年齢を重ねるにつれて、なかなか下っ腹が痩せないな、と感じたことはない? 食事制限をしても腹筋をしても効果が出ないのは、やり方が間違っているからかも。今回は、ぽっこりおなかを美しく引き締める筋トレ方法と、痩せない理由についてご紹介。今年の夏こそ、下腹部を鍛えたいという人必見!
〈目次〉
動画で宅トレをしたい人におすすめ! 3分でできる下腹部に効果的な筋トレ
おなかがぽっこり出る2つの原因とは?
1.筋トレをしていない
ぽっこりおなかになる原因は、ホルモンバランスの変動や新陳代謝の低下だという。ロサンゼルスを拠点とするフィットネスエキスパート兼トレーナーであり、筋トレDVD「The Toning Transformation DVD」の制作者、サラ・クッシュに理由を聞いた。
「ぽっこりおなかがなかなか痩せないのは、筋トレを日頃取り入れていないことにあるでしょう。ウエイトを持ち上げる習慣を取り入れることが、もっとも早くぽっこりおなかを解消させる方法です」という。
Everyone Active Becontree Leisure Centreのパーソナルトレーナー兼栄養士のタリック・ベラリジ氏は、「30分のセッションを週に3回行うことで、おなかの脂肪を一早く痩せられる確率が上がります。おなかの脂肪を減らすためには、トレーニング強度を少しずつ上げていきましょう。ワークアウトの強度や負荷を段階的に上げていくと、効果を実感できるのでおすすめです」とアドバイスをくれた。
2.反り腰になっている
他の部位は痩せているのに、下腹部だけぽっこりでているのは、反り腰が原因なのだとか。パーソナルトレーニングスタジオリナート代表の森拓郎さんに、反り腰が原因である理由を伺った。
「反り腰の人はおなかにしっかりと力が入らないため、内蔵が落ちてしまって、ぽっこりおなかになってしまうことが多いです」という。下っ腹だけ出ている人は、もしかしたら反り腰になっているかも。
【反り腰のチェック方法】
① 背中をコーナー(角)につけて立つ。
② S字カーブに反った背中部分に、手のひらを入れる。
このとき、壁と手の間に手のひら一枚分くらいの隙間しか開いていなければ正しい姿勢。それ以上隙間ができる人は、反り腰の可能性が。重度の反り腰の人は、拳一個分くらい開いてしまっているケースもあるのだとか。
参考記事: おなかの脂肪を落とすには、ライフスタイルの2大要素を変えること!
4週間で「おなか痩せ」する方法。リバウンドなしで脂肪を撃退!
ぽっこりおなかを解消させる5つの方法
おへその少し下にある下腹部は、腹壁(体の中央)と腹斜筋(体の脇)の延長だという。この2つの筋肉を鍛えれば、下っ腹を引き締めることができる。脂肪のつき方は人によって異なるけれど、女性はもともと脂肪が付きやすいため、おなかを引き締めたいのであれば、筋トレをしっかりする必要がある。
1.筋肉を鍛える
医学雑誌『Menopause』に掲載された研究によると、更年期の女性が2種類の筋トレを週に2回、42日間継続して行った結果、体脂肪とウエストサイズが著しく減少したとのこと。この結果から、おなか痩せに効果的なのは筋トレであることがわかった。
2.脂肪を燃焼させる
脂肪を早く燃焼させるためには、トレーニングに有酸素運動(短距離走など)を組み合わせてみて。より代謝を活発にすることができ、おなか周りを効率的にすっきりさせることができる。
3.体幹を鍛える
すべての動きを行うとき、体幹をグッと締めてみて。深部筋肉を刺激することで、ぷにっとしたおなかが引き締まるだけでなく、猫背も改善されるという。
4.ストレッチで筋肉を十分に伸ばす
ストレッチを数分するだけでも、筋肉の緊張がほぐれ、修復を促し、柔軟性を向上することができる。気持ちのいいストレッチは、筋肉の痛みを和らげる効果もある。
5.反り腰を改善させる
反り腰のまま運動をすると、ほかの部位に負荷がかかり腰痛の原因にもなる。ぽっこりおなかを解消しようとする前に、まずは反り腰を直すことが大切。
参考記事: おなかの脂肪を落とすには、ライフスタイルの2大要素を変えること!
