ダイエットを始めることは簡単でも継続することは至難の業。
多くの人がそれを実感し、何度も挫折を繰り返しているかもしれないが、パーソナルトレーナーの林さんは誰もが日々ダイエットできているので自信を持ってほしいと言う。
「日常にフィットネスを組み込んでいる人を見るとうらやましい気持ちにもなったりするかもしれませんが、それはその人のライフスタイル。一週間に一回でも運動に時間を割いて継続できていれば、立派なダイエットです。普段から揚げ物を減らしたり、食べたかったお菓子を少し我慢したりした経験があると思いますが、それも立派なダイエット。大切なのは、少しでも健康に近づくことをストレスのないペースでやり続けることです」
私たちは目標を達成できなかったとき、どうしてもできた人と比べて悲観してしまう傾向がある。
フィットネスブームの裏側には、そういったメンタル面から今まで以上に苦しんでしまっている人も多いのではないだろうか。
週に一度、月に一度でも運動を継続できている人は絶対にやめず、これから解説する4つのポイントを抑えながら自信をもって続けよう。
①柔軟性がある思考
今日こそ運動しようと思っていた日に限って急な残業。
昨日は食べ過ぎたから今日は気を付けようと思っていたら食事の誘い。
なぜかバッドタイミングで訪れる予期せぬ事態は、ダイエットに関わらず誰にでも経験があるはず。
この時にやりたかったことを引きずってしまうと余計なストレスを抱え、本来やるべきことに集中できなくなってしまう。
想定外の事態に柔軟な思考で対応することは、ダイエットにとってもプラスの影響を生む。
「ダイエット最大の敵はストレスです。いつイレギュラーな事態が起きてもいいように、運動や食事管理はできる時は常にやっておくといいでしょう。普段からできていない人ほど抱えるストレスが大きかったり焦ったりするので、普段の生活を見直すきっかけにもなります」
できなかったことが罪悪感に変わる前にきっぱり諦め、その場を楽しむ。メリハリをつけることがダイエットを継続する上では大切だ。
②現実的なスケジュール設定
〇ヵ月でマイナス〇kg!
こんな広告を目にする機会も多く、自分にもできるのではないかと大きな期待を抱く人も多いが、実際はどうなのだろうか。
「体重を減らすことと体脂肪を減らすことは別です。糖質カットなどで一時的に体重だけを減らしても、続けることやキープすることができなければ失敗でしょう。理想の体をどれだけ長期にわたって維持できるかを考えてください」
人それぞれ体形や体質も違えば目標とする体も違う。
1ヵ月後の体重、1年後の体形、10年後の健康……すべてを叶えるためには。ダイエットとは言わずとも死ぬまで自分の体には気を使っていかなければいけない。
一時的に無理なスケジュールで心身に負担をかけても、手に入るのは1ヵ月後の体重だけ。それ以上に体調を崩してすべてが手に入らなくなってしまう可能性も。
「ダイエットの目標が達成できても=終了にはなりません。最終的な目標は、その体をキープできる習慣を作ること。がむしゃらにやる期間があってもいいと思いますが、そこで燃え尽きないように現実的なスケジュールを設定しましょう」
③楽しめる運動
ダイエットには筋トレが効果的と言われるが、筋トレをしなければ筋肉がつかないということはない。もちろん限界はあるものの、すべての人がジムで鍛えるほど筋肉が欲しいとも限らないだろう。
「趣味がテニスであればまずはそれを続けることです。その運動に適した筋肉はつきますし、心肺機能向上などメリットはたくさんあります。もしそれ以上に筋肉や持久力を付けたいと望むのであれば、そこにトレーニングをプラスして運動全体のバランスを変えてみましょう」
もちろん目的が変われば運動の種類を変えてもいいと思うが、わざわざ苦手な種類の運動にシフトしてダイエットをスタートする必要はない。
長期的に続けられる運動こそが長期的な体形キープに繋がる。
④無理のない内容
「体調がすぐれない時や気分が乗らない時は思い切って休んでください。メンタル、フィジカル、スケジュールに関する無理や無茶は、今までの努力を台無しにしてしまう大きな怪我や病気に繋がる可能性があります」
ダイエットは自分の体や習慣を変え、健康で自信に満ちた日々を送ることができる素晴らしいチャレンジでもあるので、人生をより豊かにする手段の一つとして考えてほしいと林さん。
続かないということはどこかに無理が生じている証拠かも。
頻度を減らす、休息の期間を設けるなどの下方修正も、習慣の延長線上にある健康的なダイエットには必要だ。
幼少期よりプロレスラーに憧れ、中学生の頃からジムに通い始め、高校・大学はアマチュアレスリング部に所属。
卒業後、一度は就職するもプロレスラーの夢を諦めきれず2011年プロレスリング・ノアに入門。練習中の怪我により
選手としてデビューすることはできなかったが、トレーニングを続けることで心身のモチベーションを維持し続けたことがきっかけでトレーナーとしての活動を始める。
インスタグラム: www.instagram.com/kenta_0327_/