爪が欠けたり、割れてしまったりしてブルーな気持ちになることはない? それは、爪の保湿不足や普段の行動で爪に衝撃を与えてしまっていることが原因かも。
今回は、自宅でできる美爪を手に入れる方法を、NAIL CLINIQUEの主宰である川合美絵さんに伺った。
<目次>
- 美爪になる第1歩! 健康な爪の状態とは?
- 美爪を手に入れるカギ? ピンクの部分を伸ばすには?
- 割れづらい爪になるためのケア方法
- 割れやすい爪のお手入れ方法
- 割れやすい爪の簡単保湿方法
- 割れづらい爪になるためのに必要な栄養素
- 爪を割らないようにするために気をつけたいポイント
- まとめ
美爪になる第一歩! 健康な爪の状態とは?
爪が乾燥していない、ささくれがないなどのほかに、自分の爪の健康状態を判断する方法は、以下の4つ。
・爪の厚みがある程度以上ある
・爪が柔軟にたわむ
・爪を押したときにかためのクッションのような弾力性がある
(ふにゃふにゃした柔らかさでは×)
・ピンクの部分(ネイルベッド)に適度な長さがある
爪が薄くなっていたり、弾力性がなく乾燥していたりすると爪が欠けやすくなる。また、爪がひび割れやすい、爪先が曲がりやすい、爪が極端に薄い状態も爪の状態がよくないサインである。
爪は皮膚の角質層なので、爪が薄い人は、皮膚も薄い人が多い傾向がある。また、タンパク質不足の人や血流がよくない人(爪は体の末端なので血流が悪いと爪まで血液が行き渡りづらいそう)も爪が薄い傾向にあるそう。
自分の爪の状態は、どうなっているかを確認してみて。
美爪のカギ? ピンクの部分を伸ばすには?
爪をきれいに見せたいと思う人の多くは、爪のピンクの部分(ネイルベッド)を伸ばしたい! と思っているはず。自宅のケアでピンクの部分は伸ばすことができる?
結論から言うと、マニキュアなどで爪に膜を張り、爪を補強し、爪を伸ばすことができるとピンクの部分の面積を少し増やすことはできる。しかし、爪が薄い状態の人がピンクの部分を伸ばしても、爪が薄い状態で伸ばすことになり、さらに爪が割れやすくなる原因に。また、爪は割れれば割れるほど、深爪になり、ピンクの部分が後退してしまう。爪は、体の一部。骨格と同じで変化をすぐにコントロールすることは難しい。
爪が薄い人が厚みをつけながらピンクの部分を伸ばすには、プロによる施術が必要。厚みを持たせながら爪のピンクの部分を伸ばすには、なんと1年近くもかかるという。
ピンクの部分が伸びても、爪が割れやすいと感じたら爪の専門家に見てもらうようにしよう。
割れづらい爪になるためのケア方法
割れやすい爪のお手入れ方法
爪の乾燥・欠けを防ぎ、美爪に近づくにはどうすればいい? 自宅でできる爪の手入れ方法を伺った。
①爪を爪切りで切るのはNG
爪は、何百層にもなる層形成(ミルフィーユ断面のような感じ)で1枚の板のようになっている。層形成があることで、爪はたわみ、層形成がきれいな状態だと、爪の厚みもつきやすい。しかし、爪切りで爪を切ると層形成に約40kgの圧がかかると言われており、層形成が崩壊し、2枚爪や爪が割れやすくなる原因になるそう。
②爪のケアは、紙やすりで
爪の層形成をきれいな状態でキープするには、紙ベースの爪やすりでケアをするのがおすすめ。紙ベースのものであれば力が入りすぎたとしても爪の根本まで負担がかかりづらい。また、紙ベースの爪やすりは板状になっているため、やすり自体がたわみ、2枚爪になるのを防いでくれる。爪をきれいな状態にキープするには、1週間に1回くらい紙の爪やすりで一定方向に研ぐのがおすすめ。
割れやすい爪の簡単保湿方法
美爪に近づくには、保湿はマスト! ハンドクリームやオイルは、塗る量も大切だけれど、さらに塗る回数の方が重要。
美爪になるために重要なのは、爪周りの皮膚を乾燥させないこと、爪の中からの水分を逃させないことの2つ。そのために爪用オイルで保湿をしよう。
とくに重要なのは、オイルを塗りなおす回数。私たちは、朝、顔を洗ったり、トイレに行ったりと1日に何度も手を洗う。さらに、コロナウイルスの流行で手を洗う回数、消毒液を使う回数が増え、手の油脂はカラカラになっている。そのため、手を洗うごとにオイルやハンドクリームで保湿をするのがベスト。
