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「現代人の性欲の低下に大きくかかわっているのは、寝る前のスマホです」と話すのは、植物療法と性科学の第一人者の森田敦子さん。ここでは、森田敦子さんの最新著書『私のからだの物語』から、寝る前のスマホ(ブルーライト)が体に与える影響についてご紹介する。
(「」内、森田敦子さん)
「植物療法のスクールに通う生徒さんたちには、いつも『必ず守ってくださいね』とお伝えしていることがあります。もちろん、私自身も守っていますが、それは、『最低でも、眠る1時間前になったら、スマホやパソコンの光を目に入れないこと』。スマホやパソコンなどのデジタル機器から発生するブルーライトは非常に強い光で、また光が拡散するため、チラついて目がとても疲れやすくなります。できれば夜に過ごす部屋の照明も、蛍光灯ではなく、ダウンライトにするよう、おすすめしています」
その理由は?
「メラトニンという、脳の松果体(睡眠ホルモンであるメラトニンを分泌する脳器官)から分泌されるホルモンにあります。メラトニンは睡眠などの生体リズムを調整する働きがあり、光によって調節されています。そのメカニズムは、起床から14~16時間でメラトニンの分泌がはじまり、徐々に高まることで、深部体温が低下し、休息した状態になり、眠気を感じるようになります。そして朝、日光を浴びることでメラトニンの分泌は止まります。よって、眠る前に強い光を感知すると、メラトニンの分泌が抑えられてしまうため、睡眠リズムが乱れる原因となるのです。また、年齢を重ねると、メラトニンの分泌量は減ると言われています。『それが、性のことと関係あるの?』と思う人もいるかもしれません。けれども、この睡眠の質の低下が男女ともに、『とくに理由はないのに、性欲が低下しているというパターンに繋がっている可能性が大きいのです。夜、眠る直前までネットサーフィンをして、SNSや動画配信を楽しみたいという気持ちは理解しているのですが、目にガジェット類の光を入れることで、体内では次のようなことが起こってしまいます。それは一体なぜなのか、からだのしくみからご説明しましょう」
2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。