for icons, logos, menus
Ekaterina Nikolaeva

時間がない時に便利なカップ麺。しかしコンビニにはさらに手軽で栄養価の高い麺類があると林さん。

「チルドコーナーの麺類は意外に優秀な商品が多いです。もちろん脂質たっぷりのラーメンは例外ですが、ざるそばや冷やし中華などはボリュームもあり、低脂質でタンパク質も十分に摂れます」

カップ麺だけではタンパク質が不足してしまうからと、そこにプロテインを組み合わせている人もいるかもしれない。しかし結局は全体的なカロリーバランスは脂質が飛び抜けている場合が多く、コストパフォーマンス的にも栄養価的にもチルド麺を選ぶほうが良い場合が多い。

これからの暑い季節に冷たい麺類は食べやすいが、どうしても咀嚼回数が少なくなってしまう。ダイエットを順調に進めるためには噛むことも大切なので、いつも以上に意識して食べて満足感もしっかり得ていこう。

④ツナマヨおにぎりvs梅おにぎり
コンビニご飯のダイエットメニュー
yukimco//Getty Images

マヨネーズはダイエットには控えたい調味料なので、おにぎりの具材はなるべく低カロリーなものを選びたい。しかし実際はカロリーや栄養価以外にも落とし穴があると林さんが教えてくれた。

「具材が複雑になればなるほど添加物の量も増えていきます。添加物は発がんのリスクはもちろん、ミネラルの吸収阻害など、ダイエットだけに関わらず体には良い影響を与えません」

梅や鮭などできる限りシンプルな具材を選ぶことが林さんのおすすめ。もちろんその中には添加物が多く使われているものもあるので、しっかりと裏面を読んで選んでほしい。

「原材料表示は含有量の多いものから順に書かれていますが、途中で/で区切られるところがあります。この/以降が添加物になるので、普段から気にする人はなるべく/以降の少ないものを選ぶほうがいいでしょう」

⑤チョコvsキャンディ
assorted chocolate candies in foil wrappings in glass bowl realistic advertising composition against transparent background vector illustration
Macrovector

ダイエット中はどちらも控えたいものだが、林さんは間食として勧めるものもあるという。

「チョコレートの原料であるカカオに含まれるポリフェノールは脂肪燃焼促進、テオブロミンには脂肪蓄積抑制の効果が認められています。原材料の最初にカカオが書いてある、カカオ含有量の高いチョコレートを選びましょう」

もちろんカカオ含有量が高いチョコレートは脂質も高くなるので、食べ過ぎには注意が必要。しかし甘いものを積極的には摂れないダイエット中にチョコレートが食べられるのは、嬉しい人も多いのではないだろうか。

キャンディは砂糖の塊なのでもちろんおすすめできない。少量でも血糖値が上がりインスリンが分泌されるので、脂肪を溜め込みやすくなる。

トレーニング後に血糖値が下がりすぎてフラフラしてしまうときなど、緊急用として持っておく程度にしておこう。

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林健太
NESTA公認トレーナー SIXPAD WAVER

 幼少期よりプロレスラーに憧れ、中学生の頃からジムに通い始め、高校・大学はアマチュアレスリング部に所属。
 卒業後、一度は就職するもプロレスラーの夢を諦めきれず2011年プロレスリング・ノアに入門。練習中の怪我により
 選手としてデビューすることはできなかったが、トレーニングを続けることで心身のモチベーションを維持し続けたことがきっかけでトレーナーとしての活動を始める。
インスタグラム: www.instagram.com/kenta_0327_/