「ゆで卵ダイエット」と検索すると、確かに、ゆで卵を中心とした食事で減量できる可能性があると出てくるかもしれない。そこで、これに伴う多くの疑問についてここで回答。

まず、「ゆで卵ダイエット」はゆで卵だけを食べることではない。1日に少なくとも2つ、あるいは3つのゆで卵を食べることで減量に役立たせるという考え方なのだ。

しかし、ゆで卵は本当に減量の成功要因となる食品なのだろうか? ゆで卵ダイエットの食事内容、それがもたらす結果、あなたの体にどのように影響するかについて、専門家に助言を求めた。

まず、ゆで卵ダイエットってなに?

これはその名のとおり、食事にゆで卵を取り入れること。「このプランにはいくつか種類がありますが、一般的には朝食時に果物と一緒に2つの卵を食べ、昼食と夕食には卵もしくは別の脂肪の少ないタンパク質をデンプン質のない野菜と一緒に食べることです」。こう説明してくれたのは、ニューヨーク市を拠点に活動する登録栄養士のエリン・パリンスキー=ウェイドさん。

ゆで卵 ダイエット
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健康的なメニューに思えるかもしれないが、ゆで卵ダイエットはあくまで一時的な食事療法。「これは減量を促進する低カロリー、低炭水化物ダイエットのひとつですが、長期的に持続可能ではなく、バランスよく栄養を取ることはできません」と彼女は言う。

つまり、一時的な減量をもたらしてくれるかもしれないが、必ずしもその結果が長く続くわけではないということ。

ゆで卵ダイエットのルール

「食事にはさまざまなパターンがありますが、最も一般的なのは1日3回の食事で、間食やデザートを取らないことです」とニューヨーク市の登録栄養士ケリー・ガンズさん。

大切なのは、1日を通して最低でも2、3個の卵を食べるよう意識すること。また、低脂肪タンパク質やデンプン質のない野菜、特定の果物、少しの脂質を自由に摂取することができると、ガンズさんは述べている。

ガンズさんが教えてくれた、具体的な食品例は以下のとおり。

低脂肪タンパク質

  • 皮なしの鶏肉
  • 皮なしの七面鳥
  • 皮なしのカモ肉
  • 豚ヒレ肉
  • 豚ロース肉

でんぷん質のない野菜

  • ケール
  • ズッキーニ
  • ほうれん草
  • ピーマン
  • アスパラガス
  • セロリ
  • にんじん
  • ブロッコリー
  • 玉ねぎ

特定の果物

  • スイカ
  • ベリー類
  • グレープフルーツ
  • レモン
  • ライム

少量の脂質

  • ココナッツオイル
  • バター
  • マヨネーズ

これらはゆで卵ダイエット中に食べることができる一般的な食品リスト。反対に、この期間に食べるべきではない食品のリストもある。「卵、デンプン質のない野菜、少量の果物を除いて、穀物や乳製品、脂質など他の食品グループはすべて制限しなくてはいけません」とパリンスキー=ウェイドさん。

assortment of fresh colorful organic vegetables in white tray on wooden pine table, food background,
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具体的に言うと、加工食品、じゃがいも、とうもろこし、えんどう豆、豆類、バナナ、パイナップル、マンゴー、ドライフルーツ、甘味料などは避けるべきだそう。

したがって、穀物、乳製品、さまざまな果物、脂質を含むバランスの取れた食事を心がけたい場合は、ゆで卵にフォーカスした食事計画を始める前に、食品の制限があることに注意しなくてはいけない。

ゆで卵ダイエットは健康的?

健康的だと断言することは難しいかもしれない。「この食事療法で推奨される食品には健康上の利点がありますが、避けるべき食品も多くあるため、非常に制限されていると考えられています」とガンズさん。

また、長期的に続けることには懸念があることも知っておく必要がある。「これは制限的でバランスの取れていない食事方法であるため、長期的に栄養不足を引き起こす可能性があり、持続可能ではありません」とパリンスキー=ウェイドさんは付け加えている。

始める前に、かかりつけ医などに相談するのが最善だと言えそう。

ゆで卵ダイエットは減量に役立つ?

あなたにとって減量が重要な場合、このダイエットでの減量がどのようなものか知っておくことは大切だろう。パリンスキー=ウェイドさんは、カロリーと炭水化物を抑えることである程度の減量は可能だと説明している。

rear view of woman measuring waist with mirror reflection
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「最初の体重減少には水分の減少が含まれ、“嬉しい”結果が得られますが、実際の体脂肪の減少はそれほど多くありません」「時間の経過とともに、カロリー不足は体脂肪の減少につながりますが、この結果を維持する可能性は、どれほど制限的な食事をしているかに基づいて低くなっていきます」

潜在的な危険性もある?

確かに、卵は多目的で栄養豊富な食品であり、ビタミンやミネラルが豊富に含まれており、「あらゆる食事計画に最適です」とガンズさん。「しかし、体重を減らすためにひとつの食品や栄養素に絞るべきではありません」と彼女は続ける。

したがって、ゆで卵ダイエットにトライする場合は、タンパク質を多様化させてさまざまな食品を食べるようにし、毎日同じものだけで栄養を取ることは避けるように。

結果を維持するのが難しいもうひとつの理由、それは「この食事療法は非常に制限されているため、長期的に続けることができる健康的でバランスの取れた食事からかけ離れており、むしろあなたにとってはよい結果をもたらしてくれるかもしれない食品を奪ってしまうのです」とガンズさんは説明している。

boiled eggs in hands on a wooden background
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また、これまでに摂食障害の経験がある場合、または摂食障害の影響を受けやすい懸念がある場合は、ゆで卵ダイエットについて今一度考えるようにと、パリンスキー=ウェイドさんは警告している。

さらに、彼女によれば、このような制限的な食事はかえって食べすぎてしまう可能性があり、せっかく減らした体重を元に戻してしまう、もしくはそれ以上に体重を増やしてしまうかもしれないとのこと。

結論:ゆで卵ダイエットは食品の多様性に欠けるため、長続きさせにくく、栄養不足の食事になってしまうことに注意。

※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。

Photos: Getty Images Translation: Ai Ono From Women's Health

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Madeline Howard
Freelance Writer

Madeline Howard is a writer, editor, and creative based in Brooklyn. Her work has been published in Esquire, Nylon, Cosmopolitan, and other publications. Among other things, she was formerly an editor at Women’s Health. Subscribe to her newsletter ‘hey howie’ at madelinehoward.substack.com.