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植物由来のタンパク質「テンペ」と「豆腐」はどっちがヘルシー?

どちらも超優秀!

By Jennifer Nied and
tofu and tempeh background
eskymaks//Getty Images

最近では、ヴィーガンやベジタリアン向けの代替肉の品揃えがますます豊富になり、頭を混乱させてしまう消費者たちもちらほら。インポッシブル・ミート(Impossible Meat)やビヨンド・バーガー(Beyond Burger)のような大手代替肉メーカーはメディアでも大きく取り上げられているが、植物由来のタンパク質が豊富な豆腐やテンペこそ、お肉を食べない人たちの間ではずっと支持されているポピュラーな食品。そこでこんな疑問が…...。これらは本当に健康にいいの? テンペと豆腐なら、どっちのほうがいいのだろう?

豆腐とは?

fresh tofu and vegetables, vegetarian
HUIZENG HU//Getty Images

大豆ベースの代替肉として人気の豆腐は、絹ごし豆腐のように柔らかいものから硬いものまで種類もさまざま。豆腐作りはチーズを作る工程とよく似ており、「未発酵の豆乳ににがりを加え、タンパク質を凝固させた後に型に入れて成形されます」と説明するのは、管理栄養士ソニア・アンジェロン。

「豆腐は、遺伝子組み換えされた多くの大豆製品とは異なり、最小限の加工しか施されていないホールフード食品とみなされています」

豆腐は、数少ない植物由来の完全タンパク質食品の一つ。「筋肉やホルモン、抗体を作るのに体が必要とするアミノ酸がすべて含まれています」と話すのは、著書『Healthy in a Hurry: Easy, Good-For-You Recipes for Every Meal of the Day』の共著者で管理栄養士のカレン・アンセル。「もともと飽和脂肪が少なく、コレステロールがゼロなのも嬉しいですね」

豆腐は、加工方法によっては栄養価がさらに高まるものもある。「大豆は塩化マグネシウム、または硫酸カルシウムのいずれかで加工され、これによりマグネシウムやカルシウムが豆腐に加わります」とアンジェロン。「加工方法によっては、カルシウムを775mg、マグネシウムを66mg含む豆腐もあるほどです」

米農務省による、豆腐一人前(100g)の栄養成分は以下の通り。

  • カロリー:94kcal
  • 脂肪:5g(飽和脂肪5g)
  • タンパク質:9g
  • 炭水化物:2g
  • 食物繊維:2g
  • 糖分:0g
  • ナトリウム:12mg
  • カルシウム:176mg
  • 鉄:2mg
  • カリウム:147mg

テンペとは?

tempe slices with foliage decoration
Ar razzaq//Getty Images

テンペもまた、ベジタリアンやヴィーガンに愛されるタンパク質源であり、豆腐と区別しにくいと感じる人が多いのも事実。テンペは、大豆を煮て発酵させたものをパック詰めにして作られている。

玄米やキヌア、雑穀、フラックスシード、ゴマなど、全粒穀物が加えられたバリエーションのテンペも人気。「テンペには、ダイゼン、ゲニステイン、フェノール酸、フィトステロールなど、コレステロールを下げる働きに優れるイソフラバノイドが含まれています」とアンジェロン。

アンジェロンいわく、発酵して作られるテンペは胃にもやさしい。「微生物、菌類を付けて大豆を発酵させて作られるテンペですが、発酵時間の長さが私たちの健康にそのまま影響します。発酵時間が長ければ長いほど、テンペの抗酸化作用も高まるのです」とアンジェロン。

発酵大豆は、腸内の善玉菌のバランスを整え、免疫を強化し、便通を改善するだけでなく、炎症から血管を守ってくれる。豆腐と同様に、テンペも完全タンパク質食品であり、1日に必要なカルシウムと鉄分の約10%を摂取することができる。さらに塩化マグネシウムで処理されたテンペは、相当な量のマグネシウムを含有している。

米農務省による、調理したテンペ一人前(100g)の栄養成分は以下の通り。

カロリー:195kcal
脂肪:11g(飽和脂肪3g)
タンパク質:20g
炭水化物:8g
食物繊維:0g
ナトリウム:14mg
カルシウム:96mg
鉄:2mg
マグネシウム:7mg
カリウム:401mg

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豆腐とテンペ、どっちのほうがヘルシー?

diced raw tofu and tempeh
ary pranggawan//Getty Images

豆腐とテンペの原料はどちらも大豆。この2つの食品は非常によく似ているけれど、発酵して作られるテンペのほうが栄養面では優れている。「テンペには、タンパク質や食物繊維、ビタミンが豆腐より多く含まれています」とアンジェロン。加工度も低いので、テンペのほうがより健康にいいと考えられています」。アンジェロンの見解では、テンペはマメ科植物やキヌアに並んで、植物由来の三大タンパク質源なのだとか。

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大豆は体に悪いと聞いたことがあるけれど、実際はどうなの?

closeup is some soybeans
krisanapong detraphiphat//Getty Images

バランスのとれた食事の一環として、大豆(低カロリーで高タンパク食品)を取り入れることが健康に害になると示すエビデンスはないと管理栄養士は口を揃えて公言している。実際に米国がん協会は、大豆製品の適度な摂取はすべての人にとって安全だと表明している。

豆腐やテンペのオススメの食べ方は?

tempeh soy sauce with green chili
AmalliaEka//Getty Images

豆腐もテンペも味気のない退屈な食品だと誤解しては損! 豆腐は、マリネやソースにからませると味がよく染み込み一層美味しくなる。そのソースに糖分や塩分が多く添加されていない限り、植物由来のタンパク質のメインディッシュはヘルシーなまま。

「どちらも調理しやすく、アレンジ無限の万能食材ですよ」とアンジェロン。一緒に調理する具材や調味料の味がよく染み込むため、どんな料理にも使えます」

プロからのアドバイス:
豆腐は、あらかじめ余分な水分を切ってから料理するのがポイント。とはいえ、豆腐やテンペを使ったすべての料理が栄養士に高く評価されているわけではない。

アンジェロンいわく、揚げた豆腐料理や塩分の高い加工食品は避けるべき。「豆腐ジャーキー、豆腐“チキン”ナゲット、豆腐ドッグなどがそうです」

結論:豆腐もテンペも、どちらも良質なタンパク質とさまざまな栄養素を含んだ優良食品であることは確かだが、発酵して作られたテンペは、植物由来のタンパク質源としてさらに秀でている。
 
※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: JENNIFER NIED Translation : Yukie Kawabata

Headshot of 川畑 幸絵
川畑 幸絵
翻訳者

短大卒業後バンクーバー、メルボルンで2年留学した後、外資系客室乗務員として勤務。2018年に退職後、翻訳者としてフリーランスに転身。アメリカで統合栄養学を学んだ経験もあり。

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