体重が落ちたら脂肪も便となって体からなくなったと思ってない? その憶測はあながち間違いではないが、その話には続きがある。

失った脂肪の多くは、実は息と共に吐き出されていることを発見した研究がある。一体どういうこと? アメリカ版ウィメンズヘルスより詳しく見ていこう。

2014年に業界紙『BMJ』に掲載された研究では、およそ10キログラムの体重脂肪が減ったときに、その中の原子に何が起きていたのかを調査。その結果、約8キログラムは肺から二酸化炭素として排出され、残りは水となり、尿や便、汗、息、その他体液となり排泄されていたことが判明した。

これを読むと、体重が落ちるとかなりの量の脂肪を吐き出していると思いがちだが、実はそうではないと、米国栄養士会でスポークスウーマンを務める登録栄養士のソニヤ・アンジェロンは話す。吐き出しているのは、脂肪細胞そのものではなく、脂肪の代謝副産物なんだそう。

ハーバード大学医学部の医学・小児科講師で、マサチューセッツ総合病院で肥満治療医を務めるファティマ・コディ・スタンフォード医学博士は、減量を始めると脂肪細胞の大きさが減少するだけで、実際には完全に消滅するわけではないと話している。つまり、ただ縮小しているだけというわけ。

厄介なのは、体重が減ると、実は体はその体重を現状に戻そうとすること。そのため満腹感が減り、空腹感が増すことがある、とスタンフォード医学博士。

幸い、運動は脂肪細胞が再び大きくなるのを防ぐのに有効なので、体を鍛えることが体重の戻りを抑えるのに役立つと、医学博士は言う。

ゆえに、減量するときは、体が新しい状態に慣れるようにゆっくりと行うのがベスト。さもなければ、効果を得るのは難しいだろう。脂肪細胞はなくなるわけではない。ただ、スリムになろうとしてるだけなのだ。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Korin Miller Translation: Asami Akiyama