腰痛やぽっこりお腹は「反り腰」が原因かも? 反り腰の原因と改善方法
下腹部に効く5つのトレーニング方法
1.オルタネート・トータッチ
ターゲット:下腹部
回数:左右交互に40回を3セット。1セットごとに30秒休む。
① 仰向けになり、腰をフォームローラーに乗せ、腕を体の脇に置く。
② 両脚を上げ、互い違いに(ハサミのように)ゆっくり動かす。
2.デッドバグ
ターゲット:下腹部、骨盤底
回数:20回を3セット。1セットごとに30秒休む。
① 仰向けになり、腕を体の脇に置き、ひざを曲げる。
② 体幹に力を入れて、腰を床に押し付ける。
③ 片脚を上げ、すねを床と平行にする。
④ もう片方の脚も上げ、両脚をそろえてゆっくり下ろす。
3.ピラティス・Vホールド
ターゲット:下腹部
回数:45秒を3セット。1セットごとに30秒休む。
①床に座ってひざを立て、脚を床にぴったりつける(体育座り)。
②腕を前に伸ばす。
③体を後ろに傾けながら、両脚を空中で伸ばし、全身でVの字をつくる。
4.ニータックジャンプ
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ターゲット:全身、下腹部
回数:10回を3セット。1セットごとに30秒休む。
①背中を丸めず、胸を開いたままスクワット。
②勢いよくジャンプして、両ひざを胸に引き込み、やさしく着地。
5.テーブルトップ・レッグエクステンション
ターゲット:下腹部、腹斜筋
回数:10回を3セット。1セットごとに30秒休む。
①あおむけになり、両脚でバランスボールを挟む。
②両脚を上げてひざを90度に曲げる。
③腰を床から浮かせずにひざを伸ばし、両脚を床から45度にする。
④ 再びひざを90度に曲げる。
関連記事: 下っ腹を鍛えるのにオススメのワークアウト
体幹を鍛える15のトレーニング方法
これから紹介する15のトレーニングは、ダンベルとヨガマットがあれば簡単に体幹を鍛えられる。それぞれ40秒でできるだけ多く繰り返そう。20秒休んだ後、次のエクササイズへ進んで。
1.スクワットからのオーバーヘッドプレス・ローテーション
① 脚を腰幅に開いて立ち、つま先をやや外に向ける。
②それぞれの手にダンベルを持ち、肩に軽く乗せる。
③スクワットで太腿を床と平行にする。
④かかとで踏ん張って立ち上がると同時に、右腕を天井に向かって伸ばしながら、右足のかかとを上げて旋回させ、上体を左にひねる。
⑤上体を正面に戻して、もう一度スクワット。
⑥ 左腕を天井に向かって伸ばしながら立ち上がり、左足のかかとを上げて旋回させ、上体を右にひねる。
2.下から上のダンベルチョップ
① 脚を肩幅に開いて立ち、左右の手でダンベルの両端を持ち、胸の前で構える。
② 右足のかかとを上げて左に旋回させ、両ひざを平行にする。(体は左に向いている状態)
③ 上体を前に倒して、ウエイトを左脚の外側に下ろす。
④ 動きを巻き戻してセンターに戻る。
⑤ 左足のかかとを上げて右に旋回させ、体が右を向いたら、ダンベルを斜め上45度に押し上げる。
3.ハロー
①脚を腰幅に開いて立ち、両手でケトルベルのハンドルを持つ。
②ひじを曲げて左右に開き、ケトルベルを顔の前で構える。
③ 両ひじを曲げたまま、ケトルベルで頭の周りをグルッと一周。
ケトルベルを目の高さにキープして、腕以外を動かさないようにするのがポイント。
4.プランク・ダンベルドラッグ
①脚を肩幅より広く開いたハイプランクのポジションをとる。
② 手首は肩の真下。
③ ダンベル(タオルや他のウエイトでもいい)を右手首の外側に置く。
④ 左右の腰と肩を平行に保ちながら、左手でウエイトをつかみ、左手首の外側に持ってくる。
⑤ ウエイトを離してハイプランクに戻ったら、今度は右手でリピート。