長い時間をかけてケアをするより、気づいたときに、こまめにオイルで保湿をすることを心がけて。
割れづらい爪になるために必要な栄養素
爪の成分は、ケラチンというタンパク質。つまり、タンパク質をしっかりとることが爪によい影響を与える傾向がある。
日本人は、2枚爪や爪が割れやすい人が多いそう。それは、糖類が多い食事(ごはん、パスタなど)が多く、さらにおやつも食べることで体内の糖の量がほかの栄養素よりも多くなり、バランスが悪い状態の人が多いから。今までは女性に多かったけれど、近頃は男性にも増えてきている。
この状態を防ぐためには、摂取する糖の量を減らすというよりも、タンパク質やビタミンを多くとるようにして体内のバランスを整えることが大切。そうすることで、血流がよくなりやすく、体の末端の爪にも血流がいきわたり、割れづらい健康な爪になる。タンパク質は、豆腐や鶏肉などから、ビタミンは、野菜やフルーツに豊富に含まれているから毎日とり入れるようにしよう。
爪を割らないようにするために気をつけたいポイント
美爪のために重要なのは、「対処法ではなく、予防!」と話す川合さん。
爪が欠ける=爪が乾燥しきっている状態。その状態を改善するというよりは、ベースコートなどの保護剤を使って爪が欠けないように予防をすることが大切だという。また、バランスのよい食事をとり、血流をよくするように心がけたり、オイルを塗って乾燥を防ぐなどできることをしていこう。
では、日々の行動の中で意識すべきことは?
川合さんが教えてくれた以下の3つを意識してみて。
①道具を使う
カンのプルタブを爪で開けるなど、爪を道具にしていない? その行動は、爪に負担をかけているかも。袋のパウチははさみで開けたり、オープナーを使ってカンを開けたりなど道具を使ってみて。私たちの何気ない行動が爪に負担をかけているから、美爪のためにも意識してみよう。
②爪をフックにしない
人は、瞬発力を使ってなにかするとき、爪をフックにすることが多い。それが、爪が欠けやすくなる原因になる。重いカバンを持つときやスマートフォンでメールを打つときなど気をつけよう。
とくに、小さいお子さんがいると爪が割れやすい。その理由は、子どもを抱っこするときに瞬発力で抱きかかえることが多いからだそう。自分でも気づかないうちに指先の力を使っているけれど、ワンクッションおいて筋肉で持ち上げることを意識してみて。
③アルコール入りのウェットティッシュの使い過ぎに注意
消毒液よりもエタノール入りのウェットティッシュのほうが、爪が痛む原因になるって知っていた? その理由は、エタノールが刺激物となり、爪が痛む原因になるうえに、なにかを拭くときに指先に集中して力が入り、爪先が摩耗しやすいからだそう。ウェットティッシュを使ったら手を洗い、オイルで指先を保湿しよう。
まとめ
美爪は、1日にしてならず。こまめな保湿と爪への衝撃を抑える行動を心がけて、健康な美爪を目指そう!
□お話を伺ったのは…
川合 美絵(かわい よしえ)さん
NAIL CLINIQUE主宰。「手元から笑顔と幸せを…」をテーマに人と爪に向き合い22年の研究、臨床データ述べ10万本の指と向き合い5万以上の施術歴、155症例を解決に導きだしたという圧倒的な症例数を持つ、爪世界のパイオニア。「心理学」「脳科学」「習慣性」など様々な方向から分析し、世界初の爪矯正特許技術を取得し医師等の連携の元【爪矯正(後退した爪を再生する)】という言葉を世に広めた第一人者。現在では、日本のみに留まらず世界中の爪の文学・文化に触れ、人種別の爪の違いも分析。アスリートの爪を改善し瞬発力をあげ、走行速度を縮めさせること90%以上の実績結果、モデルの足爪からヒールの履き方など、足を細いままより美しく歩けるためのサポートなども行っている。また、爪の症状から栄養分析・内臓虚弱も判断できるため病院や栄養学の分野でもサポート。著作『美しい爪健康な爪 基礎知識』ではネイルアートから爪の病気までを幅広く網羅している。
アシスタントエディターとしてSNS業務も担当。人間の心理、睡眠や美容に興味を持ち、記事執筆を行っている。自他ともに認める運動音痴だが、最近ヨガとピラティスで心と体を整え始めた。健康なライフスタイルを送りたいため、1日1食オートミール生活を実践中。