5.ハーフニーリング・ウィンドミル
①左ひざを床につき、右ひざを体の横で立てる。
② 右脚は床にピッタリつけて、つま先を横に向ける。
③ 右手でケトルベルを持ち、胸の前で構えたら頭上に押し上げ、目でケトルベルを追う。
④ ケトルベルから目を離すことなく体をゆっくり前に倒し、左手を床につく。
⑤ そこからさらに体を倒して、ひじと前腕を床につく。
6.レネゲードロウ
①それぞれの手にダンベルを持ち、プランクのポジションをとる。
② 右ひじを引き上げて、右手首を肋骨の脇に持ってくる。そして右腕を下す。
7.レッグドロップス
①あおむけになり、左右の手でダンベルの両端を持つ。
②腕を天井に向かって伸ばす(手首は顔ではなく胸の上)。
③両脚も、股関節の真上で天井に向かって伸ばす。
④マットの上で腰を反らせずに、左脚をできるだけ低く下ろす。
8.ターキッシュ・ゲットアップ
①あおむけになり、左脚を前に伸ばす。
②右ひざを立て、脚を床にピッタリつける。
③左腕は体の斜め左横に伸ばす。
④右手にケトルベルを持ち、肩の上で構える。
⑤上腕が床につき、ひじが体の斜め右横にあることを確かめて。ケトルベルを目で追いながら、胸の上で押し上げる。
⑥腕はまっすぐ、でも完全に伸ばし切らないで。左の前腕で地面を押して、上体を起こす。
⑦左手を床について腰を持ち上げ、左脚を体の後ろに滑らせて左ひざを床につき、すねをマットの先端と平行にする。
⑧左すねをマットの側面と平行にして、両ひざが90度に曲がったニーリングランジへ。
⑨左脚で床を押して立ち上がり、股関節の真下で両脚をそろえる。
9.フォワードランジ+ツイスト
①マットの後端に立ち、胸の前でメディシンボールを持つ。
②左脚を大きく前に踏み出して、両ひざが90度になるまで体を下げながら、両腕を肩の高さで前に伸ばす。
③ 腕と上体を左にひねり、センターに戻る。
④ 左脚を大きく後ろに1歩引く。
10.オーバーヘッド・コサックスクワット
①脚を肩幅より少し広く開いて立ち、それぞれの手にケトルベルを持つ。
②ケトルベルを胸の前で構えたら、左腕を天井に向かって伸ばし、二頭筋を耳の横に持ってくる。
③右脚を右に大きく踏み出し、お尻を後ろに押し出しながら体を下げて、太腿を床とできるだけ平行にする。
④右ひざを伸ばして上体を起こす。
11.ダンベルスイング
①脚を腰幅より少し広く開いて立ち、両手で重たいダンベルの先端を持つ。
②体幹を締め、背中をフラットな状態に保ちながら、上体を股関節から前に倒し、ひざを曲げてダンベルを股の下に通す。
③ お尻をグイッと前に押し出し、ダンベルを肩の高さまで振り上げて下ろす。
12.プランク+トライセプスキックバック
①脚を肩幅より少し広く開いたハイプランクのポジションをとる。
② 右手にダンベルを持ち、ひじを曲げて三頭筋を上体に沿わせる。
③右腕を後ろに伸ばし、完全にまっすぐにする。
13.ウェイテッド・フラッターキック
①あおむけになり、背中をマットに押し付ける。
②両手でダンベルを持ち、腕を胸の上で伸ばす。
③ 両脚を45度に持ち上げて、まっすぐ伸ばす。
④ 左右の脚を交互に約10cmずつ上げ下げする。
14.シーテッド・ローテーション
①マットに座り、上体を後ろに傾け、腹筋に力を入れる。
② 両脚を持ち上げて、ひざを90度に曲げる。
③両手でウエイトを持ち、ひじを曲げて左右に開く。
④上体を右にひねり、右ひじがマットにつきそうになったら、下体を動かさずに上体を左にひねる。
⑤左ひじがマットにつきそうになったら、スタートポジションに戻る。
15.ジャックナイフ・プルオーバー
①あおむけになり、両手でダンベルの末端を持つ。
②体幹に力を入れて、腕と脚を床から10cmほど浮かせて伸ばす。このとき、体でカーブを描くように。
③ 肩甲骨を床から離し、おなかの上でひじとひざをタッチさせ、数秒ホールドする。
関連記事: おなか周りを引き締める! ウエイトありの腹筋ワークアウト15選
痩せやすい体を作る3のストレッチ方法
1. 肋骨筋ほぐし
① ひざ立ちまたはあぐらをし、頭からお尻まで真っすぐになるよう意識して座る。
② 両手をアンダーバストの位置で、肋骨を包み込むように添える。
③ 後ろの親指もしっかり肋骨の間に入るようにセットをして、後ろから前にほぐすように両手をスライドする。
④ 徐々に両手を下にスライドさせ、ウエストまで移動したら、再び下から上にほぐしながら手を移動させる。
2.小胸筋ほぐし
①あぐらをした状態で、頭からお尻まで真っすぐになるよう意識して座る。
②肩ひじをひざの上に置く。息を吸いながら、もう片方の手を天井に向けて大きく胸を開くように、体ごと天井を仰ぐ。
③天井に伸ばした手を斜め前に伸ばしながら息を吐く。体側と腰辺りに伸びを感じながら、じわじわゆっくりと伸ばしていく。
3.横隔膜周りの引っつきをとる
①両手の4本指の腹を、肋骨の上部に沿って斜めに当てて、息を吸う。
②息を吐きながら背中を丸めて、指の腹を優しく肋骨のはじからおなかの中に向かって押していく。
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反り腰を改善する3つのストレッチ方法
1.前腿を伸ばすストレッチ
① 右のひざを前に出し、ひざ立ちをする。このときのひざの角度は90度。
② 角度を保ったまま、背中を丸める。
③ 背中を丸めたまま、骨盤を後傾させて前に出す。
④ 左の前腿がしっかり伸びていることを感じたら、30秒〜1分キープする。
2.腰を伸ばすストレッチ
① イスに浅く腰掛け、肩幅か腰幅くらい脚を開く。
② 腕を真っすぐ伸ばし、鼻から息を吸う。
③ 口から息をゆっくり吐きながら背中を丸め、3秒キープする。
3.腰周りを鍛えるヒップリフト
①マットに横になり、脚を曲げる。
②脚幅は少し広めに(閉じるとお尻に力が入りにくいため)。
③尾てい骨からお尻を持ち上げて、10秒キープする。
参考記事: おなかの脂肪を落とすには、ライフスタイルの2大要素を変えること!
腰痛やぽっこりお腹は「反り腰」が原因かも? 反り腰の原因と改善方法
動画で宅トレをしたい人におすすめ! 3分でできる下腹部に効果的な筋トレ
短時間でぽっこりおなかを引き締める筋トレ方法をご紹介。
ボールとヨガマットさえあれば、在宅ワーク中の隙間時間にもできる!
片脚立ち動作もあるため、体幹を鍛えることもできる。下腹部だけでなく、骨盤や姿勢矯正にもおすすめの簡単エクササイズ。
【やり方】
①片脚立ちになる。
②上げた脚の膝裏にボールを挟む。
③骨盤が傾かないよう手を添える。
④息を吸いながら脚を後ろへ。
⑤息を吐きながら脚を前へ。
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まとめ
「標準体型なのに、下っ腹だけぽっこり出ていて気になる……」という悩みを持つ女性は多い。原因は、筋肉不足や反り腰などさまざまな理由が考えられる。しかし、簡単にできるトレーニングやストレッチなどで改善できることがわかった。
まずは、自分自身のぽっこりおなかの原因を突き止めよう。そして、それぞれに合った方法でトレーニングに励んでみて。トレーニングを継続すれば、理想のすっきりおなかを手に入れることができるはず。
主にSNS周りを担当。オーガニック・ヘルシーフード・K-POPなどのリサーチ力が持ち味。オーガニックワイン、ヴィーガンフードなどのキーワードから、土壌を始めとする環境問題などにも興味を持ち、記事へとつなげている。 2022年までウィメンズヘルス編集部に在籍。